ワールドカップの話題はどこでも持ちきりで、その話は飽きたからもういいという感じでしょうから、今日はあまり触れずに。
日本が予選敗退とは言え、まだまだ決勝戦までLIVEで観たいというファンも多いでしょうが、如何せん開催地のブラジルは地球の裏側ですから、仕事や健康に支障のない程度に楽しみましょう。
【蕎麦は、すぐ[そば]とは限らない】
先日出張先でお蕎麦を食べたいと思い、ホテルのフロントで「この近くにお蕎麦屋さんはないかなー」と尋ねました。
フロントの女性が、「お蕎麦屋さんなら、すぐ[そば]にありますよ。」「すぐ近くの左手です。」と教えてくれました。
ホテルの玄関から表の通りまではかなりの急坂ですから、距離以上に負荷は大きいのですが、まあ散歩がてらにちょうどいいと思いながら、ホテル周辺を歩き回っても見当たらず。
「あ、すぐ[そば]はこの地方の暗黙知だな。きっともっと遠いんだ!」と、ホテルに引き返しました。
再度彼女に、「すぐ[そば]になかったんだけどー。」と聞いてみたら、
「すぐそこなんですよー。坂道を過ぎて、通りを越えて真っ直ぐに進んで、線路を越えて、突き当りの交差点まで行って、右に進むとお寿司屋さんがあって、その横がセブンイレブンで、、」
「あ、それは知ってるんだけど、そんなに近くないよねー。で、すぐ[そば]のお蕎麦屋さんは?」
「そうなんです。お寿司屋さんの方に行くと、間違いですよと言おうと思いまして、、。」
「お、それはご親切に。で、どこ?蕎麦屋は。」
「お蕎麦屋さんは、その先を右に行かずに、左の方に進んで少し行くとあります。」
「ありがとう。何となくわかってきた気がするよ。もう一度散歩に行くよ。」
かなりきつい急坂を上ったり下ったりした挙句の再度の登坂で、ややヘコタレそうになりながら8分ほど歩いて到着。
「酔っ払って、帰りの坂道で転ぶとシャレにならないなー。」などと苦笑いしながら、旨いおつまみに冷酒をチビチビ飲んで、仕上げには好物の「つけ鴨蕎麦」を楽しみました。
散歩での爽快感もあり、心にも余裕があったのか、全くイラッとくることもなくほろ酔いのトワイライトでした。
【情緒の時の「暗黙知」、ビジネスの時の「形式知」】
一般に暗黙知は、「経験や勘に基づく知識」で「言葉などで表現が難しいもの」ですから、最近では小保方さんの「ちょっとしたコツ」(本当ならばですが)が代表例でしょうか。
お蕎麦屋さんの話での「すぐ」や「かなり」や「とても」というものは、図や数字で「形式知」化できるものですから、厳密には恐るべき「地域差」や「個人差」による暗黙知とでも言いましょうか。
「何メートル」「何分」などの具体的形式知でないと、「すぐそば」の急坂を乗り越えて行かなければ、「すぐ蕎麦」は食べられないのです。
「すぐそば」はせいぜい五軒隣位までだろうという認識の私と、徒歩15分以内ならそばだと言う彼女の暗黙値を、大袈裟に「ナレッジ・マネジメント手法」という話にすると、何だか田舎の温かみを阻害する気もしますので、ここでの彼女の暗黙値は容認です。
「ナレッジ・マネジメント手法」で考えれば、「個の知識」を「組織の知識」として活用するには「形式知」化は不可欠でありますから、「情緒を取る時」とビジネスでの「ナレッジ・マネジメント」の使い分けができると、懐の深い人間力にもなるのではないかとも感じます。
情緒の時の「暗黙知」、ビジネスの時の「形式知」とでも考えましょう。
【たまに見かけるビジネスの「暗黙知」】
そういえば、以前ある指導先で、新規製品導入のマーケティングをしていました。
会議の席で営業部長が部下のA君に、
「おい、A君、お客様の反応はどうだった?」
と尋ねました。
「はい、部長。皆、この部分の使い勝手が悪いとおっしゃっていて、、。」
「そうか、至急改善の検討をしなきゃならんなー。」
と部長。
そこで私が、
「ねえ、具体的にはどのお客様のどんな意見なの?」
と聞くと、
「はい、○○産業様は、、、。○○工業様が、、、。」
「で、次は?」
「はい、以上です。」
彼にとっての皆はたったの2件で、部長は当然怒る訳です。
でも、部長の質問も「拡大型質問(抽象的質問)」ですから、部下からの「暗黙知」の回答も致し方なしです。
「個の知識」を「組織の知識」として活用するのが「ナレッジ・マネジメント手法」ですから、ビジネスでは「形式知」化は不可欠なのです。
確かに分母が2で、分子が2であれば100%ですから、皆であることは事実ですが、2/2では当てになりません。
プロ野球選手がシーズン開幕から2打席連続ヒットで、その時点で打率10割として、シーズンの終わりにはやはり打てても3割ということです。
データは母数が大きいほど傾向は強く掴めるのですから、もっと徹底的に「既存客」から「見込客」、「潜在見込客」「見込客予備軍」までの意見をもらいに行くのが、そのまま顧客開拓活動に繋がるのです。
ここでしっかりと「宿題」を持ち帰り、次回の「アポイント日時」と「所要時間」までの『価値ある約束』を取り付けることが習慣化した時に、セールススキルは一気に伸び始めるのです。
営業マインド強化合宿ホームページをご覧いただいて、是非とも営業担当・他部門に関わらず、「営業マインド」「営業センス」を磨くための社員教育に組み入れて下さい。
そのためにも、6W3H(when、where、who、whom、what、why:how to、how many、how much)を決めて、具体化をお願い致します。
ビジネスは「形式知」でコミュニケーションをしなければ、「すぐ近くの蕎麦屋現象」と「お客様は皆言っている現象」に陥ります。
情緒の時の「暗黙知」とビジネスの時の「形式知」が、しっかり機能していくと社風も一層イキイキと進化してくるはずです。
トワイライトのローカル単線。
暗黙知のお蔭で、たどり着くのが遅れた事でのラッキーでした。
「万事塞翁が馬」です。
2014.6.26.
株式会社 ビジネススキル研究所 代表取締役 鶴田 慎一 拝
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