【永遠の0】
先月、アナウンサーをしている友人のKさんから、
「大した期待はしないで映画<永遠の0>を観てきたのですが、思った以上にいい映画でした。少し泣けました。」
とメールをもらい、「これはちょっと観てみなきゃ」と先週、スケジュールの間隙を縫って有楽町へ。
原作者・原作の思想的なものに対する批判も多い作品ですが、あくまでも「史実でない創作」として観るのが正しいと思います。
しかし、このドラマに似た話は過去いくつも耳にしたことがあるのも、また事実ですから、そんなに突飛なことでもないと思います。


世の中には同じことにも「多くの事実」が存在しているのですが、「一つの真実」が根本にあるのです。
この映画が大ヒットしていること自体を、「戦争の美化である」「日本人の右傾化だ」とか、「神風特攻隊はテロリストだ」とか批判する向きもありますが、それは少々乱暴な論理の気がします。
軍隊の上層部に大きな判断ミスをした人間が多数いた事実と、「好き好んで戦争にも特攻にも行ったわけではない」「最後は大切な人を守りたいと願いながら、自らの命を捨てた」という隊員の方々の真実の心を同列に扱うべきではないし、根本的に国の犠牲となった精霊に対して無礼であろうと思います。

安倍総理の靖国参拝(事実)を切っ掛けに、賛否両論色々な議論が飛び交ってきましたが、「もう二度とあのような凄惨な戦争を引き起こしてはならない」と願う心(真実)は万人共通のことです。
常に、「上司の判断ミス」や「危険な思想」に目を光らせながら、多くの尊い犠牲者に祈りを捧げなければと痛感するところです。


上に立つ者は、「戦略的失敗」を「戦術・戦闘の失敗」に擦り付けるようなことをしてはいけないし、何より「戦略的失敗」は「戦術・戦闘」でリカバーすることはできず、悲惨な敗戦になるのです。
例えば、「経営効率の向上」のための「戦略的課題」とは、あくまでも「費用対効果」によって定めるべきところですが、経費等の全てを「経営効率の向上・コストリダクション」として捉えた場合、急激に「効果性の減退」を引き起こすことがあります。
「経営効率・コストリダクション」の「数値や理屈」だけを見ていると、「顧客からのイメージ」や「技術・ノウハウの維持・向上」「社員のモラール」には反比例の効果をもたらすものも多いものです。
企業において、「戦略リーダー」たる「上に立つ者」は、この戦略性に対して心しておかなければ、「良かれと思った」策が一気に企業存亡の危機を創ることにもなりかねないのです。

人の上に立つ者は、必死に磨き上げた「見識」と、強烈な強い意思決定に基づく「胆識」を持ち、部下や全てのステークホルダー(利害関係者)に対する責任を全うすることこそMISSIONです。



【<永遠の0>ストーリー】
さて、簡単にストーリーを。
凄腕の零戦乗りの主人公:宮部久蔵(主演:岡田准一)の「戦時における苦悩」と、「生きて還る」という強い意志が一貫したストーリーです。
卑怯者と誹られても、「娘に会うまでは死なない」と、妻:松乃との約束を守り続けていた久蔵。
宮部久蔵は巧みな零戦操縦技術を持ち、教官を務めるほどの零戦乗りでありましたが、妻子を案じ「必ず生きて帰る」と公言していました。
人の命を重んじ上官に諫言(かんげん)して、「臆病者」と罵られ殴られても、その意志を貫き通す反面、毎晩一人鍛錬に努めて、入念な機体整備に慎重な操縦で、実戦においても無理して相手を撃墜するよりは撃墜されないことを優先していました。
筑波海軍航空隊で教官を務めた後、「何故あの人が特攻に志願したのか」と、周りが驚く中、鹿児島の特攻基地だった鹿屋飛行場から特攻に出撃し、26歳の若さで還らぬ人となったのでした。
(ウルトラ・サマリーなので、よく解らないと思いますが)



