先週末まで都内で研修でしたが、帰ってみると巷では私の事務所周辺から神田明神(神田神社)に掛けて、神田祭(かんだまつり)で大賑わいでした。
神田祭は「山王祭」「深川祭」と並んで『江戸三大祭』の一つ、且つ京都の「祇園祭」、大阪の「天神祭」と共に『日本三大祭』の一つにも数えられています。
徳川家康が天下統一を果たした以後、家康から社殿・神輿・祭器が寄進されて、神田祭は徳川家縁起の祭として盛大に執り行われることとなったそうです。

江戸三大祭は「神輿深川、山車神田、だだっ広いが山王様」と謳われたそうです。
神田祭は山車の出る祭りだったそうですが、明治期以降は路面電車や電柱が敷設され、山車の通行に支障を来たしたため、次第に曳行されなくなり、現在は町御輿が主流となっているようです。
明治期に売却された山車は、まだ関東各地に伝存するそうですから、どこかの街で出逢うのも楽しみですね。


祭りの前からあちらこちらの街角に、町御輿が飾っていますので祭りの前でも見物はできますが、やはり神輿は担いでいるところがいいものです。
今回は土曜日の夕方までで研修が終わりましたので、ちょうど日曜日の夕方のフィナーレを秋葉原で観ることができました。
というより、流石に疲労困憊で出掛けるのが遅れ、神田明神に辿り着く前に秋葉原でフィナーレになってしまったというのが正しいのですが、、。
いろいろな街の神輿を観ましたが、中でも夕暮れにライトアップされた神輿の写真を撮りましたので、文末に張り付けておきたいと思います。



神田祭の賑わいも束の間、今週末は浅草神社の例大祭である三社祭(さんじゃまつり)です。
江戸の街は毎週連続のG1ウイーク(?!)です。
浅草神社は明治に入るまでは浅草寺(せんそうじ)と一体であったそうで、昔は浅草寺の祭りとして行なわれていたようですが、神仏分離によって浅草寺とは分離されて浅草神社単体での祭りとして発展してきたようです。
三社祭が江戸三大祭に含まれていないのは意外なのですが、神仏分離という歴史の変遷の影響でしょう。

祭り好きの人たちが「神輿同好会」を結成して、各地の祭りを担ぎ回っているそうですが、八九三の人たちも多く、八九三の祭典という感も。
「祭りが暴力団の資金源になっている」「全身刺青の男性が肌を露出した姿が怖い」などという声も多く、実際に2007年までの10年間に暴力団組員33人が都迷惑防止条例違反で逮捕されています。
暴力団員らが御輿の上によじ登って騒ぎを起こすシーンや、乱闘シーンなどがYou Tubeにたくさんアップされています。
そのような行為が問題となって、一般客からの苦情も多く、2008年には本社神輿の担ぎ出しが中止になり、2012年には都暴力団排除条例が施行されたこともあり、主催者側は暴力団組員らに組織名の入った半纏を着用させないよう要請するなどの対策に乗り出しているそうです。

大好きなお祭りならば、「堅気に迷惑を掛けない」「堅気を怖がらせない」「犯罪行為や資金集めに利用しない」などと言う鉄則を、親分が厳しく子分を律することです。
だいたい騒ぎを起こす人は「自律」できない人ですから、「親分」「警察」「法規制」によって律するしかないでしょう。
平和で楽しい本来の「お祭り」にしてほしいと思います。
またまた私は残念ながら、明日から博多に飛んで仕事で、帰ってからは銚子・鹿島での仕事です。
チラッと観に行きたいのですが、ここは体力との相談になりそうです。



ところで『祭り』というのは、全国各地でいろいろなものがありますが、我々日本人(でなくとも)のDNAには「祭り好き」が刷り込まれているように思います。
会社を上げて「祭り」に参加するのもよし、単なる地域貢献に留まらず、「お祭り参加での社員の一体感・連帯感」は必ずその後の仕事にプラスになるはずです。
また、社内での「お祭り企画」も考えてみるといいでしょう。
「運動会」「球技大会」「創業祭」「○周年記念イベント」など、たくさんのお祭りが考えられます。

何より再考して頂きたいのは、「改善活動」「TQC」などの社内活動が「お祭りとして機能しているか」ということです。
「極めて義務的」「受動的」「マンネリ」に陥っていては、本来の成果が期待できません。
ましてそこに「恐怖のマネジメント」を推進するような「逆モチベート・キー・パーソン」がいたとしたら、それはもはや「モラール・ダウン・イベント」と言わざるを得ないのです。
ここには詳しく書きませんが、私は多くの実例を見てきました。
一例だけ挙げれば、社内イベントでの軋轢から幹部・管理職やイキのいい若手が、会社を辞めていくようなケースもあります。
兆候を感じることが起きていれば、即改革に取り組まなければなりません。

このようなことが「チェーン・リアクション」を起こし始めると、会社は大きなダメージを受けるのみならず、人事崩壊になるケースもありますからご注意ください。

「明るく・楽しくやる」「ウキウキする」「少しだけど得することがある」などの、前向きインセンティブもとても重要です。
何事も歴史を重ねるごとに保守化する傾向がありますから、いつも「フレッシュ・イベント」にする努力が欠かせないのです。
超前向き・楽しい祭りを実践しましょう。
祭りで盛り上がっているうちに、業績も必ず盛り上がってくるでしょう。

2013.5.15.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

神田祭の神輿、私もちょっぴり担ぎたかった、、。

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