以前ここにも書かせて頂いたイギリスの元首相:マーガレット・サッチャー氏が先週お亡くなりになりました。
未だに「あなたたちの旗は赤でしょうが、私の旗はユニオンジャック(イギリス国旗)です」という言葉が思い出されます。
つまり、「あなたたちは自分たちのことばかりを訴えているかも知れないが、私は国家のことを考えている。あなたたちの都合より、私には国家の方が大事だ。」という、≪価値観≫の違いを見せつけている。
滅多には現れない女傑だと思います。謹んでご冥福をお祈りします。


ところで、前回の「お役立ち情報」の最後に、歌舞伎座(の地下)で500円のペットボトルのお茶が跳ぶように売れていたという話をチラッと書きました。
そして、「売る」と「買いたくなる」には違いがあるとも書きましたが、いい例だと思いますので、もう少し書きたいと思います。
あのボトルは、上についている蓋の部分がお湯呑で、中のキャップをグイッと廻すと抹茶が落ちてきて、シェイクすると出来上がりです。
「歌舞伎座限定販売」(5月からはアチコチのデパートで売るようですが)ですが、会社は名古屋で、抹茶は福岡県の八女茶だそうです。

確かに抹茶としては手軽で旨いし、1本500円という価格は高いのですが、観光地などで飲む抹茶はだいたいこの程度の価格だから、さしたる抵抗感もなし。
ワンコインの値付けは敬遠されるどころか、「じゃあ、2本で1000円ね。もう一本頂戴。」ということで、売れていくのです。
当然、こけら落とし公演ということもあって、お祭りムードでお客様の財布のひもも緩いのも確か。

このお茶のマーケティングは、きっと「When:いつ」「Where:どこで」「Who:誰が」「Whom:誰に」「What:何を」「why:何故」の6Wが、じっくりと時間を掛けて練られていると感じます。
そして、「How:どのように」も「How to:どんな手立てで」「How many:どんな数量を」「How mach:どんな価格で」を、今回の「コト」に合わせて練り上げていったのだと想像します。

「そうだ、来月の「営業マインド強化合宿」のマーケティング・ミックスのケーススタディにしよう!」と思っているところです。
マーケティング・ミックスは戦略4P・戦術4P・3Rなどに踏み込まなければならないので、これはまた次の機会に。
「他社の題材で検討を行い、自社の実務に置き換えて練り込む」というのは、とても合理的ケーススタディの研修手法になりますから、常に社内研修ではこうした実務の視点を盛り込むのがいいと思います。

それにしても、我ながら「限定販売」には弱い。
「今」「ここにしかない」「数量に限りあり」「少し高いが、納得の範疇」「トピックとしても面白い」、、、
そう、「マーケティングは心の法則」なのですから、お客様の心の動きを読み切る。
あるいは、「心理戦を制する者がマーケティングを制する」と言ってもいいでしょう。
「お客様が喜びそう」「何かいいことができそう」「何か使い道がありそう」「売るとすれば、どうすれば面白い」「どうすればウケるか」などと、やんちゃな心を丸出しにして楽しく悩む。

つまり、「悩み込まず」に「考え抜く」という微妙な差は、ハートの中では「大差」なのです。
仕事は「面白くした者の勝ち」・「楽しんだ者勝ち」です。
マーケティング・ミックスをアカデミックに小難しく捉えずに、明るく・楽しく・イキイキと「考え抜く」!
今さら言うまでもないことかも知れませんが、「好きなことを一所懸命にやっていたら、それでメシが食えるようになって、一流と言われるようになっていた」という例が、「プロ」の世界では限りなく多いということですね。


