ビジネススキル研究所公式ブログ

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2012年10月

【 革新を生み出す『現場力』と『Re』の魅力 】

御年80歳、都知事辞意表明から再び国政への意気込みを示した石原慎太郎さんと、記者会見で後継者として指名されたような形の橋本市長に期待が集まりそうですね。
二人とも「ラジカル」で「攻撃的なボキャブラリー」が共通項ですが、政治の閉塞感に辟易している国民にとっては一筋の光明かも。

前回書きました「遊休地活用や工場の跡地利用」などは、日本経済のために大変に有効な手立てだと思いますが、このところの永田町では「政党再利用」や「国を憂うより選挙を憂う」の感ありです。

政治が落ち着かないまま機能停止に近い状態で、地方公共団体では地方交付税の支給が遅れ、借金や資産の売却で凌いでいるというところもあります。
こんなことでは経済は疲弊の一途をたどるのではないかと思う方も多いし、「何度政治をシャッフルしても、出てくる駒は似たようなもの」とあきらめムードの方も多いのが現実です。
歴史が証明する通り、政治家はよく嘘をつきますが、仏教で言うところの「仏のウソを方便という」ことは少ないようです。

しかし、投票権を「義務」と見なして選挙に行かなければ、日本人は「政治に対して不信」を持ち、「不平・不満」をタラタラ言いながら、「将来不安」だけを担いで歩いていくことになっていくでしょうから、問題意識を持って選挙に参加しましょう。
選挙は、「詭弁を弄する」政治家と「本物の憂国の士」を峻別する機会ですから、来たる選挙では「この国をどんな国にして、次の世代に渡してやればいいのか」、よく考えて一票を投じたいものだと思います。


また、前回のメガソーラー発電に関連して、「ゼロ・エミッション(ZERO EMISSION)」(廃棄物を徹底的に資源利用して、廃棄物ゼロを実現する)も想起します。
これ以上の自然破壊はしないという、90年代に国連大学で提唱されたものですが、現在も地球の自然破壊が急速進行中であるということを考えれば、「ゼロ・エミッション」では足りなくて、「マイナス・エミッション」でなければいけないというのが本当のところでしょう。
「ゼロ・エミッション」を実現している企業も多々ありますが、「ゴミが出る製造工程」を下請け企業に押し付けて、自社での実現をアピールしている場合もあります。

「ゼロ・エミッション」の100%実現は困難な企業も多く、「ロー・エミッション」を考えるところからの方が現実的、ということも否めないところです。
今までは「廃棄コストが掛かるモノ(ゴミ)」だったのを、「収益源」や「利益」に変身させる、つまり「無から有を生む」「マイナスからプラスへ転換させる」ということを、仕事柄私は毎日考えています。
指導先の現場でも、「まだまだ利益を生み出せそうなネタ」探しをして、幹部や社員の皆さんと楽しく画策していますし、日常的に現場の写真やビデオを観ながら、「考える」ということをある意味楽しんでいます。

「廃棄物の削減に努める」ということも、「ゴミを徹底的に資源化する」ということも、「廃棄物を再利用・再生利用する」ということも、平成12年に施行された「循環型社会形成推進基本法」で定められました。
つまり、Reduce(ごみの発生を抑制する)、Reuse(繰り返し再使用する)、Recycle(ごみの再生利用を進めて再資源化する)という「3Rの推進」です。

大切なのは「法規制ができたから仕方なくやる」ではなくて、「知恵を出したら、顧客や売上や利益が増える」ということを、実践し実感することです。
熱回収(サーマル・リサイクル)もどんどん進んでいますし、マーケティング感覚で言えば、Remix(再編集する)という「既にある資源を新たな創造のために再編集する」ということも魅力的戦略です。

ご存知の通り、「Re」とは「再び」「新たに」「繰り返す」という意味を持ちます。
ちょっと調べてみても、 Refuse(拒否する)---つまり、製造工程でも流通過程でもゴミになるものを受け入れない工夫。
Repair(修理・修繕する)---壊れても修理して使ったり、その上最適な場所で最適な使い方までの知恵を絞る。

先日も千葉の指導先K社の生産現場を廻っておりましたが、モノづくりは経済活動の原点で本当に魅力的だと思います。
その日はちょうど、Repair(修理・修繕する)Remix(再編集する)をやった現場が、稼働を始めたタイミングでした。
他の工程で使っていた機械に工夫・改善を加えて、全く違う工程に移動させて、結果的にその工程で人員2名分の合理化と省力化ができました。
この「コツコツ積み上げていく力」が凄いのです。

