先週は大阪で、どっぷりと合宿の営業研修に浸かっていましたが、参加者にとてもいいヤツが多くて、「疲れるながらも、楽しい営業研修」満喫でした。
当然のことながら、肉体や精神的コンディションなど関係なく、私が「常に120%の営業研修」でなければ、心に言葉が届かないと思います。
あ、今気づいたら既に「営業研修」と4回も書いている。
何故かと自己分析してみると、このところ圧倒的に「経営戦略」「マーケティング戦略」のテーマが続いていたから、「営業研修」の刺激がやけに心地よかったんでしょうね。

「最適調達」「最適生産」「最適価格」「最適ロジスティクス」「最適サービス」など、最適なマーケティングを推進することは言うまでもないのですが、「営業の売る力」こそ全てが結実した「収穫」なのです。
この醍醐味を今一度認識して頂く「営業研修」は、やはり参加者の心の変化が如実に見えてくるから、こちらも参加者に乗せられていくような感じなのです。
営業でも何の仕事でもキャナリゼーション(水路化現象:バックナンバーご参照ください)が怖い。
悪いルーティーンの中に埋没しないように気を付けたいものです。



私は子供の頃、九州の片田舎で育ちました。
近くの同級生の大森君の家が酪農業で、毎朝搾りたての生牛乳を貰いに(ちゃんと買っていましたよ)行って、鍋に入れて沸騰させてから飲むのが日課でした。
実に濃厚で旨いミルクだったのが、生涯の記憶に残りますが、これは良いルーティーンだったと、親に感謝しています。

お店で売っている牛乳は調整されたり加工されたりと、水っぽい牛乳が多いのですが、搾りたての生牛乳はとにかく濃いので、鍋の表面に張った膜はまるで湯葉のようでした。
私は身長が以前は183センチありましたが、現在は縮んで182センチ。
ま、それでも大柄な方なので、
「先生、なんでそんなに大きくなったの?」と問われると、
「子供の頃、毎日搾りたての生牛乳を飲んでいたからかなー。」と答えます。

都会生まれの都会育ちの方には、まず経験のない話でしょうが、早朝に私の部屋の前に牛がいたというのを数回体験しました。
夜中に友人の家の牛舎から逃げ出した牛が、早朝私の部屋の前で「モー」と鳴き、びっくりして飛び起きたという激レアなモーニングコール。
懐かしの田舎生活です。

幼い頃(~4歳)は、福岡県の椎田町という親父の故郷で育ちました。
その頃は自宅に農耕牛がいて、横に鶏小屋もありました。
よく幼い私が行方不明になって家族が探すと、ほとんどの場合は鶏小屋の中で抱卵している鶏から卵を奪い取り、生のままチューチュー吸って飲んでいたそうです。
スギちゃんより、ワイルドだぜーぃ。(あ、スタッフに「今頃、暇になったスギちゃんですかー」と言われ、「余計なお世話だぜぃ!」、、やはり既に旬は「スギ」ちゃん、、)



幼い頃の自然に囲まれた環境は、今の自分が持っている情緒の中核を形成してくれているのだと思います。
土の匂いや海や川の匂い、同じ田んぼでも「田植え」「稲刈り」「農閑期」ではまた匂いが違います。
そう言えば、鶏小屋フェチだった私でも、夏場の食鳥加工工場の匂いはきつかった。
文句を言ってはいけない、鶏肉は大好物、、。
しかし、数百メートル離れたところにいても、風向きによっては直撃されます。
幸い我家には、その独特の臭いが来ることはありませんでしたが、近隣の方々はかなり閉口していたかも知れません。

そんな記憶をたどる中で思い出しましたが、数ヶ月前に読んだ新聞記事に、「梅干し漬け汁が鶏ふんの悪臭を抑制する」という記事がありました。
梅干しの本場である、紀州和歌山の農業試験場の研究成果だそうです。
鶏ふんは肥料に使いますが、発酵する際のアンモニア臭が近隣住民を苦しめることも多かったのです。
そこで、アルカリ性の鶏ふんを、酸性で塩分の濃い梅干しの漬け汁で中性にすれば、アンモニア放出が減るということのようです。

梅干しの生産過程では、梅を塩漬けにした後、シソや蜂蜜成分などの漬け汁で風味付けします。
和歌山県だけでも、年間に1万トンもの漬け汁が捨てられているそうですから、再利用価値は大変大きいものです。
しかも、漬け汁の塩分を抜くための浄化槽処理に、1トン当たり3万円の処理費が掛かるといいます。
単純計算で3億円の処理コストです。

以前にも書きましたが、「リデュース」「リユース」「リサイクル」は攻めの姿勢でやりたいものです。
「30ppmの濃度を環境基準の5ppmに下げる」などの工夫に留まらず、廃棄物から収益源となる「付加価値製品」を創るということを考えて、実現すれば素晴らしい夢の収入源です。
仮に3億円の処理コストを掛けていたとして、それが3億円の利益を上げるものに変身すれば、都合6億円の実質営業利益を生み出したことになるのです。
ついでに、その後はメタンガスを発生させて、発電も。
いやここは、コージェネ(熱電供給)へと進む。
『もう「廃棄物」などと失礼なことは言わせないぞ』と、「梅干しの漬け汁」のニーズに寄り添う。


山本五十六曰く、
「苦しいこともあるだろう。言いたいこともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つこともあるだろう。泣きたいこともあるだろう。これをじっとこらえていくのが男の修行である」
とは言え、ここはマーケティング・マインドを溢れ出させて、付加価値を生み出すという攻めに転じたいところでもあります。
攻守のタイミングとバランスこそが戦略論の妙味。

今から2500年も前に孫武によって書かれた「孫子の兵法」、最も優れた勝ち方は『戦わずして勝つ』こと。
次は、『算なきは戦わず』、つまり勝算がないのに無理攻めをするようなことは愚であるということ。
そして、「戦わざるを得ないが勝算あり」ならば、「とっととやっつけてこい!」ということです。
「今は勝てそうにないが、そのうちに勝てるタイミングがやってくる」のであれば、絶対にそのタイミングを逃してはならない。
正にこれが「孫子の戦略論」のエキスであろうと思います。
ストラテジック・マインドを磨き上げて、業績貢献していきましょう!

2013.6.18.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

あ、先日の予告通り、待望のウチョウラン開花宣言!ホント、可憐で可愛い花です。
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