そういえば先週の7月21日は土用の丑の日(一の丑)でした。鰻を食べに行ったとか、自宅で食べたという方も多いでしょう。

 そもそも土用の日は春夏秋冬の年4回にあり、土用の丑の日は年に平均6.09日あるそうですが、今では限定的に夏の土用の丑の日を言うようになっています。
 
何故夏の土用の丑の日かというと、鰻にはビタミンA・B群が豊富に含まれているため、夏バテ、食欲減退防止の効果が期待できるという栄養学的見地もあります。

 ただし、鰻の旬は冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけての時期で、秋から春に比べて夏のものは味がおちると言われることもあります。(私は年中変わらずに旨いと思いますが、、)

 それを知ってか知らずか、江戸時代に夏に売上が落ちる鰻屋が平賀源内に相談に行ったそうです。言わば「業績アップのコンサルティング」ですね。

 そこで平賀源内は「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という言い伝えを引用して、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めたそうです。

 確かに昔は『う』の字が附く物ということで、「梅」や「瓜」を食べる習慣もあったそうで、栄養ということでは「土用しじみ」や「土用たまご」などもあったそうな。

 現代風解説をするならば、「有名な平賀源内の言うことならそうだろう」ということで、民衆はそれを信じて鰻屋は大繁盛した。つまり、マーケティングやプレゼンテーションに用いる「オーソライズ」(権威づけ)に成功したということでしょう。

 当然、他の鰻屋もそれを真似て「本日丑の日」と貼り出すわけで、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したといいます。(ただし、他にも諸説ありますが、、)

 オーソライズといえば「有名人が好んで行く店」とか、「その道の権威の学者が太鼓判」とか、「世界的に活躍するデザイナーの監修」とか、類例を上げれば枚挙に暇がありませんね。

 ところで、惜しくも7月21日の土用の鰻を食べ損ねたという方は、来週火曜日の8月2日が土用二の丑ですから、縁起担ぎの再チャンスです。


 話は変わりますが、昨日正午についに一部地域を除き地上アナログ放送が終了しました。

 一つの時代の節目でもあると思い、昼前からチャンネルをあえてアナログにして、その瞬間を見ようと待ち構えていました。

 そしていよいよその瞬間、一瞬画面がブルーの「放送終了のお知らせ」になったのですが、次の瞬間から普通に放送がどのチャンネルでも映るんです。

 「えっ?!」と思ったら、うちの事務所のビルはデジアナ変換(地上アナログ放送終了後も地上デジタル放送をアナログ方式に変換して2015年3月末日まで再送信するサービス)をしていたんですね。

 知りませんでしたから私も一瞬面喰らいましたが、ぎりぎりになって慌ててテレビを買いに行った人がいたとしたら、かなり騙された気分だったでしょうね。

 あらゆるものがデジタル化されて、「スピード」や「利便性は」飛躍的に伸びてきました。

 反面、仕組みや構造は素人にはブラックボックス化されていきます。プレゼンテーションを例にとっても、PC画面のナビゲーションに従って打ち込んでいけば、誰にでも簡単にプレゼン資料が作れるソフトもたくさんあります。

 せっかく気の利いた・見た目のいい資料を作れるのに、肝心のプレゼンテーション・スキルが弱いために、デジタルの活用が「営業力を強力に補完するツール」として活かしきれていない人も多いですね。

 教育・研修はアナログで、ベーシックな「プレゼンの体系」「プレゼン構造」「ニーズ対応の示し方」「話し方」「演壇技術」をまず鍛える。しかる後に、デジタル・ツールの活用にステップアップして、顧客への訴求力を強めていく方法で教育するのがお勧めだと思います。
 
2011.7.25  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

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