彼らはリペア・リミックスのついでに、機械や治具・工具も自分たちで作ってしまうということもよくあります。
この「考えて」「知恵を絞って」「語り合って」、「会社」を「現場」を「製品」を「コスト」を「効果・効率」をより良くしていこうというのが、この企業の素晴らしいところです。
この指導先K社の「カイゼン・パワー」と、「フレキシブル生産能力」はまだまだ伸びていくと思いますから、ますます今後が楽しみです。
こんな風土の会社ですから、「こんなものを作ってもらえませんか?」という新たな問い合わせが増えてくるでしょうし、当然近いうちにそれを実現させる戦略も打ち出していこうと考えています。

Refine(分別する)、Rethink(要るか要らないか再考する)、Rental(買うより借りた方が徳ではないか)、Return(使用後は購入先に戻して、リサイクルしてもらう)、Reform(改良して、価値を高める)、Rebuy(リサイクル品やリユース品を積極的に買う)など、「Re」のキーワードはたくさんあります。
頭を爽やかにRefresh(気分一新)して、人生をRecreate(楽しむ)したいですね。
「経営戦略」に前向きに取り組むには、Refresh(気分一新)Recreate(楽しむ)が重要なファクターなのです。

『現場力』の魅力は尽きませんので、また色々な角度で書きたいと思いますが、先日の朝も会社に到着してから、いつものようにすぐに社員さんたちと同じユニフォームに着替えて、安全靴に履き替え、帽子を被っていざ現場へ。
同じユニフォームを着ることには、大きな意味があります。
ご存知の通り、ユニフォームの「ユニ」は「単一」を表し、「フォーム」は「形・形態・形式・型」の意味合いです。
ユニフォームは「その組織に属する象徴」「連帯感の象徴」であり、「会社の看板を背負っていること」でもあり、また当然「仕事着としての機能性」も考えていますから、多くのメリットがあります。
ユニフォームは「規律や統制」だけでなく、「企業のイメージ向上」にも一役買ってくれますから、ユニフォームがあるという職場の方は「正しく着こなす」ことを常に意識して頂きたいと思います。


明日からまた信州、すでにこの時期はかなり寒くなっているでしょうが、四季を感じられることがまたRefresh(気分一新)でありRecreate(楽しむ)ですね。

また、時折アンデリバリー・アドレスの整理をしていますので、最近私からのメールが来なくなったという方は、お手数ですが再度HPの「ナビゲーター」か「お問合せフォーム」からご一報ください。


2012.10.30.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

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【 革命的ビジネスモデル:市原メガソーラー発電所視察 】

日曜日から銚子市と鹿島市、香取市を巡って、昨夜東京に帰ってきました。
鹿島で食べた北海道の「本物のししゃも」が実に旨くて、八尾位平らげてしまいました。
普段食べている「シシャモ」は実は本物ではなくて、本物は見慣れた姿よりはるかに丸々と太っています。
ちょうどご一緒した北海道のY社の会長さんとも親しくなれて、有意義な時を過ごせました。

出張中は、指導先K社の工場の生産現場の改善活動に廻っておりましたが、モノづくりは本当に魅力的で、経済活動の原点です。
今日は別のトピックについて書きますので、『カイゼン』『革新』『現場力』など『製造現場の魅力』については、また次の機会に書きたいと思います。



先週17日のことですが、以前から私が親しくさせて頂いている株式会社 新昭和さんの市原メガソーラー発電所(10月4日稼働開始)の視察に行ってきました。
千葉県の「新エネルギー活用の重点支援プロジェクト」に選定され、今回の市原で2メガワット、続いて来年3月に稼働開始する木更津発電所でも2メガワット、まだまだその先も続々と計画がありそうですから、将来が楽しみなビジネスモデルです。

昨年の東日本大震災、そして福島の原発事故以来、いかに原発に依存しない電源開発を行うかについては議論百出ですが、間違いなく最も環境負荷が少ないのが太陽光発電です。

6月25日の本欄に、「日本の地熱資源量は世界第3位!来るか地熱発電ブーム」について書きました。
また、昨年7月19日には「ピンチの時には必ず素晴らしい技術を生み出すと、日本企業の技術力はまだまだ世界の注目を集めている」とも書きました。(バックナンバーをご参照ください)
昨年書いたものとの重複になりますが、「宇宙空間に太陽光発電所(SPS)を作り、地上の基地へマイクロ波ビームで電力を供給する」という技術も研究開発が進んでいます。

