24日の日曜日は、朝から晩まで東京マラソンで賑わいました。
私もコースが近場だったので、徒歩5分の東日本橋に友人の応援に出掛け、ハイタッチして励ましてきました。
しかしまぁ、たいしたものです。
昨年の東京マラソンで初マラソンを4時間台で完走して以来、4回目のフルマラソン完走で未だ途中棄権なし。
しかも、毎回自己記録を塗り替え続けている間もなく58歳のオヤジ。
フルマラソンの合間には、5回のハーフマラソンに出場して、「ハーフなんて軽い練習だよ」と言ってのける。
今回は10万円の出場料を払って、チャリティ・ランナーとしての出場でしたが、やはり流石に10万円ですから、着替えの場所だとかいろいろな特別配慮があるそうです。
2014人のチャリティ・ランナーが走り、東京都は2億円ものお金を集めたと言いますから、一大事業になりました。
蛇足かも知れませんが、10万円の寄付は寄付金控除が受けられますので、念のため。
そして完走後には、我々が既に「デキ上がって待つ」打ち上げ会場に到着して、「あー、喉が渇いたー」と生ビールをグビグビ。
凄い体力、凄い元気です。
42.195Kmの間には足をつったり、膝が痛んだりというストレッサー(ストレス要因)がやってきます。
同時に「よし、このスプリット・タイムなら、また記録更新だ!」というモチべーター(動機づけ要因)もやってきます。
そして、この辺りのモチベーション・コントロールを鍛え上げている彼は、仕事にも実によくその力を活かしています。
彼の仕事力はマラソンの比ではない力量で、素晴らしい「ポジティブ・サイコロジー」の持ち主です。(「ポジティブ・サイコロジー」はバックナンバーをご参照ください)
ところで、先日泊まったホテルのレストランでの夕食での一コマ。
出張の淋しい一人ご飯中、懐かしさを感じる話し声に振り向いたら、車椅子に乗ったとても小さなお婆ちゃん。
チラッと振り向いてみると、「100歳オーバーか90歳代後半かなー」という感じの可愛いお婆ちゃんでした。
懐かしさの原因は、「きんさん」の声と語り口に似ていたからと、すぐにわかりました。
盗み聞きするつもりはないので、会話の内容は知りませんが、すごくキュートな高い声でお話をされていました。
ご本人は車椅子であることのみならず、思うように手足を動かせないらしく不便そうでしたが、私よりもはるかに先輩の「70歳代の息子さんと思しき人」に、食事を口に入れてもらいながら、40歳位の孫らしき人に「1世紀に亘る(だろう)人生」を語っている様子。
凄く優しい語り口とキュートな高い声が、エクセレントなマッチングで、とても優しい空気に包まれていて、素晴らしきひとときにご一緒出来て幸せな気分でした。
日本は随分前から「少子高齢化社会」ではなく、「少子超高齢社会」に突入しています。
WHOの規定では、全人口に占める「高齢者割合」、つまり満65歳以上の方々の割合が7%以上になると「高齢化社会」で、14%以上になると「高齢社会」、21%以上になると「超高齢社会」と呼びます。
日本は2007年には21.5%となり、超高齢社会に突入して久しいのです。
このままの傾向が続けば高齢化率は高まる一方で、産まれてくる子供は少なく、多くのお年寄りが亡くなっていくために、差し引きで毎年数十万人の人口減少が続くことになるのです。
日本は毎年人口減少を続けていくことになるでしょうから、本質的には「少子超高齢社会」とは「少産多死化社会」ということもできます。
お年寄りを大切にすることと、若者が夢と希望を持てる社会構造・社会システムにしなければ、負のスパイラルからの脱却は難しい問題です。
昨日はイタリアの総選挙の結果、安定政権が確立できないという見通しから、急激な円高に振れて、東京株式市場もニューヨーク株式市場も大幅に下げ、世界の株式相場は波乱局面に入っています。
イタリア国債利回りも急上昇で、欧州債務危機再燃の懸念は長引きそうな状況で、ギリシャやスペイン・ポルトガル・アイルランドなどの国々と、主役を入れ替えながらのドラマ続行という感です。
正に経済のグローバル化であり、ボーダーレス経済の象徴的出来事です。
強気に進めているアベノミクスは、日銀人事が「デフレ・ファイター登場」と海外からの評価を得て、TPP交渉参加で日本が不利にならないように進めていければ、久々の春を感じる日本経済となるかも知れません。
しかしながら、安倍政権が掲げる政策への期待感だけで押し上げられているのが現状で、悪材料にはすぐに敏感に反応します。
常に不測の事態が起こり得る世界経済を考えれば、なかなか安穏としてはいられないのが実情とも言えます。
アベノミクスはケインズ経済学の「有効需要の原理」と「金融緩和」をモデルにしているものと思います。
しかし、「緩やかなインフレーションでデフレーションを脱却するというシナリオ」で復活できるほど、現代の世界経済のメカニズムは単純ではないと思います。
インフレーションと景気後退が同時進行するという最悪のシナリオ、つまりスタグフレーションを引き起こすことだけは何としても回避してもらわねばなりません。
ところで最近、「ブラック企業」という言葉をしばしば耳にします。
「法を守らない」「法を知らないふりをする」「従業員の命や健康、生活を大事にしない」という企業を言うことが多いようですが、用いられ方がかなり広くて、単純に定義付けするのは難しそうです。
社員を使い捨てにするような会社や、社会構造は大きな問題です。
同一組織の中で、「仲間の我慢・忍耐」の上で幸福を創造するというのは、継続性・永続性を失わせるものです。
つまり、一時的に繁栄しても、長続きしない企業だということです。
やはり会社は「家族的運命共同体」「人間関係の良好な組織風土」を創る努力が必要です。
エンプロイー・サティスファクション=従業員満足の追求を本気・本音でやらなければ、本物にはなれないでしょう。
組織や人によっては、「ストレス要因」が「モチベーション要因」にもなります。
つまり、仕事での「ある試練」が「ストレス」にもなり、「全く同じ試練」がチャレンジ精神に火をつけて「やりがい」をもたらすこともあります。
これは個人によっても、あるいは上司の「言葉」「表現」「態度」によっても捉え方が変わってしまいます。
雇用形態の多様化やセクハラやパワハラという問題もあり、複雑化したマネジメントの中で苦しむ上司も多いものです。
また、管理職が「プレイング・マネージャー」であることが多く、本人が「1プレイヤー化」しているのも悩ましい実態でしょう。
ストレッサー(ストレス要因)とモチべーター(動機づけ要因)の関係に強くなるのが、タフな管理職になるためには必要なことです。
「全く同じ試練」を例えてみると、先月の成績が未達だった部下に対する言葉。
「なんだ、この業績は!?ヤル気あんのか?」というストレッサー(ストレス要因)も、「お前らしくもない結果だなー、今月リベンジしようぜ!」というモチべーター(動機づけ要因)と、「元の事実」は同一なのです。
上司も部下も、お互いにストレッサーになりモチべーターにもなり得ます。
これはマニュアルでは手に入らないものです。
「価値観」「ミッション」を確立して、「ポジティブ・サイコロジー」をモノにしていくことです。
2013.2.27. ビジネススキル研究所 鶴田 慎一 拝
東京マラソン完走記念メダル(借り物)を首にかけて、ご満悦な酔っ払い。
そう言えばオリンピックの銅メダルも浜口京子ちゃんに借りて、ぶら下げて喜んでいたのも懐かしい、、。
他力本願なので小さ目画像。(小さめと小さ目を掛けてみたのですが、画像の大きさは自在ですね、、。)