今日はロングランの研修明け、昨日まで恒例の「営業マインド強化合宿」でした。
「業務命令でイヤイヤ参加した率」は80%ですが、当然と言えば当然。
外部研修に派遣される時には「面倒くさい」「しんどそう」など、「嫌だなー」と感じるのは普通のことでしょう。

「営業研修」と冠が付いているのですが、ご参加者は平均すると4割近くが「総務」「経理」「製造」「設計」「物流」などの、いわゆる「営業部門外」の方々です。
「私は営業部門外ですから、会社から指示された時は、(関係ないじゃん俺)って思いました。」
「私の仕事は研究開発ですから、専門外の勉強なんて不要だと思っていたんですよね。この道で生きていくために、頑張って博士号まで取ったんですよ。」
などと、研修参加当初はネガティブなことをおっしゃることも多いのです
が、研修の序盤からほぼ100%の方が「気づき」を得てくれます。

「営業マインド強化合宿」では、テクニカル・スキル重視や知識詰め込み教育ではなく、「ヒューマン・スキル」や「コンセプチュアル・スキル」の強化に主眼を置いています。
つまり、今後の人生観・仕事観を高めていく「根幹の価値観」を磨いていくことを重視しています。
よく経営者の方から、
「ウチは社員教育に力を入れているから、これまでも色々な研修を受けさせたんだが、直後はいいんだけどねー、、。」
というお話を伺うことがあります。

正に「一過性モチベーションの功罪」というものを感じ、18年前に<熱の冷めないモチベーション>にこだわって、プログラミングしたのが「営業マインド強化合宿」なのです。
受講者の方々から、研修後に「あの研修の本質はビジネスマインド・人生マインド強化だったのですね!」「初めて自分の人生をより良く生きることに、セルフ・モチベートの実感がありました。」というご意見も多く頂いています。

世の中には「洗脳系」や「精神論オンリー」の研修も多く存在しますので、お気をつけになって選択して頂きたいと思います。
そして、そろそろ20世紀型の「知識偏重教育」からも脱却して、「思想・哲学・価値観」と「想い方」「感じ方」「考え方」を磨くことをお奨めしたいと思います。
ここを強化することで、「いい仕事をするために必要な知識」は自分の意志によって求めはじめ、「知識」は「見識」というレベルに高まりを見せます。
つまり、根幹の価値観というものを手に入れ、意思決定の方向性や判断力などが高度化されていくのです。
そしてその結果、確たる信念を持って、腹を据えて実行する「胆力」をモノにすることができます。
「人生お一人様一回限り」で、「過去に戻ってやり直しがきかない」のですから、気づきを得た日から「素敵な人生」を生き抜くことだと思います。

 

そう言えば、昨日研修を終えて事務所に戻ったところで、日刊ゲンダイから取材の電話。

ちょうど新入社員の季節ですので、ここ数回私のコメント入り記事が書かれるはずです。

今日発売のものには、「新人歓迎会~逃げられないための会話術~」という記事が出ていますので、宜しければご笑覧ください。

 


さて、前回は梅に気持ちがいき、先日の岡山で久しぶりに「ままかり」を食べたことを書き忘れていました。
「ままかり」は汽水域に生息するニシン目・ニシン科・ニシン亜科に分類される魚で、またの名をサッパ。
ママカリは「飯借り」と書き、「あまりの旨さにメシが足りなくなって、飯(まま)を借りに行く」という、有名な岡山郷土料理です。

昔は隣の家に「飯借りに」や「醤油を借りに」って、ご近所付き合いの中で小さな単位の地域コミュニティがありました。
しかし、特に今の都会では相互交流や関わり合いが消え去ったり、希薄になってしまいました。
生活そのものや、消費・生産・教育・医療・祭りなどの関わり合いは、地域社会にとって「超高齢社会の助け合いメカニズム」としても考え直していかなければならないでしょう。
放っておくと、「孤独死問題」や「心の病」は増え続けるでしょう。
是非、共に問題意識をもって考えていきましょう。



そう言えば、このところスケジュールの合間に歯の治療とクリーニングに通っています。
日本橋箱崎町の「あさひ歯科」に通っているのですが、ここには受付のカウンター上に「CREDO」(信条)が掲げられています。
『あさひ歯科では
最善の治療・指導を通じて、患者様のQOLを
最大限に向上させ、それを維持することを追求します。
治療・指導は、できる限り快適な環境の下で提供し
患者様がリラックスできるよう心がけます。
患者様はゲストとして応対し
パーソナルサービスとして高い評価が得られるよう
努めます。』


看板に偽りなしで、先生も歯科衛生士の方も、凄く親切かつ丁寧&ジェントリーで、あの歯医者さん特有の恐怖感を和らげてくださいます。
先日はスモールサプライズがありました。(ご存知だった方には何でもない事でしょうが、、。)
治療後に歯茎マッサージをしていただいたのですが、
「オレンジ味とミント味のどちらになさいます?」
「知らなかった、味を選べるなんて。」

ペインコントロールも進化していますし、ここでも「技術」や「個客対応サービス」は日進月歩ですね。
ペインコントロールとはモルヒネなどを用いて、患者の苦痛となる痛みを抑える治療で、いわゆる疼痛(とうつう)管理です。
でも、一番の疼痛管理は患者に対する接し方で、『カスタマー・インティマシー』に満ち溢れた「個客対応サービス」を行っていることです。
『カスタマー・インティマシー』 --- 顧客との親密さの追求です。

あえて「顧客」を「個客」と表現したのは、「サービス」を「投網を投げるように行う」ことが多いのは皆様ご存知の通りです。
先日泊まったあるホテルでも、チェックインの際に近隣のレジャー施設等のサービス券の入った封筒を貰い、ちょっと得した気分になりました。
封筒の中に数枚入っていたので、何となく出してみると、いろいろな施設の招待券や割引券。
しかし、時はすでに2月も下旬であったのに、その券には「クリスマス大抽選会や新年1月2日のイベント招待」、、、。
せっかくのホスピタリティがとても間抜け。


おもてなしの心=ホスピタリティは新鮮な感動を与えてくれるものですが、「マニュアル化」「定番サービス化」では思わぬ落とし穴があります。
ホスピタリティもサービスも、顧客に喜んで貰うための努力ですが、命令によって「やらされている」うちはローレベルなものです。
これが仕組みやシステムの限界なのです。
「顧客対応」とは、「個客対応」でなければ感動を生みません。
『「たった今」「ここで」「あなただけ」に対応しています。』というのを感じた時に、お客様はサービスやホスピタリティを感じるのです。


私の顧問先のK社では、お客様がお帰りになる時に、社員が玄関に並んでお見送りしていますが、私が帰る時にも毎回皆で並んで見送っていただけます。
「私は身内なんだから、お見送り不要です。」といつも言うのですが、「これがウチのポリシーなんだから、やり続けるよー。」と言われてしまいます。
誰一人として「やらされ感」を感じさせません。

角度を変えて見ると、「素晴らしい原価意識」とも言えます。
ぞんざいな対応も丁寧な対応も、掛かる原価はほぼ同じです。
『カスタマー・インティマシー』も『ホスピタリティ』も『サービス』も、お金より『頭』と『心』を遣えば「素晴らしいローコスト・オペレーション」が実現するのです。

2013.3.15.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

「あさひ歯科」の「CREDO」(信条)

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