御年80歳、都知事辞意表明から再び国政への意気込みを示した石原慎太郎さんと、記者会見で後継者として指名されたような形の橋本市長に期待が集まりそうですね。
二人とも「ラジカル」で「攻撃的なボキャブラリー」が共通項ですが、政治の閉塞感に辟易している国民にとっては一筋の光明かも。

前回書きました「遊休地活用や工場の跡地利用」などは、日本経済のために大変に有効な手立てだと思いますが、このところの永田町では「政党再利用」や「国を憂うより選挙を憂う」の感ありです。

政治が落ち着かないまま機能停止に近い状態で、地方公共団体では地方交付税の支給が遅れ、借金や資産の売却で凌いでいるというところもあります。
こんなことでは経済は疲弊の一途をたどるのではないかと思う方も多いし、「何度政治をシャッフルしても、出てくる駒は似たようなもの」とあきらめムードの方も多いのが現実です。
歴史が証明する通り、政治家はよく嘘をつきますが、仏教で言うところの「仏のウソを方便という」ことは少ないようです。

しかし、投票権を「義務」と見なして選挙に行かなければ、日本人は「政治に対して不信」を持ち、「不平・不満」をタラタラ言いながら、「将来不安」だけを担いで歩いていくことになっていくでしょうから、問題意識を持って選挙に参加しましょう。
選挙は、「詭弁を弄する」政治家と「本物の憂国の士」を峻別する機会ですから、来たる選挙では「この国をどんな国にして、次の世代に渡してやればいいのか」、よく考えて一票を投じたいものだと思います。


また、前回のメガソーラー発電に関連して、「ゼロ・エミッション(ZERO EMISSION)」(廃棄物を徹底的に資源利用して、廃棄物ゼロを実現する)も想起します。
これ以上の自然破壊はしないという、90年代に国連大学で提唱されたものですが、現在も地球の自然破壊が急速進行中であるということを考えれば、「ゼロ・エミッション」では足りなくて、「マイナス・エミッション」でなければいけないというのが本当のところでしょう。
「ゼロ・エミッション」を実現している企業も多々ありますが、「ゴミが出る製造工程」を下請け企業に押し付けて、自社での実現をアピールしている場合もあります。

「ゼロ・エミッション」の100%実現は困難な企業も多く、「ロー・エミッション」を考えるところからの方が現実的、ということも否めないところです。
今までは「廃棄コストが掛かるモノ(ゴミ)」だったのを、「収益源」や「利益」に変身させる、つまり「無から有を生む」「マイナスからプラスへ転換させる」ということを、仕事柄私は毎日考えています。
指導先の現場でも、「まだまだ利益を生み出せそうなネタ」探しをして、幹部や社員の皆さんと楽しく画策していますし、日常的に現場の写真やビデオを観ながら、「考える」ということをある意味楽しんでいます。

「廃棄物の削減に努める」ということも、「ゴミを徹底的に資源化する」ということも、「廃棄物を再利用・再生利用する」ということも、平成12年に施行された「循環型社会形成推進基本法」で定められました。
つまり、Reduce(ごみの発生を抑制する)、Reuse(繰り返し再使用する)、Recycle(ごみの再生利用を進めて再資源化する)という「3Rの推進」です。

大切なのは「法規制ができたから仕方なくやる」ではなくて、「知恵を出したら、顧客や売上や利益が増える」ということを、実践し実感することです。
熱回収(サーマル・リサイクル)もどんどん進んでいますし、マーケティング感覚で言えば、Remix(再編集する)という「既にある資源を新たな創造のために再編集する」ということも魅力的戦略です。

ご存知の通り、「Re」とは「再び」「新たに」「繰り返す」という意味を持ちます。
ちょっと調べてみても、 Refuse(拒否する)---つまり、製造工程でも流通過程でもゴミになるものを受け入れない工夫。
Repair(修理・修繕する)---壊れても修理して使ったり、その上最適な場所で最適な使い方までの知恵を絞る。

先日も千葉の指導先K社の生産現場を廻っておりましたが、モノづくりは経済活動の原点で本当に魅力的だと思います。
その日はちょうど、Repair(修理・修繕する)Remix(再編集する)をやった現場が、稼働を始めたタイミングでした。
他の工程で使っていた機械に工夫・改善を加えて、全く違う工程に移動させて、結果的にその工程で人員2名分の合理化と省力化ができました。
この「コツコツ積み上げていく力」が凄いのです。

彼らはリペア・リミックスのついでに、機械や治具・工具も自分たちで作ってしまうということもよくあります。
この「考えて」「知恵を絞って」「語り合って」、「会社」を「現場」を「製品」を「コスト」を「効果・効率」をより良くしていこうというのが、この企業の素晴らしいところです。
この指導先K社の「カイゼン・パワー」と、「フレキシブル生産能力」はまだまだ伸びていくと思いますから、ますます今後が楽しみです。
こんな風土の会社ですから、「こんなものを作ってもらえませんか?」という新たな問い合わせが増えてくるでしょうし、当然近いうちにそれを実現させる戦略も打ち出していこうと考えています。

Refine(分別する)、Rethink(要るか要らないか再考する)、Rental(買うより借りた方が徳ではないか)、Return(使用後は購入先に戻して、リサイクルしてもらう)、Reform(改良して、価値を高める)、Rebuy(リサイクル品やリユース品を積極的に買う)など、「Re」のキーワードはたくさんあります。
頭を爽やかにRefresh(気分一新)して、人生をRecreate(楽しむ)したいですね。
「経営戦略」に前向きに取り組むには、Refresh(気分一新)Recreate(楽しむ)が重要なファクターなのです。

『現場力』の魅力は尽きませんので、また色々な角度で書きたいと思いますが、先日の朝も会社に到着してから、いつものようにすぐに社員さんたちと同じユニフォームに着替えて、安全靴に履き替え、帽子を被っていざ現場へ。
同じユニフォームを着ることには、大きな意味があります。
ご存知の通り、ユニフォームの「ユニ」は「単一」を表し、「フォーム」は「形・形態・形式・型」の意味合いです。
ユニフォームは「その組織に属する象徴」「連帯感の象徴」であり、「会社の看板を背負っていること」でもあり、また当然「仕事着としての機能性」も考えていますから、多くのメリットがあります。
ユニフォームは「規律や統制」だけでなく、「企業のイメージ向上」にも一役買ってくれますから、ユニフォームがあるという職場の方は「正しく着こなす」ことを常に意識して頂きたいと思います。


明日からまた信州、すでにこの時期はかなり寒くなっているでしょうが、四季を感じられることがまたRefresh(気分一新)でありRecreate(楽しむ)ですね。

また、時折アンデリバリー・アドレスの整理をしていますので、最近私からのメールが来なくなったという方は、お手数ですが再度HPの「ナビゲーター」か「お問合せフォーム」からご一報ください。


2012.10.30.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

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