3月17日の私のコメントが掲載された日刊ゲンダイの記事です。 ©日刊ゲンダイ


<接待・おもてなし最新常識 得意先へのお礼で喜ばれるのは「モノより情報」>
【人生100年時代の歩き方】
 総務省官僚の会食接待問題は、山田真貴子前内閣広報官の辞任、総務省事務方ナンバー2の谷脇康彦前総務審議官の更迭と波紋を広げている。今後、国会の参考人質疑と検証委員会による実態調査が行われる。だがすでに、まっとうな企業では接待文化が廃れつつあり、営業マンの得意先への“おもてなし”の中身も変わってきた。
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 山田氏は総務省時代に、菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から7万円超の会食や手土産などの高額接待を受け、谷脇氏はNTTからも計10万円を超える会食をしていたとされる。総務省はこれらに関わった11人を国家公務員倫理規程違反で処分した。

 民間企業でも昨年、鹿島、清水建設などの大手ゼネコン4社の幹部が復興事業の福島県内の工事などを巡り、下請け企業からキャバクラでの豪遊など過剰な接待を受けていたことが発覚した。まだ接待文化が残っている業界はあるが、一方で取引の透明性を図るため、接待や贈り物を禁止する企業は増えている。
 トヨタグループはHPで取引先向けに〈贈収賄その他不正な手段によらなければ得られない利益を一切求めません〉と記し、ガイドラインを掲載。部品メーカーや設備メーカーといったパートナー企業からのトヨタ役員へのお中元や昇進祝いなども断っている。
 ソニーは、社員の接待を禁止した上で、取引先にも、〈同一のお取引先から、1年間に複数回の接待を受けること〉〈お歳暮/お中元/贈答品等を受け取ること〉〈出張時、お取引先企業様に交通費/宿泊費などをご負担いただくこと〉と具体的な事例を公表している。パナソニックもまた調達部門の社員が会食の接待やゴルフ・旅行、中元・歳暮等の贈答品、祝儀を含む金銭などの接待を受けることを禁止しており、2016年には取引先から接待を受けた90人に社内規定違反として、降格などの一斉懲戒処分を下した。取引先との付き合い方は会社のブランドイメージを揺るがしかねない問題であり、昨年からのコロナ禍の会食禁止も相まって、こうした接待文化はますます衰退する傾向にある。

 ビジネススキル研究所の鶴田慎一代表が言う。
「ここ数年、大企業を中心に取引先への接待やお中元、年賀状などの虚礼廃止の流れがきています。仕事先のある金融機関のトップは、対外的にクリーンな印象を持ってもらいたいとお中元などの贈答品を額や相手先の例外なく返送しています。実は公正な取引を保つ名目以外に、接待を禁止することで、企業にとって無駄な経費を削減する役割もあります。タイミングとしても、コロナによる面会禁止で会食や取引先に足しげく通うことなく、営業活動が成り立つことも証明されました。古き良き時代の営業スタイルは不要となり、マメに“付け届け”する営業マンが社内外から評価される時代ではなくなるでしょう」

<モノよりも情報を届ける営業マンが活躍>
 会食や贈答品といった接待交際費は、期末の資本金の額または出資金の額が100億円を超える巨大企業に至っては税制のメリットもない。2020年4月1日から、接待交際費を経費として計上することはできなくなったのだ。ちなみに、中小企業(1億円以下)の場合、経費として計上できる上限は800万円または接待飲食費の50%。その中間の1億円超100億円以下の大企業は接待飲食費の50%だが、コロナ禍で営業利益も出ない中、飲食費や手土産代は削減の対象になるのは当然だろう。

「一部大手企業ではコロナで接待費のハードルが上がっています。取引先との会食は、部長決裁から本部長や取締役決裁にし、ヒラ社員が自由に接待交際費を使えない仕組みにした企業も耳にしています」(人事ジャーナリストの溝上憲文氏)

 それでも社会人の心情として、得意先や営業先を仲介してくれた取引先などにはお礼がしたいもの。飲食や贈答品がダメなら、どうやって返したらいいのか。

「“情報”を提供することです。機密情報をリークするということではなく、取引先の業界が何を求めていて、何に困っているのかをその会社に代わって情報収集し、分析するのです。自分の会社や業界が、消費者や顧客にどう見られているのか、当事者は冷静に見れていないもの。取引先である第三者の目線で、関連しそうな雑誌の記事を集めたり、その業界に詳しい専門家の許可を取ってリストを作ったりします。雑談で、相手の悩みを聞いた時に『この間、それについてシンポジウムを聞いてきたところです。メモをまとめたので、データで送りますね』と伝えればビジネス相手として信頼が得られます。コンプライアンスが厳しく、経済的な余裕もない時代ですから、会食して意気投合しても、直ちに仕事をもらえるわけではない。『この人、気が利くな』と思ってもらうことが、何よりのお礼になり、次の取引にもつながります」(鶴田慎一代表)

 前出の溝上氏も、製薬業界の取材で同じことを感じたという。医師もゴルフや会食などの接待ではなく、ネットで薬を検索し、依頼するケースが増えたからだ。
「発注を依頼するMR(医療情報担当者)の基準として、その薬の副作用や医療事故の事例を世界の文献から拾ってきてデータにし、マメに情報提供してくれる人から選んでいるという声が複数上がりました。お世話になっている取引先には、モノではなく、情報を届けられる営業マンが活躍するのでしょう」
 場を設けて仲良くなることも大事だが、相手の仕事がうまくいくために解決策を提示できる力を身につけたい。


2021.4.5.
 株式会社 ビジネススキル研究所 代表取締役 鶴田 慎一  拝

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