さて、前回の予告通り、「ストライクを取れないビジネスマン・チェックリスト」をアップしました。
 厳しいセルフ・チェックをしてみて頂きたいと思います。(YESならチェック)
 5項目以上にチェックがあったら、かなりボール球の多いビジネス・パーソンかも、、、。
 10項目を超えたら、、、戦力外通告の危機。
 とは言え、努力すれば一気に改善可能なものばかりですから、しっかりとテーマを見出しましょう。

【 ストライクを取れないビジネスマン・チェックリスト 】

□ 今の仕事と自己実現とは無関係である
□ 社長や上司、働く仲間との人間関係はそんなに大切ではない
□ ウチの商品やサービス、事業の中には嫌いなものがある
□ 肩書きだけ偉くて、実はおバカな上司が多いと思っている
□ 社内の不祥事を知っているが、当事者ではないので知らん顔している
□ 正直、コンプライアンス(法令遵守)より儲けと給料だ
□ クレーム対応は嫌いだし、面倒くさい
□ 顧客とのトラブルで上司に報告していないものがある
□ 宝くじが当ったら、捨てゼリフして会社を去る
□ 自分や我社が顧客のお役に立っているか、真剣に考えていない
□ ご時世だから値引き安売りは仕方ない
□ 定価で売れと言うなら、売れるマニュアルをよこせ
□ 毎日必ず翌日の準備をしないまま帰る。大体いつも当日の準備はその日の朝だ
□ 身だしなみはそこそこで、そんなにビシバシ整えてはいない
□ 自分の第一印象はすごく良い訳でもないが、すごく悪い訳でもないと思う
□ 電話をかける前に、話す内容の整理はしないことが多い
□ アポイントが取れるかどうかは相手次第だと思う
□ スキルを伸ばすための勉強はあまりやっていない
□ お客様との面談時に、その日の「ゴール設定」をしてから取り組むなんて考えたこともない
□ いい会社があれば転職したいと思う。今の会社に未練はない
□ 既存のお客様の中には、少なからず好き嫌いがある
□ もっといい方法があるかもと思いながらも、慣れているやり方で仕事をしている

 さて、いかがでしたか?!早速チェックが入った項目を潰しにかかってください。


 前回の「ピッチャーに最も端的なアドバイス」=「ビジネス対比」ですが、
1、ストライクを投げる
2、低めに投げる
3、できるだけピッチャーズ・プレートから遠い場所でボールから手を離す
と書きましたね。

 2.の「低めに投げる」とは明らかにリスク・マネジメント、クライシス・マネジメントです。
 低めギリギリの球と高めの球では、長打を食らう確率が断然違うから、「いかに有効且つ安全な手を打つか」ということです。

 「低めの球」とは、顧客が否定的感情に走らないような話の進め方をすることです。
 「うん、じゃあもうちょっと説明して」と、次の会話にスムーズに進めるトークを使うということです。これを「ポジティブ・トーク」(積極・肯定・前向き話法)と呼びます。

 例えば、
①「当社としてはこのやり方ですし、他社でも同じです。」
②「当社の規定ではこれ以上の条件はムリです。」
③「これがあなたには一番ピッタリですよ。」
④「方法はこれしかないでしょう。」
⑤「決して高い料金ではありません。」

 これらのトーク自体は、一見そんなに問題を感じないと思いますが、微妙に顧客の意見を否定して、否定・反論・押切型の「昔の応酬話法」になっているのです。

 つまり、これらは下記の様な顧客の言葉に反応した訳です。
①は「他社にもあたってみたら何かいいやり方があるかなー」
②は「条件面が気になるなー」
③は「他にも自分に合いそうなものがないかなー」
④は「何かいい方法はないのかなー」
⑤は「少し料金が高いなー」

 つまり初めの言葉は、これらの「顧客の言葉への反論」ですから、顧客心理とすれば「自分は否定された」訳です。
 自分の発言を否定した相手の話なんて、聞く気が一気に消え失せることも多いものです。

 高めの球と低めの球のほんの数センチや数十センチの違いとは、このほんの「瞬間の対応する言葉の違い」であり、「顧客が発した言葉に反応するたった一言」なのです。

1)「他にもあたってみたいとお考えになるのは当然だと思います」
2)「できるだけ都合の合う取引条件で、とおっしゃるのは当然だと思います。」
3)「一番ご自分に合うものを選びたいというのは、おっしゃる通りですね」
4)「出来うる限り、最も優れた方法で取り組みたいですよね」
5)「極力リーズナブルな料金で、とお考えになるのは当然です」

と、顧客の口から出たネガティブな言葉を、反論ではなくポジティブな表現に換えて受け止めてしまうと、顧客としてはたった今自分が言ったことの同じ意味合いのことを言われたのですから、返事は「YES」「そうだね」「その通りなんだよ」となりますね。

 次にしっかりと「訴えたいことの論理展開」、「顧客の理解を深めるための説明」をしていけば、商談の成功率は確実に上がるものです。
 ビジネスの現場では、「顧客心理に対する配慮・気配り」が重要であり、それによって少しずつ顧客からの好感度は上がっていくものです。

 次回は「できるだけピッチャーズ・プレートから遠い場所でボールから手を離す」について書いてみたいと思います。
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あ、今日は「土用の二の丑」です。また鰻でも食べてバイタリティー溢れさせていきましょう!

2011.8.2 ビジネススキル研究所 代表 鶴田 慎一  拝

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