大寒波の影響で大雪になっている地方も多いですが、先日の日曜日の移動で「トンネルを抜けると、そこは雪国」で、瞬く間に新幹線の車内が冷えていくのを実感しました。
私のように年中アチコチ動き回っていると、その日のうちに秋から真冬になったり、真冬から春になったりと、刺激的と言えば刺激的ですが、出張族は体調管理に注意していないと危ないですね。
体感というのは面白いもので、昼間がマイナス3℃でも早朝がマイナス8℃なら、相対的には「暖かい」と感じるのです。
氷点下の世界から東京に戻ると、冷え込んでいる東京がやけに暖かく感じるのは当然と言えば当然です。
寒冷地や降雪の多い地域の方は忍耐力があると、俗に言われますが、やはりそうでしょうね。
厳しい寒さがあり、大変な雪下ろしがあるからこそ、暖かさの価値が研ぎ澄まされる気がします。


数年前にテレビを観ていたら、北海道の中でも特に寒い地域の旭川に十数名のホームレスの人がいて、あの極寒の中を越冬する様子が放映されていました。
暖かい季節の内に少しずつ南に移動していけば、楽そうな気がしていましたが、それは全くの私見ですから、それぞれの事情や気持ちは解りません。
「営業研修」などでも遭遇することが多いのですが、「今、このタイミングでやっておけば、後で楽ができること」ということは多いのに、意外にいつもタイミングが外れている人がいるものです。
それは当然、「プライオリティの鉄則!大事な順番に照準を合わせよ!」ということになります。
「たった今、一番大事なこと」にターゲティングして、そこに全エネルギーを投入することが、「後で楽ができること」になるのです。
「今の楽」は「後の苦」になることは、誰もが人生で何度も経験していることですよね。


ちょうど新たな年を迎えるタイミングですから、まだの方は来年の手帳に書けるスケジュールを全て書き込んでみてください。
その上で、今年や去年の手帳とスケジュールの入り方などを比較してみると、自分の仕事の量的・質的変化が見えてきます。
そして、来年の事業計画書とも照らし合わせて、「どの時期に何をすべきか」を再考してみるといいでしょう。
私は時々、過去10年・15年の手帳を取り出して、ロングスパン比較をしています。
毎日慣れた仕事をこなすうちに、「ルーティーンの陰に隠れた大事なこと」を見逃すことも多いものです。
そういう意味では、年末年始(あるいは暫し時間が取れる時)というのは貴重なタイミングだと思います。


製品においても、メーカー間での機能・品質などの差や違いは、競合の中で不明瞭化・均質化・汎用品化することが多いものです。
いわゆるコモディティ化ですが、それぞれの製品カテゴリー中の「普通のモノ」になっていき、だんだんお客様に何のインパクトも与えなくなります。
市場に流通している商品が「メーカーごとの個性」を失って、どこのメーカーの品を購入しても消費者にとっては大差ない状態になっていきます。
「いいものを作って、真面目に売っているつもり」では、もはや時と共に自己満足・マスターベーションへと移っていくということになります。
近年そこに強いこだわりを持ってブレイクスルーしたのが、今は亡きスティーブ・ジョブズ率いるアップル社でしょう。
しかし、インパクトも一時の話で、商品市場は常にコモディティ化が進んでいるのですから、次々とアイデアを打ち出していく必要があります。


念のためですが、あえてコモディティ化戦略を選ぶ場合もあります。
ある製品カテゴリーで独占的地位を確立している企業が、非常に安定的に高収益を上げているとすれば、その分野の汎用化製品を打ち出して「あえて価格競争に持ち込む」という戦略もあるからです。
「逆もまた真なり」というより、「人の行く裏に道あり花の山」ということでしょう。


最近は、人もコモディティ化しているのではないかと感じることが多くなりました。
周りの人を見て「まぁ、こんなもんで上等だろう」と、その先に進もうとしない人が増えている気がするのです。
逆に、強烈なこだわりを持って、「自分磨き」をするという人が減り続けているような、、、。
自分の「独自性」「優位性」を磨かなければ、その他大勢の中の一員に埋没することになります。
「やればできること」は山のように存在しますから、年末年始にお休みが取れる方は前述の手帳のことなどを考えてみて、「戦略的越年」に少しだけ時間を割いてみてはいかがですか?


その前に、しっかりと投票に行きましょう!
どんなことでも諦めたら終わりです。
「世界で最も厳しい消費者」を自認する日本人ですから、つまらないポピュリズムなどは蹴散らして、「世界で最も厳しい選挙民」として想いを込めた一票を投じに出掛けましょう。


2012.12.13.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

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