昨日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主催の「とことん稼ぐ幹部・管理職になる!5つの鉄則」のセミナーを、品川グランドセントラルタワーで行いました。

セミナー後には何人もの方々が質問や本の「為書」に並んでいただき、その熱心さに心打たれました。
大企業から中堅・中小企業までいらっしゃいましたが、どの企業も全く順調で健全経営の会社ばかりです。
しかし皆さんの危機感や問題意識はヒシヒシと伝わってきます。正にいい会社ほど幹部が現状に胡坐をかくことなく、「健全な危機感・問題意識」をしっかりと持っているものです。

セミナー内容の骨子は、
① 営業幹部がいかに部下にしっかりした価値観を伝授し、どんな経営環境にも打ち勝つ強い組織作りをいかに推進するか。
「価値観」「MISSION」「PASSION」「営業センス」「PRIORITY」などのキーワードで、いかに部下との価値観統一を図るか!

② とにかく部下のニーズ対応力を磨く!ニーズ対応力と顧客の性格対応力、TPOに応じて変化する心理への対応力を磨くことと、顕在ニーズ対応・潜在ニーズ対応・ウォンツ対応の力を付けさせていく。
そのための顧客に対しての質問力を身につけさせて、的確な情報分析でWIN-WINの関係構築を図り、顧客とのパートナーシップを築いていく。

③ 目標達成力を高めるにはどうすればいいのか。PDCA(plan⇒do⇒check⇒action:マネジメントサイクル)で仕事をしろと口を酸っぱく言う前に、その本質を教えるのが上司の仕事。
「目的」「ビジョン」への共感性、「主体的目標設定」をすることがいかに目標達成力を伸ばすか。
部下を「僅かに過負荷の状況」に置くことで効果的に力量を上げていくことと、併せて徹底的にホウレンソウの重要性を認識させる。

④ 幹部は戦略構築力を磨け!「戦術」「戦闘」のミスは「戦略」でリカバーできるが、「戦略ミス」は致命傷となる。
そのミスを部下にハッパをかけて何とかしようとしたところで、「手段」を「目的化」すれば生まれるのはモラルダウンだけ。
ポイントは「近視眼にならず、中長期的視点を持つこと」「革新・チャレンジに臆さないこと」「重点主義・集中主義を取ること」「エネルギーを統合してブレイクスルーすること」「勝利への執念を燃やし続けること」。
現代のような同質競争時代は「スピード勝負」。「アジャル・コンペティション(機敏な競争)」を忘れて、チンタラとバカ丁寧・過剰品質の仕事をしていては取り残されてしまう。

⑤ ビジネス人生を成功に導くには、今の自分の状況を冷静に分析して、将来の自分の「ありたい姿」「あるべき姿」に向かうための「最大効果を出すために、今の自分の想い・情熱・エネルギー・投入する時間」などを総点検すべし。
この基本スタンスが変われば、人は豹変するすることができる。

そして拙著『できる上司の「決め言葉」』のあとがきに書いていますが、孫子の「将の五徳」---「智」「信」「仁」「勇」「厳」、人の上に立つ者の人間学は欠かせない。

「愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのが、営業研修などでの口癖ですが、
幼名杉虎之助、養子に出て吉田寅次郎、あの吉田松陰をかばおうとした幕末の毛利家最後の当主である毛利敬親の話。

江戸伝馬町牢屋敷で老中 間部詮勝(まなべあきかつ)の暗殺計画を告白し、30歳という若さで打首になった吉田松陰が遺した辞世の句「身はたとひ武蔵野の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂」・・・・・

『自分はこれから処刑されて、関東平野のゴミになって朽ち果ててしまうのかも知れないが、私の憂国の想いや大和魂とそのための具体的方策は既に久坂や高杉・伊藤・山県などの弟子たちに託した。
私が大切に思っていることは個人や藩の損得ではなく、「国家全体の最適化」である。
この国が正しい方向に進み、諸外国からの侵略にさらされることなく、国民が平和で幸せな暮らしができるなら、私の命など惜しくもない。
もう準備は整った。さぁ殺せ。』
そんな声が聞こえてきそうです。

我々も「個人の都合」や「部門の利益」に過剰に引っ張られることなく、「組織全体の最適化の論理」をしっかりと持って、崇高な価値観を部下たちに授け続けていかなければなりません。

部下に価値観を授ける教育は、重要な「教育課題」です。

是非しっかりと、社内教育研修を推進していただきたいと思います。


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ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