先週もまた指導先の役員会で長野に行きました。
役員会の前夜、またまたSENJU(長野駅前)の「鴨鍋」を堪能しましたが、完全に「鴨鍋」にはまり、もはや虜になっています。
「鴨がネギ背負ってやってくる」---「カモネギ」---本当に鴨鍋にはネギを入れるというのが王道ですが、ネギによって鴨肉独特の臭みがとれて一段と旨い。
美味しい「カモ」と「ネギ」から、「重なっていいことがやってくる」ことの例えが「カモネギ」なのです。

また、「カモにする」という「カモ」は、上手く利用してやろうという相手を指して言いますが、悪い奴に「食い物」にされないようにご注意ください。
巷ではまた、新手の劇場型振り込め詐欺や、大手銀行のネット・バンキングまでが狙われるという、「正義」も「モラル」も持ち合わせていない輩がたくさんいます。
犠牲になるのはいつもお年寄りや我が子を想う親で、善人ばかりですから、報道の度に「天誅を下してやりたいものだ」と怒髪天を衝く気分です。

ところで、昨日は「みずほ総合研究所」主催のセミナーでした。
参加していただいた企業は「健全」で「元気な会社」ばかりで、セミナー終了後も何人もの方が、「もっと会社を良くしたい」と講師控室に質問や相談にいらっしゃいました。
元気な会社の方ほど質問や相談に来られるものですから、不思議と言えば不思議ですが、セミナー参加料金の元を取って、尚且つまだその上に付加価値を付けて帰ろうというのが、「いい会社の幹部」になっていく人たちの特性です。
詳細は書けませんが、中には超前向きな「ポジティブ人生相談」もあり、「あ、この人とはきっと死ぬまで付き合えそうだな」という良い予感も漂ってきます。
「ポジティブ」×「ポジティブ」のシナジーというのは、凄く爽やかな気分にさせてくれるものです。

さてまた話は変わり、来年の日本経済への危惧。
「金融円滑化法」が2009年12月に施行され、金融庁は「中小企業の貸付条件変更」や「住宅ローンの返済条件変更」等に応じる様に、金融機関に対して要望しました。
中小企業融資の289万件が79兆円の返済猶予(平成24年3月末)を受けていることになります。

金融機関の自己査定では、債務者毎に「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5つの債務者区分に分けています。
そこで、いわゆる「不良債権」となれば、金融機関は貸借対照表からその債権を落として損失を確定させる「償却」か、将来の経営破綻に備えて事前に経常費用を計上する「引当て」をすることになります。

「実質破綻先」「破綻先」の取引先に対する債権で、回収が出来ないと判断した債権を貸借対照表の資産から落として、オフバランス化することで最終処理を行うのが「貸出金償却」です。
「破綻懸念先」に対する貸し出しを資産に残したまま、将来の経営破綻に備えて事前に「貸倒引当金」を費用として計上するのが「貸倒引当金繰入」です。
いずれにせよ金融機関としては利益が跳び、「破綻」となれば同時に資産も跳ぶ訳ですから、「不良債権」を作りたくないのは自明の理です。

「何だか暗いことばかり書きよって!」と言わないでくださいね。
平和で安全で何の危機もないのであれば結構ですが、何の保証もされていないのですから、我々が強く生きていくためには「まさかの事態」のことを「想定外」と言っていてはいけないのです。


話は戻って今回の「金融円滑化法」は、金融庁が「監督指針および検査マニュアルの改正」を行い、金融検査マニュアル等で「貸出条件緩和債権」に対して、「不良債権」に該当するか否かの判断基準を緩和して、金融機関に出来る限りの対応をするように求めたものです。
いわゆる「リスケ(リ・スケジュール)」や「モラトリアム(支払猶予)」ですが、「キャッシュフローの相当程度の改善」や「期間損益の黒字化」「債務超過の解消」等があれば、改善されたとの判断になります。
歴史的に「モラトリアム(支払猶予)」は、関東大震災後(1923年)と昭和金融恐慌(1927年)の際に行われていますが、今回の金融円滑化法は当初2011年3月末に失効するとしたものが、2度の法改正で2013年3月末の失効に変更されています。

円滑化法が来年3月末に失効した場合でも、「不良債権の増加や連鎖倒産などの日本経済全体に与える影響は限定的」との見方もありますが、そう甘くはないと思います。
中小企業の「資金繰り悪化」や、「心理的悪化」というダメージは間違いないでしょう。
リーマン・ショック以降の様々な中小企業金融支援策が期限切れとなった場合、資金繰りが厳しくなり危機に直面する中小企業が増えてくるのは当然です。
倒産原因の8割を「販売不振」「売掛金回収難」といった典型的「不況型倒産」が占めているのが現状ですから、中小企業金融支援策の動向によっては、大変な事態になるということは想像に難くないでしょう。

で、どうすればいいかですが、もしも「まだまだ大丈夫」であっても、「少し不安」であっても、「厳しそうな予感」であっても、まずはここから半年間(だけではないですが、、)徹底的に「強みを前面に出して戦う」ことです。
「弱み」や「苦手」の克服はとりあえず横に置いて、「ウチの会社の強みは何か?!」「自分の強いところはどこなのか?!」を打ち出して、理屈抜きで「得意技」で勝負することです。


またの機会にもう少し書きますが、そのためのキーワードになるのが「ミッション・コミットメント」なのです。
もしも、「よし!やってやろうじゃないか!」と思う方は、公明正大に自らの「ミッション」と「コミットメント・テーマ」を発表して、とりあえず3月末までの仕事への取り組み方を示してください。
「不言実行」ではなく「有言実行」で、「ウチの強み・私の強みを活かして、こんな具体策で業績に貢献します!」という宣言です。

歴史の荒波を乗り切ってきた企業には、必ず歴史の節目に強烈な使命感を持った「HERO(ヒーロー)」が生まれているものです。
逆に社員がみんなで「誰かがやるだろう」と思っている企業は、淘汰の憂き目を見るものです。


「古い!」と言われそうですが、甲斐バンドの『HERO(ヒーローになる時、それは今)』の詩の一部をお借りして、
【 今が過去になる前に 明日へ走り出そう
だから
HERO ヒーローになる時 Ah Ha それは今
HERO 引き裂かれた夜に お前を離しはしない
HERO 空はひび割れ HERO 太陽は燃えつき
HERO 海は枯れ果てて 月は砕け散っても
HERO ヒーローになる時 Ah Ha それは今
HERO 引き裂かれた夜に お前を離しはしない 】


ここでの「お前」を「会社」(愛すべき我社)と、置き換えてみてください。
「会社にすがる人」「会社に見放される人」「会社を見捨てる人」「逃げるタイミングを見計らっている人」、、、世の中には色々な人がいますが、歴史を築き上げてきた企業には必ず「HERO」が誕生しているのです。
それが「今」、「自分」だと使命感に燃えて腹をくくって踏ん張る、「主体性の確立」こそが肝要です。
何人もの「HERO」が誕生した時、企業は倒産どころか「次の成長・発展プロセス」に乗っていくはずです!


今週末はまた恒例の合宿研修に入りますが、私もまた「使命感の塊」となって、ご参加者の皆さんの「充実したビジネス人生創り」に貢献したいと思います。
ほとんどの方が社命によって「イヤイヤながら受講」するのですが、終わってみれば毎回何人もの方が「人生観が変わった」とか「今の仕事に本気になる決意ができた」と口々に仰り、ポジティブな変身を遂げてくれます。(≪PR≫社内研修も大好評です!是非、お問い合わせください!)
ヒーローになる時、それは今。


2012.11.7.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