太陽は太古の昔から核分裂を続けて、周りの星にエネルギーを放出していますから、このクリーン且つ枯渇しないエネルギー活用こそ最も理にかなったものでしょう。
太陽光を無駄なく活用すれば、地球上のすべてのその他の発電所は不要になるとも言われています。
宇宙空間太陽光発電所(SPS)が実現するのは、まだまだ先のことになるでしょうから、既にスタートアップしている技術としてメガソーラー発電所は大注目の革命的なビジネスモデルです。


さて、事業検討をしたいという方のために、もう少し詳しく書きましょう。
今回の市原メガソーラー発電所は、千葉の養老渓谷から流れてくる養老川の川辺の4.6ha(パネル設置部分3.0ha)の遊休地活用モデルでした。
基礎は杭打ち式金属基礎、架台はアルミ製、モジュール(ソーラーパネル)の仕様は多結晶シリコン(290W/枚)で、6,600枚のモジュールに8基の250kWのパワーコンディショナーを設置しているものです。
この市原メガソーラー発電所で生み出される電気は、約600世帯の年間の電力消費を賄うことができます。


メガソーラー発電のポイントは、まず遊休地や工場の屋根などの面積の大きい場所の活用ですが、例えば「○○生産工場」の屋根が「○○発電所」にもなって、もう一つの生産設備になることです。
つまり、屋内でモノづくりを行いながら、屋根は発電所になっているという「ハイブリッド・ビジネスモデル」ということもできるでしょう。

そこで発電した電気を自家使用するのではなく、発電した電気は全量売却するのです。
太陽光発電の「全量固定価格買い取り制度」で、20年間42円/kWhが保証されているのですから、作った電気は全量売電して、使用する電気は従来通りの買電で使えばいいわけです。
現状では、売電と買電とは約2倍の価格差ですから、中長期的視点では事業構造の多様性にも貢献してくれるはずです。
8年程度で、システムのイニシャル・コストがペイするとして、その後はずっと売電利益を上げ続けるというビジネスモデルなのです。


特に現状では、政府や自治体の支援策や規制緩和もあり、またグリーン投資減税の税制優遇は、取得金額の全額を初年度即時償却にするか、初年度に法人税額7%相当額の税制控除を受けるかという選択もできますから、今が太陽光発電導入にはまたとないチャンス到来です。
しかもそれが、日本のエネルギー問題に貢献し、社会に貢献するとなれば論理矛盾なしですね。
周辺の電力需要や高圧線までの距離など、多少は立地的な制約がありますが、私の印象で申し上げるならば「借地してでも成り立つ」というものです。
ご興味がある方はご紹介しますので、ご一報頂ければ幸いです。



さて、メガソーラー発電所と7月に完成した新昭和本社の新社屋、そして一社の住宅展示場とは思えない規模の充実した「住宅館」も数年ぶりに視察させて頂きました。
その後3時過ぎには事務所に戻って、毎日たくさん頂くメールへの返信などをしていましたら、親しくしている大阪の会社のN専務からの電話。
「久しぶりにメシ食おうよー。」
「いいよー。どこにする?」
「じゃぁ、築地にしようよ。あ、来る時に○○って喫茶店の電話番号を調べてきてくれる?お客さんと打ち合わせで入ったんだけど、レシート下さいって言ったらサー、変なものくれちゃってサー、今気が付いたんだよね。」
「わかった、じゃぁタブレット持っていくから、飲みながら見ようよ。」

N専務とホテルのロビーで待ち合わせて、その「レシートのような変なもの」を見てみると、そこには
『17日16時06分 総売748点 145,646円
純売89点 145,646円 現金在高 145,646円』
の記載。
そうです、喫茶店のレジでレシートのボタンと中間集計のボタンを押し間違えて、担当者は何の確認もせずにお客様に渡してしまっていたのです。
仕事が「キャナリゼーション(水路化現象)」に陥っている証拠です。
「慣れ」が「ダレ」を生んで、「レベルの低いミス」を引き起こすのです。
やはり、仕事の基本の基本は常に「口酸っぱく」言い続けて、自覚させていかなければなりませんね。