【巨艦、ゼロ戦、悲惨な戦争のノスタルジー】
異郷から故郷を懐かしむ、郷愁・望郷がノスタルジーで、懐古・追憶など過ぎ去った時代を懐かしむことも同義です。
イメージを都合よく再構成して、ノスタルジーを煽り、観客がそれを史実の如く感じ取ってしまうのでは些か問題ですが、どんな悲しい歴史でもその時代が史に刻まれている以上、ノスタルジーの要因となり得るものです。
悲しい史実とは別に、戦艦大和やゼロ戦のモデルの愛好家が多いのも、悲しい歴史への懐かしさではなく、悪意のないノスタルジーではないかと思います。


映画「永遠の0」の撮影では、登場する旧日本海軍の「零戦二一型」は原寸大模型が制作され、また、現存する唯一の飛行可能な零戦のオリジナルエンジンから、エンジン音が収録されたそうです。
当時、世界最高峰だった零戦の性能は、敗戦後に米軍が「二度と日本に航空機開発をさせてはならない」と、強く決意したと言われているほどです。
宜しければ、冷静沈着な目で映画「永遠の0」をご覧になるといいでしょう。



【マセラティ ギブリ】
映画「永遠の0」を観て、エレベーターで一階に下りて、阪急デパートの中にチラッと目をやると、
「ん?!なんだ?!車がある!」
昔から車が好きなものですから、当然足が向きます。
「おおっ、マセラティ ギブリだ!」
と舐めるように見入って、運転席に座ってみて、担当者に、
「いいなー、凄くいいなー、これください!」
まだいつの日か、あるいは永遠にゼロかわからないけど、、欲しくなったことは事実。


総排気量2,979cc V6ツインターボエンジン、エンジン最高出力410ps/5500rpm、最高速度285km/h、0-100km/h加速5,0sec、パドルシフト使用時にはレヴリミッターも解除され、レッドゾーンまで回る。
クアトロポルテGT Sでなくても、グラントゥーリズモでなくても、マセラティ ギブリSで私には充分。
完成度の高いクルマですが、やはりお値段も高い。
メーカー・オプションを付けて、1,200万円也。(マセラティにしては安いが、やはり高い)
手も足も出ないので、「カタログだけ、送ってねー。」と、お願いして退散。


しかし、しかし、ダークのメタリックボディをよく見ると、まるで塗装が違います。
メタリックの粒がレインボー・カラーに輝くのです。
聞いてみると、やはり通常のメタリック塗装ではなく、天然石を微細粉末にして混ぜているとのことで、確かに宝石のような美しい輝きでした。
これもまた、車の魅力に付加された周辺技術の進化ですね。
とりあえず一銭のお金も掛けることなく、いろいろな気づきがありましたので、お得な気分でした。



【配慮か、無駄か、はたまたお役所仕事か】
食事を済ませて銀座の地下鉄通路を歩いていたら、途中でほんの4段の階段を降りて、ほんの3メートルほど進んで、またほんの4段の階段を上がり、元の通路に戻るだけの場所発見。
構造上の理由で天井が低い場所を少し通路を下げて回避した、という理屈は解りますが、配慮より無駄の方が巨大。
しかも、明らかに手間と費用を掛けた上に、バリアフリーではないのですから、近年作られた通路としては気になるものです。(傾斜が大きすぎて、スロープにするのも無理でしょうが)


逆に、発注者が「手間も費用も気にならない人」だから造れた、とも言えるのでは?!
同義語ながら、費用対効果、コストパフォーマンス、benefit by costを略してB/C(ビーバイシー)、いつも頭に置いておかなければ、「手間も費用も気にならない人」になってしまいます。
組織全体が「手間も費用も気にならない人」の集団になると、問題意識は退化の一途を辿り、組織は「永遠にゼロ」という終焉を迎えてしまうのです。
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2014.2.24.
 株式会社 ビジネススキル研究所 代表取締役 鶴田 慎一  拝
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