ビジネス文書に時候の挨拶はつきものです。日本の伝統的情緒として、季節感のある言葉を挨拶文に入れるのです。
 例えば、
「拝啓 桜花の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」というように、今の季節を象徴する季語を用います。
 今はちょうど桜の開花宣言が出て間もないので、「桜花の候」がぴったりですが、4月の季語とは言え、桜が散る頃には些か遅いということになります。その季節毎の早めの季語を使うといいでしょう。
 
 季語を調べる余裕がない時には、時候の挨拶を省く『時下』(じか)という言葉を用いることもできます。これは「時候の挨拶を省かせていただきます」という意味です。
 例えば、
「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」という使い方です。

 文書というのは、怖がらずにやっていくうちにスキルとなって身についていきます。「筆不精だから」とか「文才がない」だとか「字がヘタ」などと言い訳しないで、まずは初めてお会いしたお客様にお礼状を出すことから始めてください。
 
 人生は、努力した分だけのチャンスが巡ってくるものだと思います。やった人とやらない人では、何年か後に「仕事力」「顧客対応力」「人脈形成力」などに大差がついてしまうものです。

 以下に、各月の時候の挨拶の例を挙げておきますので、ご参考になさってください。

<一月(睦月 むつき)>

賀春 / 迎春 / 謹賀新年 / 恭賀新年 / 新春の候 / 初春の候 / 厳冬の候

<二月(如月 きさらぎ)>

立春の候 / 余寒の候 / 立春とはいえまだまだ寒さが厳しい折

<三月(弥生 やよい)>

早春のみぎり / 春暖の候 / 日一日と春らしくなって参りました

<四月(卯月 うづき)>

桜花の候 / 陽春の候 / 桜咲く春の季節 / うららかな季節を迎え

<五月(皐月 さつき)>

若葉の候 / 新緑の候 / 若葉の頃となり / 風薫る五月となり

<六月(水無月 みなづき)>

梅雨の候 / 向夏の候 / 初夏の候 / 木々の緑も色濃くなり

<七月(文月 ふづき)>

盛夏の候 / 猛暑の候 / 酷暑の候 / 暑さ厳しき折から

<八月(葉月 はづき)>

炎暑の候 / 残暑の候 / 立秋の候 / まだまだ残暑厳しき折

<九月(長月 ながつき)>

初秋の候 / 新秋の候 / 秋冷の候 / さわやかな季節を迎え

<十月(神無月 かんなづき)>

仲秋の候 / 紅葉の候 / 秋もいよいよ深まって参り

<十一月(霜月 しもつき)>

晩秋の候 / 霜寒の候 / 向寒の候 / 朝夕めっきり肌寒くなり

<十二月(師走 しわす)>

師走の候 / 初冬の候 / 寒冷の候 / 年の瀬もおしつまり



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ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