しかし、この一枚が結構なつまみになるもので、
「俺もお客さんと一緒だったから、何も見ずにつり銭と一緒にポケットに入れちゃったんだけど、まさか中間集計表をもらってくるとはなー。」
「お、売上と現金在高が同額ということは、つり銭は定額になっていて、レジにはカウントしてないんやなー。」
「そうだなー、きっと一定の売り上げになったら、万札でレジから抜くようにしてるんだなー。」
「お、客単価1,636円かー、水曜日の昼間の喫茶店にしてはなかなかの客単価稼いでいるなー。なんか人気のケーキか何かあったやろ?!」
「あ、○○ケーキが評判いいらしいで。」
「総売りの単価見たら195円かー、そんな単価のはずはないな。ここはレジの使い方がおかしいなー。データの価値を認識していないな。」
「しかし、水曜日の16時06分の時点で総売145,646円とは、相当立地のいいところやなー。どこなん?!」
「そうなんや、立地のいいところなんや。周辺に何ヶ所かあるもんで、何店だったか思い出せないよ。あーぁ、3,000円の自腹や。ま、仕方ないかー。」


でも、数字を掛けたり割ったり邪推しながら楽しんで、3,000円分位のつまみには充分になりましたから、こちらとしてはまぁいいとして。
社員教育は『イチイチ、コツコツ、諦めず』ですよ、ホント。
「わかっているはず」と上司が思い込んでいるのも、「キャナリゼーション(水路化現象)」なのです。
放っておくととんでもないケアレス・ミスも起きるし、今回の場合は起きたことすら知らないのですから、気を付けたいベーシック・マネジメントですね。


2012.10.24.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

【 秋、実感!季節感こそ日本の財産 『感謝に勝る能力なし』 】

大阪での長丁場から帰ってきました。
合宿研修明けは、疲労の蓄積でフラフラ状態なのはいつものことですが、本当に参加者の皆さんの「別れ際のハチ切れんばかりの笑顔」が救いで、17年以上続けられています。
今回の参加メンバーも初日の夕方にはノリノリでして、研修の期間中ずっと何か自分たちでやってやろうという画策で盛り上がっていたようです。
これぞ「主体性に目覚めた軍団の成せる業」で、とにかく参加者に笑わされるシーンの連続でした。
前向きなやんちゃは、会社の発展のエネルギーになります。


こうして、一つのことを続けていると、相田みつおさんの言葉だったか、「続いてこそ道」というのを実感します。
「まだまだその先の道は遠いぞ」と、自らを鼓舞して頑張らねばと改めて思うところです。
「死ぬまでかけて、生き様を創り上げていく」っていうことが、人生ですね。
人生、気づきと実践の繰り返しで、前を向いて進んでいれば運もツキもやってくるもんだというのが、この後の話の前振りです。



先週のことですが、「そう言えば、しばらく映画を観ていないなー」と思い、時間をやりくりして1本観てきました。
全然知らなかった映画に、初めていく有楽町のスモールシアター。
人伝に「意外といい」という話を聞いて、行ってみたのが「くろねこルーシー」でした。
いや、「意外」というのは失礼ながら、なかなかの演技だった占い師役の主役:塚地武雅、そして妻幸子役の安めぐみ(私の知り合いの安さんの姪っ子ですが、顔そっくり)。
一言で言うなら、「観る価値あり」でした。


物語は、甲斐性もオーラもない占い師の鴨志田(塚地武雅)が、妻の幸子(安めぐみ)と5歳の息子の陽とわびしい別居の一人暮らし。
全くお客様も寄ってこないボーリング場の占いブースで、生活困窮の毎日でした。
そんな彼の前に、「前を横切ると不吉」と言われる黒猫が現れ、横切ります。
黒猫の名はルーシー。
ルーシーは、2匹の子猫を鴨志田のアパート前に置き去りにしてしまい、ただでさえ黒猫が嫌な鴨志田は困り果てます。
放り出す訳にもいかず、仕方なしに子猫の世話をする鴨志田ですが、彼の運勢にだんだん変化が出始めるのです。

「万事、塞翁が馬」の感ですが、運とツキのメカニズムっていうのは、必ず何かあるなーと、ジワッと感じるモノです。
あ、これ以上詳しく書くと、観に行こうと思っている人に悪いので、この辺までにしますが、「観る価値あり」です。
物語から感じるモノは、劇場かネットで確認していただくとして、とにかく私の変化は「以前より猫が好きになって、私も不吉を感じていた黒猫がやけに可愛くなった」ことでしょうか。
猫好きになるかも。



