このところ連チャンで、日刊ゲンダイの取材を受けていますが、先日は「今後も働き続けたい業種ランキング」の話題で、昨日は「STAP社員」について。
マウスの体細胞を弱酸性溶液で刺激・初期化し、あらゆる細胞に分化できる「万能」「多能性」を実現と、大きな話題となった「STAP細胞」ですが、疑惑続出でついに「研究成果」も「博士論文」も正に「初期化」してしまいました。
早くもこのことから、すぐに「初期化」してしまう「STAP社員」という言葉が使われ始めています。
宜しければ、本日発売の日刊ゲンダイをご笑覧ください。


【明るく前向きなセルフ・モチベート】
先週の福岡・名古屋での研修に続き、昨日までは恒例の「営業マインド強化合宿」でした。
「営業マインド」とはビジネスパーソンには不可欠のものですから、ある意味「働くとは」「頑張るとは」「素敵な人生を生きるとは」と、哲学的テーマにも解りやすく取り組むことも大事です。
1996年からスタートした「営業マインド強化合宿」ですが、18年間一貫して「部門を問わずハイレベルな価値観:営業マインドを持つこと」、「前向きな人生を生きるための要諦」「仕事も人生も、そして研修も、楽しめるものにならなければつまらない」と、訴えてまいりました。
パンフレットの私の顔が怖いせいか、「地獄系」を想像しながらやってくる人もいますが、残念ながら「営業マインド強化合宿」は忍耐力を鍛えるのではなく、「明るく前向きなセルフ・モチベート」を手に入れるという趣旨なのです。
言わば「天国系」!


【「KKKD(勘・経験・気合い・度胸)」と「共感性アプローチ」】
「よし、万全の電話対応で、会っていただくことの価値を示して、受注のためにまずはアポイントを頂こう!」
そのアポイントメント成立の確率は、いくつかのポイントや自分の対処の仕方で大きく上下するものです。
そういう肝心要のツボをご存知なく、「KKKD(勘・経験・気合い・度胸)」だけを頼りにアポイント取りをしているという方が圧倒的です。
「KKKD(勘・経験・気合い・度胸)」が不要ファクターだとは言いませんが、「賢いスマートな営業活動」でなければ、アポイント確率を高めることが難しくなります。
顧客心理をしっかり踏まえた「スマートな営業活動」を推進するには、やはりそのベースとなる「価値観」に触れて、その「価値観」を受け入れて、顧客への「共感性アプローチ」をしていくことなのです。


「自分の電話の対応がマズくて、アポイントが取れなかったら、、、」
「お客様が、工場の見学のためにわざわざ足を運んで頂いたのに、ホスピタリティーが足りずにがっかりさせてしまったら、、、」
などと、ネガティブ・マインドで心配性になり過ぎると、身動きが取れなくなってしまいます。
常に相手の「心理」「ニーズ」に立って、出来れば「ウオンツ」に寄り添って、「思考」することと「言葉」と「態度」を最適化することなのです。
「せっかくお客様がわざわざ足を運んで、うちの工場見学にいらっしゃるのだから、適切な人・モノ・情報を揃えて、最もお客様が見たい・知りたいことに、ホスピタリティー満点で対応しよう!」
と、ポジティブ・マインドで皆で寄ってたかって「良質な顧客対応」をすることです。
これも時々この新着に書いているように、「クロスファンクショナル・チーム」なのです。
キーワードは「ポジティブな営業マインド」を炸裂させて、泥臭くても「皆で寄ってたかって成果を出す」ことです。


【意外といます。「営業マインド」が足りない人、薄い人】
先日、研修に使用する文具や備品類を買おうと、ウチのスタッフが近くの文具店に電話をしました。
ちょうど他の資料なども車に積み込むタイミングだったので、
「車で行って、積んで帰るので、在庫があることを確認して頂けますか?」
「調べてご連絡します」
しかし、待てど暮らせど返答なし。
痺れを切らして、再コールすると、
「パソコン上のデータでは在庫有るんですけど、本当に売り場にあるかどうかはわからないし、、、」
「だから、確認して取り置きして下さいって、お願いしているんですけど!」
「でも、お客さんが来られる前に売れちゃったら、なくなるし、、、」
「だから取り置きだって言ってるのに、、、もういいです!他で買いますから!」
その10分後に、そのお店の人から、
「お取り置きしておきます!」
と電話が掛かってきましたが、間の悪さ抜群!
「もう結構です!他に注文しましたから!」