ちょうど新入社員のシーズンなので、私も例年ご依頼いただいている団体や企業の新入社員研修にせっせと伺っています。
時期的にも、余計に「プロになるって何?!」ということを意識してしまいますが、、。
「この道に進みたくて、死ぬほど頑張りました」「この仕事をしたくて、ずっと必死に勉強しました」という人は、素直に凄いなと思います。
私の大学の先輩のKさんも「どうしても新聞記者になる」と言って、よく夢を語っていました。
残念ながら、一度目の入社試験では夢叶わず、わざわざ大学の後期試験で自ら1科目だけ落として留年。
夢を一本に絞り込んで精進を重ね、翌年見事に新聞記者になりました。
今も大手新聞社の社会部長・副編集長として活躍されています。
「VISIONを持ちたい」という気持ちを植え付けてくれましたので、私は本当に良い人と出逢いましたし、生涯の付き合いをしていく人です。

しかし、まだその頃の私にはそんな夢も強い想いもなくて、ただ漠然と「俺、何したいんやろ?うーん、わからん。」
私同様に「とにかく就職を」「とりあえず自立を」「まずは食わなきゃ」ということで、就職した人の方が圧倒的に多いのだと思います。

「やはり何だか合わない」「元々やりたかった仕事じゃない」「隣の芝生が青く見えた」など、様々な理由で新人たちのリタイアも多いものです。
ケースバイケースですし、全否定も全肯定もできませんが、「やりがいは自分で見つけ出していくもので、滅多に他人から与えられるものではない」ということを知っておけば、もう少し我慢する価値があったのかも知れません。

その仕事をして、お金をもらう限り「プロ」なのです。
会社の中で色々な仕事をキャリアしながら、「ゼネラリスト」になっていくのもいいし、その道一筋に「スペシャリスト」になるのも凄いことです。
まずは、「プロであることの自覚を持つことから」だと思います。
新人諸君!30年以上も前に同じ経験をした先輩からのアドバイスです。
『今の仕事にとことん打ち込んでみなさい。きっと自ずとビジョンが見えてくる日がやってくるはず。焦るな!しかし、適度に急げ!』

新人諸君(でなくとも)!私が30年程前に「頭の中に<!>が出た」と思った言葉をプレゼントします。----『尽人事而自拓道』
「人事を尽くして天命を待つ」という座右の銘をお持ちの方も多いので、否定するわけではないのですが、少し違う私の解釈。
「人事を尽くしているつもりでも、尽くし終えてはいない、だから天命は待たない」。何故なら、「尽くし続けた人にだけ、自ずと道が拓けてくるから。道が拓けていないのなら、尽くし足りないか、尽くし方が間違っているか。だから、道が拓けるまでは決して手は緩めない」。
本当に実感しています。

「良い<体験>をする」「良い<人>に出逢う」「良い<書>に出逢う」ことが、人生を良い方向へ向けてくれます。
そこからレベルの高い価値観を得るから、正しい判断力が研ぎ澄まされていくのです。



イタリア南部の市では、市の職員が常習的に「タイムカードの代理押し」を行って集団サボリをしていたそうで、17人が詐欺容疑で摘発。
他の78人も捜査中とのことです。
国のピンチも何もあったもんじゃなく、「他責人間集団」が社会も税も食い尽くそうとしています。


ところが、これはどこにでも「ないようであること」です。
私も10数年前に、指導に入って間もない会社で、「何かおかしいぞ。」と思い調べてみたら、すぐに「タイムカードの代理押し」が発覚したことがありました。
みみっちい不正で受けた処分によって、本人たちの不利益はその何百倍・何千倍になりました。
主犯の「悪い人」に出逢わなければ、、、そんな「悪いサボリ」に同調しなければ、、、「俺は嫌だ」と言えていれば、、、すべて後の祭りです。

<良い体験><良い人><良い書>に出逢うには、「そうでありたい」という自分の意志が必要ですし、自ら求めて動くという行動力も要ります。
<良い体験><良い人><良い書>に出逢う努力をしましょう。

2013.4.17.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


某パチンコ屋さんの店内の張り紙です。ホント悪い奴はいるものだ。
下記専門用語をご存知なら「通」ですね。
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