話は変わって、最近テレビを観ていると、出演者の発言に「これは有効的ですね!」というのをよく耳にする気がします。
『「ゆうこうてき」って、「友好的」であって「有効的」はないでしょう?!』と、音声だけなら「Friendly」に聞こえて、イチイチ違和感が漂うのです。
「違うだろ?!それ!」と、ついテレビに向かって苦言を呈するわけですが、まぁ世代ごとに言葉も変化を続けた歴史もあるし、少し諦めムードです。
未だにファースト・フードなどでの、「いらっしゃいませこんにちは」という、句読点のない挨拶に慣れないのが、「オジサンの証」なのでしょうか。
未だ順応できない、、、いや、それは「順応」ではない。


「有効な期間」「有効な成分」ならばいいのですが、「有効的期間」「有効的成分」と言われたら、その「有効性」が疑わしく感じます。
柔道の試合で、「一本!」「技あり!」というのは凄く気分のいい響きがありますが、「有効的!」と言われたら「有効よりイマイチ!」って感じませんか?!
まぁ、自分が完璧な日本語を使いこなせているかというと、やはり若干の不安がよぎる訳ですが、、。

いつまでもツマラナイことを書くなと言われそうですが、グローバル社会で英語や中国語の必要性が高まるばかりですが、まともな日本語を使いこなすのは必須だと思います。



また話は変わって、先々週に馴染みの店(以前にも書きましたが、神田須田町1丁目の「恵比元(えびもと)」)で、私は店主のおまかせコースを食べながら一杯飲んでいたのですが、私も含め店内のお客さんが一斉に猪口を口に運んでいる瞬間がありました。
一瞬「皆で一斉に熱燗か?!」と思うような光景ですが、それは店主である哲ちゃんの粋な計らいで、全員にマツタケの土瓶蒸しが振る舞われたのです。
初モノの縁起よさ、旬を味わう情緒、日本の文化ですねー。

食べ物のみならず、峡谷の紅葉や夕方のつるべ落としや北国の雪予報など、季節感を感じる場所やことはたくさんあります。
こういう「場所」や「こと」をたくさん持っていることも、人生の豊かさの一部なのでしょうね。

また、肉でも魚でもキノコでも、その身その命を賭して、私たちの明日の体や元気に貢献してくれていることを実感するということも、大切な心ではないでしょうか?
食事の時の「いただきます」は、正しくは「貴重な命を私に捧げてくれて、ありがとうございます」ですね。
正に事あるごとに実感すべき『感謝に勝る能力なし』だと思います。


そんなことを書いているうちに、また恵比元に行きたくなってきました。
明日は朝から千葉県の市原市に行かなければ、、、飲み過ぎ注意。
市原にはメガソーラー発電所の視察に行くのですが、以前からのお付き合いの会社で今月初めに稼働開始したもので、年明けには木更津でも稼働開始の予定です。
素晴らしいビジネスモデルですから、また次回以降にでも書きたいと思います。


2012.10.16.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

『【孫子:五事七計】「勝つか負けるかの戦いの五つの基本条件」「敵との比較七条件」』

京都大学の山中教授のノーベル賞受賞のニュースは、このところ暗いニュースが多い中での快挙でしたね。
受賞は時間の問題と言われながらも、成果が認められてから6年での受賞ですから、その研究の価値の大きさがわかります。
ips細胞は、「再生医療の切り札」とも言われ、今後の再生医療などに劇的な進化をもたらすものになるでしょう。

とかく日本は研究開発者にとって、資金的にも環境的にもあまり良くないと言われ、研究者が海外流出するということが多いのですが、今回の山中教授は日本にいながらやり遂げたというのが、大きな意味と意義を持つと思います。
山中教授は今年の京都マラソンに出場し、「完走宣言」して研究開発資金の寄付を1000万円以上集めたと聞きますから、カッコいいスーパー50歳ですね。
そして、「戦略の最後の砦」とも言える「勝利を実現させるための執念」が、このエネルギーを生み出しているのだと思います。


