フラッシュモブ(Flash mob)なるものが巷でというより、世界的に流行っていますね。
フラッシュモブとは、不特定多数の人間がインターネットやメールを介して、突然公共の場に集合してダンスや演奏を始めることで話題になりました。
民衆を驚かせたり、共感の渦に巻き込むという「目的」を達成すると、即座に解散するというものです。
インターネットで広く呼びかけられた群衆が、「あらかじめ申し合わせた行動」を取るという即興のライブ集会みたいなものです。


2003年5月に、確かニューヨーク・マンハッタンのグランド・セントラル駅(Grand Central Station)に集まって、突然バレエダンスをして解散するという企画が切っ掛けのようでした。
その後、そのアイデアはネット上の口コミで広く知れ渡り、世界各地でこれを真似て企画され、ブームとなった「新しいネット集会」です。
誕生日、プロポーズ、結婚式などにサプライズイベントを企画する会社も生まれていますし、SNS時代の新しいイベント・プロデュースの一つとなるでしょう。
いかにサプライズイベントを創り出して、感動場面の共有を進めて販促に繋げるかという、企業の広告手法にも変化があるはずです。



私のようにコンサルタント稼業を長年やっていると、クライアントから「知識の提供」を求められることが多いのは致し方ないことですが、今や余程レアな「知識」「情報」でなければ、集める手段はいくらでもあります。
私がこだわっている「差別化要因」は、「考える力」「思考する能力」と「共感を生み出していく心」で、「近未来の業績」「楽しい仕事」への水先案内のようなものです。
実際にクライアント企業のスタッフの皆さんに、「効率追求癖」が染み付いてしまっていて、思考がシュリンクしていることが散見されます。

「効率追求」は必要ですが、「効果性追求」にこだわることで新しいものが発想されるのです。
それを「新たな現場力」として、「新しい技術」「新しい取引先」「新しい顧客」「新しいプロセス・マネジメント」へと進化させていくのです。


組織が順調な成長・発展の後、「成熟」という段階に入って、そのままでいると「皆、誰も手を抜いていないのに、業績が今一つ」という黄色信号が灯ってしまいます。
このところ数社の中堅企業から、「もう知識偏重のお勉強スタイルの研修じゃダメだと思います。何かいい手はないですか?」というご相談を頂きました。
ここ数年の教育プログラムや研修実績を拝見すると、大きな共通性が見えてきます。

「誠に失礼なことを申しますが、教育計画を作る時点で、こんな感じで役員会に提出したら体裁がいいなんていう<気持ち>がありませんか?」
「いや先生、教育部門で練り上げて、斬新なものを上にあげると<アカデミック>なものを要求されて、突き返されてきたんですよ。」
「またまた失礼なことを申しますが、それでは<教育マスタープラン>ではなくて<教育マスターベーション・プラン>ですね。」
「おっしゃる通りです。ところが今年はいろいろと社内の役員人事の変動がありまして、新しい担当役員から『お前たちは全く教育部門じゃなくて、研修手配師集団だ!毎年こんなことばかりやっていて、人が育つ訳がないだろう!この人に相談してみろ!』と言われまして、先生の名刺を渡されて連絡させて頂いたんです。」
(いや、光栄です。ありがとうございます。)

「なるほど、こんな研修を企画したらいかがですか?」
と、事例としてお見せした他社の研修プログラムは、初めから終わりまで徹底的に実務を取り上げて行う『実務マーケティング・プログラム』でした。

「これ、ウチのバージョンで作ってください!」
と即ご依頼を頂いて、カスタマイズ・プログラムを作りましたが、ここからが永い永い思考の旅です。

「業績にはとことん拘るが、誰かを責めるものではない」
「厳しくやっていくことを決めていくが、楽しくないことなら無理」
「価値観共有がいかに素敵なことか」
「社員の幸せを求める職場づくりとは」
「自主性を磨くには」
「自発性はどうしたら出てくるか」
「自律性によって会社の社会正義が守られる」
「中期戦略経営計画の根本的見直し」
「全社・全部門がサービスの視点を持つ」
「社員が随所で主となるホスピタリティの実現」
などと、次々と出てくる思考コンセプトのテーマから、その企業の実際の製品や技術・ブランド力などをつぶさに見て、実務を中心に据えて「創造力」と「現場力」を磨いていく内容を組み立てていきます。

当たり前のことですが、「顧客満足度重視(CS=カスタマー・サティスファクション)の経営」を謳う会社は巷に溢れていますが、「従業員満足に徹底的にこだわる(ES=エンプロイー・サティスファクション)」となるとその数は急激に減ってしまいます。
単純です、CS実現のためにホスピタリティや旺盛なサービス精神で頑張るのは、他でもない従業員なのです。
社員が「楽しんで」「面白がって」「ウキウキしながら」、CS実現に邁進する組織に向けていかなければ、ただの「本音」と「建前」の使い分けになってしまうのです。
「社員の犠牲に立脚して、繁栄している組織」は、決して長続きしません。


日本のマーケティング論の第一人者である元慶応大学名誉教授の村田昭治先生から学ばせて頂いたことは、非常に大きく私のその後に影響を残し続けています。
「マーケティングとは、とどのつまりは人生論だ。どんな素敵な人生を創っていきたいのかを一生懸命に考え抜くことだ。」
概念的なことも多いので、「よく解らん。」といって終わりの方もいるかも知れませんが、それは「とことん考えること」を要求されているということなのです。
とことん考え抜いて、自分の「志」のありかを探索しましょう。
それを「会社内外」で突き詰めて、希望の灯を見つけていくのが「教育研修」のもつ重大なミッションだと思います。
明日からまた研修で、しばらくは移動と研修の繰り返しですが、ご参加いただく方々に「希望の灯への水先案内」をしたいと思います。



3013.5.8.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

最後に、次の写真をご覧になって、この花の名前を教えて頂ける方は、是非ともメールください。
私の友人の鉢に芽が出てきて、「はじめは雑草かと思ったら、あまりに可愛い花が咲いたので、ブログ使って、知ってる人を探してよ。」と依頼。
フラッシュモブではないけど、SNSの力で何とかしたいと思いますので、ご存知の方は是非ともお教えください。

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