私の事務所から徒歩10分足らずで、日本橋三越に行けるのですが、今日は三越に買い物に行くついでに、COREDO室町に立ち寄りました。

COREDO室町の5Fにある日本橋三井ホールで、「アートアクアリウム展2012」をやっていたので、今年は観てみようと。

平たく言うと「金魚の水族館」なのですが、金魚の種類や色・形もさることながら、注目すべきはその見せ方・魅せ方なのです。



金魚は2000年ほど前に、フナが突然変異によって赤い魚になって発見されてから、室町時代に日本にやってきたといいます。

江戸時代中期までは、藩主・大名に観賞用として珍重され、徐々に重臣や豪商も手に入れたようですが、大変に高価で貴重なものですから、一部の特権階級の人たちの贅沢な趣味だったようです。

そして近世では夏祭りの屋台の「金魚すくい」が思い浮かぶほど、庶民の夏の涼感に一役買ってくれています。


今では多くの品種が生まれ、「らんちゅう」「出目金」「りゅうきん」など、とても「元フナ」だったとは思えない色や形のものも多いです。


「注目すべきはその見せ方・魅せ方」と前述しましたが、単に「金魚を見せる」のではなく、「金魚を中心に置いて、五感で感じ取るアート」になっているのです。

五感=視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚ですが、特に視覚では「金魚鉢」や「水槽」が見たこともない素晴らしいアートそのものでした。

1トンほどの水が入っている「金魚鉢」、いやもはや「金魚鉢」という名称が相応しいかどうかという感じですが、色々な色彩の金魚がウジャウジャ入っている。

数匹しか入っていないものもある。

それぞれに「なぜそうしたのか」が、ジンワリと伝わってくるのです。

そして、「水中四季絵巻」など水槽がさながら絵巻物になっていて、金魚諸共スクリーンの映像にシンクロさせていて、正に現代アートの最新手法を見せられました。



聴覚は音楽・音のシンクロで、これももはや水族館のBGMとは一線を画すものでした。

流石に嗅覚・味覚・触覚はなしですが、23:30までの「ナイトアクアリウム」では音楽や演出も変えて、アルコール片手に楽しむという「大人の時間」もあるようです。

『次は「ナイトアクアリウム」にも行って、お酒でまどろみながら見てみようかな』と思っています。

9月24日までやっているようですから、ご興味がある方は足を運んでみてはいかがですか?



特に私の場合は、以前ハイビジョン映画のプロデュースの経験もあるものですから、「見せ方・魅せ方」というのにはいつも大きな興味を持っています。

「人生のあらゆる経験に無駄なものはない」と、いつも思うのですが、色々なものに興味を持って「見る」「観る」「視る」「診る」「看る」ことは、発想力には大いに貢献してくれると思います。



例えば製造現場ですが、「いい製品を作る場所」であり、「最も効率的に作り、コスト競争力を磨きたい」とも思うところです。

しかし、仕事を発注してくれる取引先企業や、今後の取引を検討している見込客のニーズは、「価格が安い」「不良品が混入していない」だけでは満たされないと思います。

仮に「今は満たされている」としても、近い将来は必ずニーズ変化が起きてくるはずです。

「この整然とした製造現場で作られているものなら買いたい」、「この検査方法で検品しているのなら大丈夫」、「この製造現場で働いている人たちのモラルなら大丈夫」、「これなら次の製品の製造はここに頼みたいな」、という様々な「満たされたいニーズ」が存在します。

まして現在のように、「最適調達」「最適製造」「最適委託」というニーズが強くなっていけば、今まで見落としがちだったニーズの「深さ」や「幅」にも心を砕いていく必要があります。


「現在の潜在的ニーズ」の存在と「将来のニーズ変化」は、常に問題意識を持っていなければ見落としがちなものです。


『現場力』という言葉も随分昔から使っていますが、その言葉に持たせるべき意味のファクターにも変化があるものです。

あなたの会社の「魅せ方」と「見せ方」をもっと深く考えてみましょう。

「見る」「観る」「視る」「診る」「看る」という感覚は、「魅せ方」と「見せ方」にこだわれば必ず磨かれていくはずです。

『魅せる会社』を創って、しっかりと「見せていく」ことです。



2012.8.20.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