サラリーマン社会では50歳を過ぎてから「定年退職」という言葉が脳裏を横切り始めて、何かというと「後は若い人たちに任せて」とか「私なんか間もなく終了ですから」などという発言が出てくる人が増えてきます。
山中教授のように、強烈な目的意識・目標意識を持てれば、再度青春に突入するのだと思います。
「引退症候群」の方は、下手すりゃ後50年(上手くいけば)、どんな面白おかしい人生にしていくのかを考えてみましょうよ。
山中教授のような巨大な夢はそうそう持てるものではないにしても、何かに向かうエネルギーを、「密かに」ではなく「大っぴらに発していくこと」と人との「つながり」を増やし続けていくことで、もっともっと前向きでビビッドな人生になるのだと思います。

先日、長年親しくしてきた会社の役員さんから、退職のご挨拶をいただきましたが、
『永年の精力的なご活躍に、心より敬意と労いを申し上げます。
お互いに、まだまだ現役で頑張っていく若さですから、共に日本のために、何より自分のために邁進していきましょう!
五十肩で一年間、芝刈り中止中ですが、近日復活の予定!
是非またグリーン上で、語り合いましょう!』
と返信しました。
彼はエネルギッシュな男ですから、きっと会った時に「新規事業計画書」くらい見せてくれることでしょう。
ヒアルロン酸局部注射ただ今4本打ちましたが、まだスリークオーターしかクラブを振れませんので、必死に痛みに耐えてストレッチに励みたいと思います。
「復活の暁には絶対に70台で廻ってやる!」と、気持ちだけは充分にあります。
「大っぴらに発して」「実現させるための執念に燃える」、達成できたら必ずここに書くはずですから、暫しお待ちを。


さて、次回書くと言っていた「孫子」の「敵との比較七条件」=『七計』ですが、「勝つか負けるかの戦いの五つの基本条件」=『五事』については既に書きましたが、今日こそ『五事七計』に辿り着かせます。
本物の戦には「勝つ」か「負ける」か「痛み分けの引き分け」かしかないのは、皆様ご存知の通りです。
つまり、ゲームとは違って「リプレイ」も「リセット」もないのです。
古来、徹底的に分析し、徹底的に考え、決定したら全力を傾注して死に物狂いで戦うのが戦。
「負け」とは「死」を意味するのみならず、「一族の滅亡」だったのです。
女・子供・年寄など何の容赦もなく、敗北とは「DNAを断たれる」という「一族全滅」だったわけです。

さてそこで<七計>とは、7つの基準で敵との比較を行うというもので、言い換えれば「競合先の実力」と「自社の実力」とを極めて冷静に分析するというものです。

その7つのファクターとは、「主、孰(いず)れか有道なる」「将、孰れか有能なる」「天地、孰れか得たる」「法令、孰れか行わる」「兵衆、孰れか強き」「士卒、孰れか錬(なら)いたる」「賞罰、孰れか明らかなる」 です。

「主、孰(いず)れか有道なる」とは、どちらの君主の方が立派な政治を行っているかという比較です。
政権中枢がアホなら国は傾くが、立派な政治であれば必ず国は良くなっていくということです。


「将、孰れか有能なる」とは、どちらの将(幹部)が有能であるかということです。
強い会社には必ず、「こいつデキるな」「こやつ凄いな」という各部門ごとの「スペシャリスト幹部」や、全社を見渡して大局に立てる「ゼネラリスト幹部」が複数名いるものです。
三国志に例えれば、魏・呉・蜀の覇権争いの中、劉備は三度も諸葛亮の家に足を運ぶ有名な「三顧の礼」で諸葛亮を臣下に迎え、関羽・張飛・趙雲らのスーパー幹部たちと共に快進撃をしたというところでしょう。


「天地、孰れか得たる」とは、「天の時」・「地の利」はどちらに味方しているのかという、業績影響要因で言うところの「環境要因分析」です。
どんなにいいアイデアでも、勝負のタイミングを外してしまえば只の愚策となってしまいます。
織田信長の「桶狭間の戦い」がいい例で、兵力十分の一以下と言われた信長が、あのタイミング以外では今川義元に勝つ可能性は限りなくゼロだったはずです。


「法令、孰れか行わる」とは、どちらが規則・法令を徹底的に守っているか。
つまり、「掟(おきて)」に対して、しっかりとした規律があるかということです。
ダメな会社ほど「掟(おきて)」に対して、ナァナァになっているものです。


「兵衆、孰れか強き」とは、軍遂の強さはどちらが勝っているかということ。
当たり前と言えば当たり前ですが、軍の強さは兵力のみならず、率いる「君主」と「将」の度量など他の要因も絡み合います。
よく私に「社員の研修の前に幹部・管理職を鍛えてくれ」と、ご依頼いただくのは理にかなった話だと思います。


