ビジネススキル研究所公式ブログ

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改善

【 ヒューマンエラーを防げ 】

随分久しぶりの投稿となりました。
コロナ禍での東京オリンピック組織委員会の森会長の失言と謝罪会見。
口先だけの謝罪で、印象的には火に油を注いだ感がありますし、彼の基軸にあるのは「俺は無報酬でこんな大変な仕事をやってるんだ。謝ったからもういいだろ!辞めさせたきゃ辞めさせてみろよ!」という居直りです。
日本国の元総理大臣がこの体たらくでは、海外からの批判も多くなるでしょう。
そもそもまだ先が見えない現状で、「意地でもオリンピックは開催する。」と根拠のない主張をしてみても、「物言えば唇寒し秋の風」ということでしょう。
入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置を取っている現在でも、有効なビザを持っているなら入国できるとしたことから、未だに毎日空港検疫で陽性者が出ているのです。
既に変異型ウイルスが蔓延している中で、世界中からの人の受け入れとなるオリンピックは大きなリスクとなるでしょう。

さて、そんな状況でいよいよ今月からワクチン接種が始まるということで、各地で集団接種シミュレーションが行われています。
これは絶対必須のことですが、ニュース映像などを観ているとちょっと甘さが感じられます。
施設や動線確認などが進められていますが、問診や接種のシミュレーションでは「エア」だらけで、「注射の準備」「腕まくり」「消毒」「接種」など実際のタイムラグが反映されていないものが多いようです。
ロジスティクスも大変大きな課題ですが、接種現場の「タクトタイム」「サイクルタイム」や「リードタイム」にももっと厳密なチェックが必要です。
特に寒い時期には、接種者の腕まくりにも時間が掛かり、一人当たりの接種のタクトタイム・完了までのサイクルタイム・接種後の観察時間までを含めたリードタイム、厳しく悲観的準備をしておかなければ、思わぬボトルネックが発生して目詰まりが露呈するのではないでしょうか。

ところで静岡県では数日前、西部家畜保健衛生所で豚熱(CSF)ワクチンを保管していた冷蔵庫の扉が開けっ放しになっていたため、1万7360頭分のワクチンを破棄することになったそうです。
廃棄にかかる費用はワクチン191万円と廃棄料1万9千円とのこと。
冷蔵庫の扉が1時間ほど開けっ放し状態だったのを、職員が気づいた時には時すでに遅し。
ワクチン製造会社指定の保管温度は2~5度でしたが、庫内温度は23度に上昇していて、使用不能となったのです。
扉の閉め忘れという単純なヒューマンエラーでした。

有名なハインリッヒの法則は労働災害における経験則ですが、1つの重大インシデントの背後には29の軽微な事故があり、その背景には300のヒヤリ・ハットが存在するというものです。
新型コロナウイルスワクチン接種についても、重大なミスの原因となるヒューマンエラーをいかに防ぐか、見逃さないようにするかをしっかりとシミュレーションと対策をしていてほしいと願うばかりです。
自治体でのシミュレーションに、生産現場の品質管理や改善の担当者をオブザーバー参加してもらうのも一案かも知れません。
専門家ほど現場をあまりに知り過ぎていて、些細なことに気づかないこともありますから、違う目や違う感性を持つ人の存在が必要なのです。
私も長年生産現場の改善の仕事に携わってきたのですが、その仕事自体は門外漢でしたので、自らを「偉大なる素人」と自称しておりました。
先入観を持たずに、フレッシュな目で現場を見るということは、大きな意義があることなのです。

2021.2.4.
 株式会社 ビジネススキル研究所 代表取締役 鶴田 慎一  拝


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『仕組みと運用で機能させるKY活動』

【本質を考えると、「法令遵守」が「建前の実践」】
事務所の近くを歩いていて、新しく建てられたビルに目をやると、この光景が目に入り、「ん?!どうして?!」

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周りを囲まれダブルロックの掛かった中にある、私の目にはどう見ても役立たずの消火器。
法令遵守の観点としては、合格の設置場所なのでしょう。
この場所が発火したとして、この消火器を使うのは無理でしょうし、他の場所で使用するにも間に合わない。
「法令遵守」が「建前の実践」となっているような、、、。
使用期限の確認とリサイクルも重要ですが、設置場所と必要数の想定は、法令の基準以上にしっかりと考えられるべきです。

