忘年会のシーズンになりましたが、居酒屋の無断キャンセルが問題になっていて、警視庁幹部は「極めて悪質な犯罪だ。言語道断であり粛々と捜査を進める。」とコメントしています。
居酒屋の無断キャンセルの被害額は年間2千億円にも上ると言われていますが、「事件性」のものと「モーラル(道徳観)」の問題の両方があります。
通常の予約のうち、前日や2日前の直前キャンセルも加えると、被害額は約1兆6千億円にも及ぶと推計されていますから、とんでもない金額ですが、まだ連絡があるだけマシというもの。
無断キャンセルの場合は、店側は性善説で「予約があって、名前も電話番号も聞いているから、ちゃんと来てくれるだろう。」と考え、仕入れに仕込みと準備して待っている訳ですから、すでに原価も経費も掛かっていて、予約の席に他のお客様を座らせる訳にもいかず、機会損失も上乗せになります。
予約の時間を過ぎても来ないので電話すると、全く電話に出なかったり、知らぬ存ぜずだったり。
「事件性」の事例では、有楽町の居酒屋に団体予約を入れて、無断キャンセルした59歳の男を今月11日に警視庁が逮捕しました。
系列5店舗で合わせて75人分、総額約51万円に上る被害があったという業務妨害ですから、逮捕されてしかるべしです。
残念ながら、このような犯罪者はいつの時代にも少数はいたでしょうし、これからもあり得ることとして自衛手段を考えなければなりません。
無断キャンセル保証サービスの会社もあり、店との間に保証契約を交わし、店の予約サイトにはキャンセルポリシーを掲げて、客に予約キャンセルの際の請求についての同意を求めるというやり方で、店側が債権者、客が債務者となるシステムです。
導入例も増えているそうですが、小規模店では保証料や手数料を払ってまでやるのかと躊躇するところです。
「モーラル(道徳観)」の問題は、日本人の社会正義が退廃していることを如実に表しています。
当然、しっかり約束を守るというお客様の方が多いのですが、「50人の飲み会」や「少人数の飲み会」の予約を複数の店に入れて、最終的に選択した店以外には連絡も入れないという悪質なケースが増えています。
そんなことをしても平気な人間が増えているのです。
以前、私の知り合いのお店が20人ほどの予約を受けて、時間を過ぎても来ないので電話を掛けてみたら、返事は「知るか、そんなもん。他の店にいる。」と言われて、電話を切られてしまったそうです。
予約したのは、都心の大手銀行支店の銀行員だったそうですから驚きでした。
銀行名も支店名も本人の名前もわかっていたので、私が店主に「銀行に行ってもらって来いよ。」と言ったのですが、「事を荒立てたくない。」と言って諦めてしまいました。
私が「俺が銀行に行って、そこの支店長に直接談判してあげる。」と言ったのですが、「先生にそんなことさせられないし、もういいんです。」と意気消沈していました。
こんな輩は痛い目に遭わないと、また同じようなことをやりますから、忸怩たる思いでしたが、本人が諦めている以上はどうしようもありません。
一流企業の社員でさえ、このようにモーラルの退廃した社員がいるのです。
スキル教育だけでは防げない問題ですから、社会正義という正しい人の倫や道徳観・礼儀・忠恕の心(ちゅうじょ=真心・思いやり)・誠意という価値観をしっかりと刷り込んでいかなければ、企業の信用や評判にヒビを入れるようなことが起きかねないのです。
「吉田松陰」はじめ、「上杉鷹山」、「佐藤一斎(言志四録)」、「山岡鉄舟」、「勝海舟」、「西郷隆盛」、「新渡戸稲造(武士道)」、「二宮尊徳」、「渋沢栄一」など、先賢に学ぶことに大きな意味があります。
正々堂々と業績を伸ばし、利益を上げていくことと、併せてしっかりとした価値観教育をすべきです。
歴史的快挙の江戸無血開城を果たした男:山岡鉄舟は、一刀正伝無刀流(いっとうしょうでんむとうりゅう)の開祖であり、その極意は「無刀とは、心の外に刀なきなり。 刀によらずして、心をもって心を打つ。」です。
10年間明治天皇の侍従も務め、天皇にさえ遠慮なく諫めたという鉄舟ですが、「鉄舟二十訓」の中で、
一、 嘘は言うな。
八、 自分の欲しないことを人に求めるな。
十二、 他人のことを考えないで、自分に都合のよいことばかりしてはならない。
十五、 礼儀を乱してはならない。
などと、当たり前のことを説いています。
ABC(当たり前のことを、馬鹿にしないで、ちゃんとやる)が大事なのです。
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