創業者で18%超もの株式を所有する筆頭株主の会長と、その長女である社長が対立している大塚家具の27日の株主総会が注目されています。
年商約700億円から約550億円に低迷し、経営方針を巡って責任の擦り合いと、高配当での人気取り合戦の様相を呈しています。

業績悪化の中でも社長サイドは、「今期から3年の80円配当」という配当倍増案、会長サイドは「3年間は配当120円」という配当3倍増案で対抗しています。

株主の支持集めの「大盤振る舞い」で、株式投資の収益分配金である配当で得るインカム・ゲインの魅力に株価も大きく反応しました。
株の価格上昇による利益であるキャピタル・ゲインも得られれば、これは美味しいという投資家も多いのでしょうが、価格が下がれば当然キャピタル・ロスが発生して、損をしてしまうのが相場です。

大塚家具の今期の単独税引き後利益見通しは前期比81%減の9000万円ですから、両者とも業績の裏付けなき増配案でしょう。
ただし大塚家具は、昨年末時点で約280億円の利益剰余金を持つ無借金企業です。
ですから、配当による負担は社長案で年15億円、会長案でも22億円程度で、支払い余力は十分あり、業績に関係なく大幅増配は実施されるのでしょう。
しかし、業績の裏付けなき増配は先々に不安を残すものです。



昨年7月に最初の社長解任で会長が社長を兼務、取締役会での会長の言動やコンプライアンスなどが問題視され、今年1月には6人の社外取締役と監査役全員から改善要望書が提出され、再度の社長交代となりました。
親子である会長と社長、そして長男も交えた親子兄弟の骨肉の争いで、互いの退任を求めて会社の体力と社風と企業イメージの劣化を賭してまで争うという、悲しきプロキシー・ファイト(委任状争奪戦)です。
株主総会における有効株数の半分以上を制した側の勝利となる訳ですから、金融機関などの機関投資家をはじめ、ステークホルダー(利害関係者)や自主投票となった従業員持ち株会などの動向にも注目です。

また、世界最大手の機関投資家向け議決権行使助言会社である米ISSと、世界2位の米グラス・ルイスが社長支持のコメントを出したことも明らかになって、上場同族企業の血みどろの戦いは、ますますエスカレートの一途です。
総会では、議決権の過半数争奪戦ですから、大株主である機関投資家の動きが鍵を握る訳で、その賛否をアドバイスする助言会社の影響は大きいものです。
報道を見ると、会長側も社長側も「支持されているのはこちらだ!」と、主張を繰り返していますが、問題の本質に斬り込めているようには思えません。


「社会への貢献」「会社の更なる成長発展」「従業員の安定した暮らし」など、目指したいものは一致していてほしいものです。
しかし、悲しいかな親子両陣営は真っ二つ。

前回の新着お役立ち情報にも、ゴーイング・コンサーンについて書きましたが、企業の継続・発展のためにはビビッドな「社風」を創ることに尽きると思います。
いずれの勝利となっても、今回の争いで疲弊した幹部や社員の心、著しくダウンした企業イメージなど、かなりのダメージを残すこととなるでしょう。



事業承継で一番重要なのは、「不易流行(ふえきりゅうこう)」であると思います。
是非、「新着お役立ち情報」のバックナンバー2011年09月27日の『不易流行』、2014年05月28日の『「苦労」と「納得」と「やりがい」は、全くの論理矛盾もなく成立する!』を、改めてご参照ください。

「不易」とは「不変の法則であり、時を超えても変わらぬ真理」のことで、「流行」とは「その時々の時代や環境により起きる変化」のことです。
今回の争いは、この「不易」と「流行」に対する著しい見解の相違が埋められないまま、互いに相手に「不適格のレッテル」を貼ろうとしているような気がします。



企業経営における「真理」は、経営者も社員も一丸となって目指してきた「ありたい姿」であり、それを経営理念・社是・社訓に盛り込んでいるはずで、実現に向けて歩を進めるには「思想・哲学・価値観の一致」が必要です。
今回の中期経営計画は、3年間の配当ばかりが目立つようで、不安を感じます。

中期ビジョンは3年後の会社の「あるべき姿」、そしてそれを実現するための「戦略」「具体策」「アクション・プログラム」を打ち出すことだと思います。
事業承継も世代交代も、大前提を忘れて目先の争いに勝つことだけに突き進めば、いよいよ本格的に歯車が狂ってくるのではないでしょうか。



戦国の世に天下を目指した信長を筆頭に、「戦のない世を」との想いは同じでも、その問題解決への価値観の違いによっては血族・臣下を交えた殺し合いに至ります。
常に、「歴史は形を変えながら繰り返す」のです。
本当に苦しんで、突き詰めて、夜を徹してでも議論を続け、「一番大切なことは何なのか」の答を求め合ってほしいものです。
経営にも人生にも、「悩み」「迷い」「挫折」「劣等感」などを苦しんで乗り越えたところに、重要なステップが刻まれているのであろうと思います。



親子の戦い、いずれが勝利したとしても、「トップに立つ者の経営への謙虚な取り組み」が、この事態の行く末を決めることになるのではないでしょうか。
経営者が「何より社員が大切」という言葉を発するとしても、それがテクニカル・スキルによって生まれた詭弁であるなら、ビビッドな「社風」を創ることはできません。



「社風」を創ることこそが、企業活性化のコア・テーマなのです。
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