「士卒、孰れか錬(なら)いたる」とは、兵の訓練度合はどちらが上かということです。
社員教育に力を入れている会社は、このポイントを重視しているということ。
ちょうど今週末から「営業マインド強化合宿 大阪コース」が始まりますが、時間もコストもエネルギーも費やす研修に、「それでも<錬>が明日の我社を創る」とお考えの会社は、必ずそのコストの何千何万倍の利益を得ることになるでしょう。
宮本武蔵曰く、「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」
当然私も「生涯、自分磨きの旅」と思っていますから、千日+万日=約30年で「やっと少し鍛錬したぞ!」という気分だと思います。


「賞罰、孰れか明らかなる」とは、信賞必罰の公正さはどうか、「賞」に対しても「罰」に対しても、納得のいく公正な事由に基づいているかということです。
上司の皆さん、ご注意ください。
部下をヤル気にさせるのに3年掛けたとしても、ヤル気を失わせるのには3秒です。
だからこそ、「共感」「共鳴」「納得」が大切なのです。



『孫子』は2500年ほど前に、呉の孫武が書いた兵法書ですが、書き続ければ1年掛かりそうな位の示唆に富んだ内容です。
『孫子』そして、その『五事七計』のエキスであり、思想的根源は『戦わずに勝つことはできないか』ということです。

「戦わずして勝て」
「戦わざるを得ないなら、とっととやっつけろ」
「負けそうだったら、絶対に戦うな」
「今は負けそうだけど、近々時が来そうであれば、タイミングは絶対に外すな」
つまり、『孫子』は「不敗の書」である訳です。
「勝つ」こと以上に重視すべきは、絶対に「負けない」こと。
会社で言えば、仮に売上や利益が横ばいで、増収増益ができないとしても、「無謀な戦い」を選ばずに「絶対に潰れない会社にする」ということです。


すっかり季節は秋で、涼しいと感じる合間に寒いという時もチラホラ。
季節の変わり目、お風邪など召されませんように。


2012.10.9.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


『恩田杢民親(おんだもくたみちか)の墓参と信州松代の歴史』

昨年11/29に書かせて頂いた神戸健二先生との生前の約束を果たすべく、長野での指導先の会議の前日に信州松代に行ってきました。
台風直撃の寸前に「何とか行けそうだ」と、新幹線の便を早めて行ったのですが、いい勘が働いたようで、雨も風も強まる前に行けました。
神戸健二先生との生前の約束とは、12/7・9に書いた「日暮硯(ひぐらしすずり)」Part1・2の主人公、恩田杢民親(おんだもくたみちか)の墓参りです。
墓参りにご一緒した後、長野駅前の「SENJU」というお店(長野で一押しのお奨めの店です!)で、絶品の「鴨鍋」を突きながら語り合いたかったのですが、、、。


さて長野駅には新幹線の遅れもなく順調に到着、指導先企業のT社長に付き合ってもらい、彼のベンツE-550(これはなかなかラグジュアリー)車内でいろいろと打ち合わせ方々松代の長国寺へ。
流石は松代藩真田家の菩提寺だけあって、立派なお寺でした。
残念ながら本殿は明治時代に焼失して再建されたものですが、真田の六文銭が建物に大きく配され、威風堂々とした本殿です。
真田家代々当主のお墓をはじめ、江戸時代の墓が立ち並ぶ墓地に恩田杢民親の墓もあります。
暫し墓前で、「仁政」とは何かと自問しながら、政治のみならず経済・経営に携わる者の重責を顧みるひと時でした。


「日暮硯(ひぐらしすずり)」については、また是非バックナンバーをお読みいただくとして、お墓参りの後に「真田宝物館」の展示も見てきました。
恩田杢民親の主君であり、文人大名と言われる6代藩主真田幸弘の書など、流石に素晴らしい書や甲冑などが展示されています。
年に何回か展示替えをするようですから、また行きたいと思いますし、何より松代にはまだ見たいものがたくさんあります。
あの坂本竜馬や吉田松陰、小林虎三郎や勝海舟などの幕末の日本を動かした偉人たちの師匠であり、松代藩士・幕末の思想家である佐久間象山の「象山記念館」や、「真田邸」「文武学校」「松代城跡」「武家屋敷跡」など、まだまだ見どころ満載です。
ご興味がおありの方は、是非ご一緒しましょう。
よく「機会がありましたら、是非」というメールを頂きますが、ポジティブ・シンキングで言うなら「是非とも機会を作って行きましょう!」ですね。
絶品の「鴨鍋」も、仕上げの「戸隠の蕎麦」もセットにして、ミニツアーを組みましょう。