【本当に理解すべきマーケティング・ストーリー】
この出来事は、日報にも書かれないし、社長にも報告されないはずです。
都合の悪いことは「ブラックボックス」に入ります。
会社の中には、このような「遺失利益」がたくさんあるのです。
仮にその日に当社が3万円の買い物をしたとして、このような対応に腹を立てた人が他にも1000人いれば、これで3千万円の売り上げが飛ぶことになるのです。

「もう結構です!他に注文しましたから!」は本当の話で、電話が掛かってくる寸前に、ネットで発注済みでした。
研修前に私の車に荷物を積み込むついでに、その店で買って積み込んじゃえというのが、最初の問い合わせ電話の発端。
ネットであれば、我々の行先の研修会場に直接荷物が届くから、手間も暇も掛からずに楽なのに、わざわざそのお店に行って買ってやろうという奇特なお客様が消えた瞬間でした。
しかも、どちらで買っても金額はほとんど変わらないので、その差は歴然なのです。
お客様の「購買行動のストーリー展開」「お客様がほかの選択肢を持っている」ことも解らないようでは、いずれ負け組・淘汰組に入ってしまうでしょう。


【遺失利益増産社員】
「そんなバカなことをする社員はウチにはいないはずだ!」と、断言される会社にも大なり小なり「遺失利益増産社員」がいるものです。
そんなバカな対応をする社員に注意を払うことのみならず、「顧客心理と購買行動の心理教育」と「プロ意識の醸成教育」が欠かせないのは当然です。
「遺失利益増産社員」は、売上のベース(固定客・お得意様)を落としていくのです。

特に「価値観教育」「思想教育」に力点を置かなければ、「能力教育」だけでは「自分は優秀だ」と思い込んでいる「頭でっかち」を育てていくことにもなるやも。
「知っている」「わかっている」ことに行動が伴わないのであれば、「知らないからやっていない」人を「理解できたからやれる人」に育てて、「営業マインド」を授ける方が、社内評論家よりも遥かにマシです。
現代社会においても、陽明学の「知行合一」は健在なのです。
「知る」ことが「考働(行動)」に反映されなければ、社内評論家を増産するだけのことになりますから、今一度社内に「知行合一」を徹底すべきでしょう。


【信念と志の男:吉田松陰】
「知行合一」と言えば、「吉田松陰 誇りを持って生きる!」(森友幸照著、すばる舎刊)が、1/30に出版されました。
厳密に言えば、1997年に刊行されたものを新装改訂版として出されたものですが、発売日の数日前に森友先生からお贈りいただきました。
他に読まなければならないものが数冊あったので、遅れ馳せながらも先週の移動中に拝読いたしました。
「吉田松陰」については、これまでも数冊読みましたが、この森友先生の本は非常にいい、お勧めの一冊です。

激動の幕末において、幕藩封建体制と開国革命派の激しいせめぎ合いの中で、志と諫言(かんげん:いさめるもの言い)を貫き通した未だ30歳に満たない吉田松陰が、行間から本当に凄みのある姿を溢れさせています。
すでに松陰の倍もの人生を生きてきた私に、反省や更なる意気込みを持たせてくれた一冊でした。
価値観という背骨を屈強なものにすれば、仕事も人生ももっともっとレベルアップするはずです。
「できないからやらない」ということは確かにあるけど、そのうちの多くは「やらないからできない」ものでしょう。
皆さんも是非、一度お読みになることをお勧めいたします。
また、次回にでも吉田松陰の「変革思想の凄み」「賢者の思考回路」について、触れてみたいと思います。


2014.3.14.
 株式会社 ビジネススキル研究所 代表取締役 鶴田 慎一  拝
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営業マインド強化合宿ホームページ
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