先週末は東京・大阪で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのセミナーでした。
連チャンの新幹線往復での仕事は少ししんどいのですが、流石はオープンセミナー、様々な業種・業態の方にお集まりいただきました。
多種多様な企業が集まるということは、経営戦略も営業戦略も顧客も多種多様ということになり、やはり大別して考えると「狩猟型営業」か「農耕型営業」かということになります。
しかし、いずれにせよ絶対条件としては、『ハイレベルな業務知識・商品知識』を持っているかということになります。
お客様の第一印象で「この人、解っていない!」となれば、イコール「この人、役に立たない!」「この人と話すのは、時間の無駄!」ということになり、信頼関係構築の土台が築けません。
以前にも書いた気がしますが、ハイレベルな『業務知識・商品知識』を磨き上げながら、「身も心も清潔を保つ」「こちらが得るべき情報・お客様に提供すべき情報にこだわりを持つ」「声・挨拶をしっかり・はっきりと、滑舌よく話す」「迅速な行動・機敏な身のこなしを見せる」というファクターをブラッシュアップしていかなければなりません。
一口で『ハイレベルな業務知識・商品知識を磨き上げる』といっても、業種・分野によっては幅も深さもあります。
例えば石油系の原材料を使う業種であれば、「石油から精製した○○を使用しています」では普通レベルだし、お客様も「そんなことは知っているよ」と、何の驚きもありません。
「私どもの原材料は石油系の○○だということは、ご存知の通りですが、価格変動について少しご説明すると、99.7%を輸入に頼る日本の場合、、、、」
「WTIと言われるウェスト・テキサス・インターミディエイトは、、、、イギリスのブレント原油は、、、、ドバイ・オマーン原油のスポット価格、これらが世界3大指標でして、、、、」
「1973年、第四次中東戦争により第一次オイルショック。原油価格は一気に上昇し、この時点で日本の経済はマイナス成長となり、狂乱物価と言われるほどの物価上昇、そして右肩上がり経済と呼ばれた時代が終焉、、、、1978年にはイラン革命によって、第二次オイルショック、、、、」
「国際石油取引での単位はバレルですが、正確に1バレルは158.987294928リットルというとても端数だらけのものです。バレルの語源は樽なのですが、42ガロンの樽に入れて運んだ時に少しこぼれた分が端数になってしまったという話を、以前本で読んだことがあります。」
「サウジアラビアとの取引価格は国営企業サウジアラムコが決定し、取引先に通告するという形態ですが、この制度をコントラクト・プライスと言いまして輸入先と交わす契約価格は、実はサウジアラムコからの通告で決まっているから、交渉の余地なしなのです。」
並べればキリがないほど、『ハイレベルな業務知識・商品知識』の世界は深くて広いものです。
雑学の領域になるモノも、お客様との話題・話材には有効になることも多いものです。
ただし、相手の状況や空気も読めずにまくし立てていたら、逆効果にしかならないものですから注意が必要ですが、、、。
そういえばセミナーに、米穀・食品・飼料などの卸会社からも5人の方が来て頂いていましたが、研修中のインタラクティブなやり取りの中での話。
「先生、うちにはカロリー25%カットのご飯がありますよ。」
「それって、マ○○ン何とかって、こんにゃくで作ったのを混ぜてんでしょう?!」
「違いますよー。特許技術でコメのデンプン構造を変化させて、レジスタントスターチを改質してカロリー25%カットを実現しているんですよ。」
「し、知らなかった、、、。」
「レジスタントスターチってのは、なかなかの優れもので、過剰な糖の吸収を抑えながら少しずつ吸収するため、食後血糖値も急には上がらないし、しかもビフィズス菌が育つ環境も整え、腹持ちがいいからダイエット中の方にも最適!」
「お、凄い!近々買って食べてみるよー。!」
先程登場したのはジャスダック上場のK社ですが、カロリー25%カットの話をしてくれた山本さんから今日現物が届きました。
楽しみです。早速、試してみたいと思います。
旨いのに体に良くて、毎食のカロリー25%カット、、、素敵です。
そういえば、昨日もジャスダック上場のR社の営業本部研修だったのですが、経営計画書とビジョン・方針とその最重要事項に絞り込んでいく形で研修を進めました。
正に「筋書きのないドラマ」、いや「筋書きは書いたが、筋書き通りには進めずに、戦略性とプライオリティにとことんこだわったスタイル」です。
この手法は企業内研修でしかできませんが、とても実務に踏み込んで掘り下げていくので、業績向上効果の予感は大変強くなります。
ちょうど創業25周年になる年でもあるし、このアニバーサリーを「全社一丸のお祭りにして、もっと大きく飛躍させていこう!」と、昨日は大盛り上がりでした。
研修後に幹部たちと食べたジンギスカンが、また凄く美味しかったです。
何だか本日はご馳走ネタでしたが、昨日の受講者のKさんに「あなたは何のために頑張ってんだ?!」と聞くと、彼女は迷わず「毎日充実した仕事をして、旨いお酒が飲みたいからです!」と答えました。
そう、まずはセルフ・モチベートのファクターが何であろうといいのです。
「何か」のために頑張っていることが、目的・目標を効果的・効率的に達成するための「意識」となり、スキルもモチベーションも前進していくのです。
そうすれば放っておいても、『ハイレベルな業務知識・商品知識』の世界に入りたくなるものだと思います。
Kさん、今日も旨いお酒を飲んでください。
2012.8.28. ビジネススキル研究所 鶴田 慎一 拝