明けましておめでとうございます
旧年中は誠にお世話になり、厚く御礼申し上げます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


さて、2012年の12月28日の大納会では日経平均株価は4日続伸となり、終値は前日比72円20銭高の1万0395円18銭となりました。
13年振りの大納会での「年初来高値更新」は、円安を好感してのものでした。
野田さんが「嘘つき呼ばわり」に耐えきれず、党首討論で衆院解散を明らかにしてから、「アベノミックスに期待が高まった」「自公政権によって、日銀に大きな金融緩和圧力が掛かる」というのが大方の見方です。
経済再生への期待が、年末相場に反映しているところです。


以前書かせて頂いたことがある真田幸光先生(淑徳大学ビジネス学部教授・同学部長)と12月27日にお会いして、現在の世界経済やアジア情勢、日本経済の2013年以降の見通し等について意見交換させて頂くことができました。
そう、あの「真田と上杉の血を受け継ぐ方」で、思想的健全性といいグローバル経済を洞察する見識といい、人間性も文句なしの素晴らしい方です。
マシンガン・トークのやり取りで色々なお話をさせて頂きましたが、二人の意見はほとんど完全一致でしたので、「嬉しい」反面、「先行き不安が増幅」したような、、。
一言で言えば、「日本経済も円も日本国債も極めて危うい状況」になっているということです。


「欧州債務問題の収束期待」や「世界景気の改善期待」で、12年の世界の主要株価は軒並み上昇していますが、海外の機関投資家が日本株の持ち高を一気に増やしているという状況から、「上げておいて売り抜かれる」ということに警戒が必要です。
ある意味で投機筋の仕手戦のように、海外の機関投資家が日本に資金を集め続けています。
円安・株高の基調は、しばらくの間は日本経済の追い風になっていくでしょうが、私たち二人の共通見解は「世界経済も日本経済もスクラップ&ビルドにならざるを得なくなる」ということです。
2012年は世界の主要株価と比較しても、不振だった日経平均が健闘しましたが、2011年末が8455円だったのですから、単に日経平均が低過ぎたということで、「年間上昇率が高くなって当然」とも言えるでしょう。
言わば、「実弾発射前に<期待>で売れている」訳ですから、そういつまでも<期待>だけでは長続きしません。
願わくば「円安90円台後半安定」、「3桁突破は行き過ぎ」で、後で起こる過剰な円安の方が怖い。


背景にある「ジャブジャブの金融緩和」と「急激な円安進行」、「安倍内閣による過剰な経済対策」には極めて危惧を感じるところです。
国に1000兆円の借金があっても、国民の貯蓄と長年の貿易黒字によって蓄積された海外純資産もあり、まだ500兆円は余力があるなんてことをおっしゃる方もいますが、「歴史的愚策」とならないことを祈ります。
「そもそも『インフレターゲット』なんてどこの国でもやっていることで、珍しくもない」とおっしゃる政治家や評論家もいらっしゃいますが、これは「大間違い」か「大嘘つき」のどちらかです。
10%を超えるようなインフレに苦しみながら、せめて2%位にしたいという下げに向かう『インフレターゲット』はありますが、デフレ脱却のために上げる『インフレターゲット』というのは例のないものです。
「インフレ進行」→「円下落」→「円売り」→「国債未達・日銀引き受け」→「紙幣ばらまき」→「貨幣価値急落・国債急落」→「ハイパーインフレ」→「財政破綻」、という巨大なリスクに対する「負のシナリオへの対策」をあまり耳にしません。
とすれば、極めて危うい政策なのです。
ハイパーインフレにならないように、「マッチポンプ政策」をやるというのなら、もっと厳密に「マッチの量(円安誘導)」と「ポンプの性能(ハイパーインフレ防止策)」は、多くの識者を交えて大議論すべきところでしょう。


確かに、過剰な円高は好ましからざることですし、円高から円安基調に転じたことで株価上昇となり、相対的に企業価値が高まり日本株の割安感が出ています。
しかし、世界中が金融緩和を進め、世界中が自国通貨安を誘導しているということは、貨幣価値の大変動を予感させます。
マネタリーベースで欧州2倍、米国3倍、イギリス5倍などと言われてもいますが、当然各国の「ジャブジャブ」に歩調を合わせていかなければ円高進行になりますから、慎重に緩和を進めて頂きたいところです。