【KY活動を強化する】
先日、某指導先の工場で、「ちょっと危なっかしい箇所があるから、優先順位を決めて改善しようよ。KY活動・KY訓練もやらないと、事故の潜在要因がたくさんあるよ。」と言ったら、若い社員が「えっ?!空気読めない訓練?!」と応えて失笑を買いました。
KY活動・KY訓練とは「危険予知活動・危険予知訓練」のことで、正に知らなければ「空気読めない訓練」ということにも。

特に製造現場や工事現場などの作業には、事故や災害のリスクがありますから、いかにそれを未然に防ぐかということが大切なのです。
潜在的な危険を予想すること、歯に衣着せずに指摘しあうことが訓練になります。
Kiken Yochi Trainingの頭文字をとってKYTです。

安全対策は、「法令遵守」はもちろんのこと、「痛い経験」をしてから改善されることも多いのですが、徹底的に「転ばぬ先の杖」で考えて手を打つことで、結果的にコストも抑制できるのです。

毎日見慣れた現場風景だから、不感症になる人もまた多いのが現実。
目を変え、人を変え、フレッシュな問題意識を呼び起こすことです。
命にかかわるような事故、障害認定されるような大怪我、起きてしまってからは取り返しがつかないのは言うまでもありません。



【仕組みと運用で機能させる安全対策】
ある会社で、幹部に安全対策について問いかけたら、
「うちは法令に従って、ちゃんと安全対策をやっていますから。」
「じゃあ、この5年は無事故ですね?」
「いやー、色々と口酸っぱく注意しているのですが、言われた通りにやらない奴がいて、困ったもんです。年間0とはいかないんですよ。」

確かに仕組みやルールはあるのですが、調べてみると事故原因のほとんどがヒューマンエラーでした。
A(当たり前のことを)、B(バカにしないで)、C(チャンとやる)という基本が、「慣れ」「ダレ」「甘え」「横着」によって守られないのです。
先程の幹部に、「で、どんな対策を?」と問うと、
「パトロール回数を増やして、以前より厳しく注意喚起しています。」
「じゃ、減るかもしれないけど、ゼロにはならないですね。」

そこで、危険個所で仮に手を抜いても、必ず機械が停止してしまう機能を取り付けて、何メートルも離れたスイッチを押さなければ再起動しないようにしました。
つまり、手を抜けば本人がとても面倒くさいように、変更したのです。
一見、作業効率低下の策ですが、担当オペレーターが手を抜くことはなくなり、この箇所でのリスクはほぼ取り払えました。

仕組みを作ると、現場の人間は「仕事がやりにくくなる」と、不評のことも多いものです。

そこで大切なのは運用です。
幹部から、「会社としても設備投資にお金が掛かるし、作業効率も下がるかも知れないし、大変なんだよな。でも、少々の犠牲を払ったとしても、君たちが怪我をしたり、命を落とすような可能性は何としても排除するんだよ。」と、説いてもらいました。
結果的に、事故どころか「ヒヤリハット」もなくなり、他の改善との合わせ技で生産効率も向上しました。
目先でなく、常に本質に目と心を向けることです。



【消火器の消火原理は、「冷却作用」「窒息作用」「抑制作用」】
冒頭に書いた「消火器」ですが、ご存知の通り火災の「初期消火」にあたるためのもので、消せればいいし、消せなくても消防車到着までに延焼を食い止めるなどの役割は重要です。
消火原理の分類は、「注水等によって、冷却により温度を下げて、燃焼を妨げ消火する冷却作用」と、「酸素の遮断や、酸素濃度を下げて消火する窒息作用」、「負触媒効果という燃焼反応抑制で消火する抑制作用」と3タイプが中心だと聞きます。

ところで、先程のABCとは違いますが、ABCの表記のある消火器をよく目にしますね。
厳密には、「加圧式ABC粉末消火器」。
消防法で、対応する火災によりABCの3種類が分けられています。
Aは普通火災で、紙・木・繊維・樹脂などの固形物が燃える一般的な火災。
Bは油火災で、油・ガソリンなどの揮発油火災。
Cは電気火災で、電気設備の火災。

調べてみると、消火器にも大変多くの種類がありますが、消防法による国家検定制度がありますから、合格した物以外は販売できません。
最近、スプレー式の消火具もありますが、これは消火器と呼ばれず、「エアゾール式簡易消火具」というのが正しいようです。

中には、家庭での天ぷら油に火が着いた時に、使用すると火が飛び散って大変なことになるという代物もあるようですから、粗悪品の効用を鵜呑みにしないように気を付けたいものです。
兎にも角にも、「仕組みと運用で機能させるKY活動」を再認識・再確認して、安全な職場を創りましょう。


2014.9.8.
 株式会社 ビジネススキル研究所 代表取締役 鶴田 慎一  拝
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