さて、話題は太平洋戦争末期に変わりますが、もう一つの松代の歴史。
指導先企業のT社長の言った一言、「この松代が日本の首都になったかも知れないんですよね。」でインスピレーション。
長野市松代などの山中に掘られた巨大な地下坑道がありますが、それが日本の国家中枢機能移転のために造られた「松代大本営跡」です。
善光寺平一帯に様々な関連施設が造られ、「一大遷都計画」が進められた場所です。
長野市周辺の須坂市に送信施設、長野市妻女山に受信施設、善光寺温泉及び善白鉄道トンネルに皇族の住居移転などが計画されました。


また陸軍によって、長野市松岡の長野飛行場が拡張工事をされ、長野一帯には日本の首都としての機能が整備されていきました。
舞鶴山地下壕付近の地上部には、天皇御座所・皇后御座所・宮内省(現宮内庁)として予定されていた建物が造られ、政府・日本放送協会・中央電話局など、現在も残っているものがあるそうです。
東條内閣最後の閣議では本土決戦を想定し、長野松代への皇居や大本営、その他の重要政府機関の移転のための施設工事が了承され、海岸から離れた長野松代への「中枢機能移転計画」は本気で進められていたのです。
皇居内の賢所に置かれていた三種の神器は、天皇の動座とともに松代に移される計画であったらしいのですが、昭和天皇は「神器を奉じて帝都を動かず」との考えによって移転には消極的だったようです。
もしも、その時に遷都が行われていたとすれば、日本の敗戦はもっと悲惨な壊滅的なものであったかも知れません。


ところで、なぜ長野松代が遷都先として選定されたかですが、その理由は 、(ウィキペディア参照)
1.本州の陸地では最も幅の広い場所で、近くには長野飛行場があること。
2.岩盤が固いため掘削に適していて、10トン爆弾にも耐えるだけの耐久性があること。
3.広い平野があることと、周辺が山に囲まれて、地下工事をするのに適していること。
4.長野県は労働力が豊かであること。(実際は徴兵によって労働力は豊かではなかったので、学徒勤労動員や国民学校児童まで工事に駆り出されたらしいのですが。)
5.長野県人は心が純朴で、秘密を守ることができること。
6.信州は「神州」に通じるとして、品格を具えていること。
であったようです。
そう言えば、「この松代ご出身の神戸先生も当てはまるなー」と思います。


当然のことながら、国家戦略に関わる極秘工事だったのですが、地元・周辺地域では「大本営と天皇陛下が東京から移ってくる」という噂が広がっていたといいます。
それほどの大規模な工事が行われ、長野電鉄松代駅には列車で大量の物資が輸送されているとなれば、住民の目には明らかだったことでしょう。
その頃の「大本営と天皇陛下が東京から移ってくる」という噂に、夢と希望が持てた人は少ないことでしょう。
政治も経営も、人に「夢と希望」を与えなければ上手くいかないはずです。
是非、皆さんの会社も「夢と希望を創って売る会社」にして頂ければと思います。


そう言えば、松代駅のある長野電鉄屋代線は今年3月で廃線となってしまい、YouTubeで哀愁漂うラストランの映像を観ました。(文末に貼り付けました)
この廃線で「夢と希望を失った」と感じるお年寄りたちは、「大本営と天皇陛下が東京から移ってくる」という敗戦の頃を思い出したのかも知れません。
今回すでに、松代駅や周辺の踏切にはロープが引かれていて、松代駅はさながらローカルバスの巨大なバス停(T社長談:ピッタリの表現だと思いました)になり、とても寂しい光景でした。


9/17に★歴史に学ぶ日本型経営の真髄★に、「孫子」の「勝つか負けるかの戦いの五つの基本条件」=『五事』について書きましたが、次回書くと言っていた「敵との比較七条件」=『七計』に辿り着けませんでした。
次回こそ『五事七計』を完成させなければ、、、必ず書きますので、またお知り合いやお取引先などに広めて頂ければ幸いです。


2012.10.02.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

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