世界には6000兆円を超えると言われる「ホームレスマネー」があり、これが過剰流動性の原因となっていました。
また「行き過ぎた信用創造」によって、マネーサプライ(通貨供給量)が増加するのも、更に「ホームレスマネー膨張」の誘因となるでしょう。
この「ホームレスマネー」は、国境を越えて儲かるところに移動し、売り抜いたらまた次の場所を探すのです。
海外投資家の「ホームレスマネー」が膨張を続けて、底打ち感のある日本株買いが進むという動きの連想ゲームはできます。
この動きが続けば、当面の需給面ではプラスに働くとは言え、経済指標や企業業績などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の裏付けはまだまだ乏しく、足元の株高は期待先行・需給主導ということでしょう。
今後、安倍内閣の政策が「やり過ぎ」「お調子乗り」となったら、日本株・日本国債が売り浴びせられるという局面も出てくるという危惧を持ちます。
未だに世界の基軸通貨となっている「ドル」は刷りまくられていますが、すでにドルもユーロも危機的な状況ですから、通貨暴落は大変な注意点です。
ハードカレンシー(国際決済通貨)の代表のドルは、世界の貿易・外貨準備・国際債の多くを占めていますから、刷りまくられても薄まりますが、円もハードカレンシーではありますが、供給過剰になった円はなかなか薄まりません。
米国債の買い手の中国の出方によっては、「米国債のFRB買い」が生じて、財政の崖から落ちてしまうことも無きにしも非ずだと思います。
少し日経平均が上げたと一時的な景況感に糠喜びせず、沈着冷静に注視していかなければなりません。


さて、新年早々暗くなりそうですので、話題を変えて、
年末にN社幹部のW氏より、清酒「黒松 野武士」(正木正光酒造場 愛媛県北宇和郡松丸町)をいただきました。
N社社長の奥様のご実家だそうで、W氏もいつも取り寄せして愛飲しておられるそうです。
「よし、大晦日はこれを熱燗で!」と、すぐには飲まずに我慢して、「一献入魂」でいただきましたが、「お世辞抜き、実に旨い!」
またこの「野武士」というフレーズが、激動の中を荒々しく逞しく生きているイメージで実にいいし、ラベルの字体・兜のデザインがビシッと決まっています。

「野武士」という言葉の元の意味は、「山野で野宿しながら修行する山伏(野伏)」や「山野に隠れ伏す伏兵」、「落武者を襲った武装農民集団」などがあります。
戦国大名はこのゲリラ戦を得意とする野武士を組織的軍隊に鍛え上げ、敵への夜襲や追撃に活用したのでした。

ちょっと「経営戦略的」「営業研修的」に置き換えてみると、なかなか厳しい雇用環境の中で「人生の逆転勝利」に燃える人財を発掘して、仮に業界未経験者であっても「鍛え直して、成果を上げる戦術を授ける」ということにもなりましょう。

また、この野武士は、後に「忍者」となっていった者も多くいたと言われています。
資質ある者は「磨けば開花する」ということですし、社員教育・営業研修などでもこのポイントは着目点です。

震災で雇用が大打撃を受けた今だからこそ、かつて世界中が見習った「日本型経営モデル」を再構築すべき時ですし、「日本型家族的経営を再評価」して、あらたなパワーを生み出していきましょう!
強い日本を取り戻すのは、政治家任せではダメです!
我々が「日本型経営モデル」を、もう一度世界に示していきましょう!
と、今月の中小企業大学校の講義や新年賀詞交歓会の記念講演などで、そんなお話をしたいと思っています。

中小企業大学校では、前半が「歴史から学ぶ日本人の経営力」(加来耕三氏:歴史家・作家)で、後半が「改めて日本型経営を学ぶ」(鶴田担当)です。
今年は年末年始返上で、3日までに8本の研修や講演のテキストを書かねばならないことを思い出しました、、、残りあと6本、、今日はこの辺にして、野武士の如く死にもの狂いで書きたいと思います。


2013年初春月元旦  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一 拝

清酒「黒松 野武士」

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