ビジネススキル研究所公式ブログ

株式会社ビジネススキル研究所公式ブログ。鶴田 慎一 主宰。営業研修/ビジネス講演/社員教育/社員研修/方針発表会/各種講演に関する最新情報など。営業マインド強化合宿の情報も。公式Facebook

2012年04月

『 シナジー(Synergy=相乗効果)の極大化 』

昨日、姫路での講演を終えて、帰りの新幹線の中でスーツの上着を脱いだら、裏地に塩をふいていました。

もはやこの時期、スーツはスポーツウエアか、、、もうクールビズに突入しようと考えています。

日本経済のためにも、徹底的に「エコロジー」と「電力不足」に向き合いましょう。



ところで姫路と言えば皆さんご存知の通り、その美しさから白鷺城とも呼ばれる世界遺産の姫路城。

今は大天守保存修理工事のため、周りをすっぽりと覆われて、遠景には巨大な工場か何かの処理施設のように見えます。

私は改修工事が始まる前に見ておこうと、数年前にゆっくりと時間をかけて見学しました。

で、今は内部に姫路城大天守修理見学施設「天空の白鷺」(てんくうのしらさぎ)という見学スペースができていて、修理の様子が公開されているそうです。


タイミングが合えば、漆喰壁の修理の様子や屋根瓦のふき直しの様子など匠の技を間近に見ることもでき、昭和の大修理の際に発見された古瓦や珍しい部材等の展示もあるようです。

「修理の間は観ることができない」となればネガティブ・ファクターですが、「修理の間だけ観れるものがいろいろある」から、これはもうポジティブ・ファクターなのです。

また是非とも工事が終わるまでに、観ておかなければ。



一昨日はせっかくの姫路なので、あのB級グルメの「姫路おでん」を食べました。

おでんを「生姜醤油(しょうがじょうゆ)」で食べるのが「姫路おでん」ですが、関西のあっさり系の出汁も旨く生姜にもよく合うもので、未知のおでんの食し方を堪能できました。

おでんを生姜醤油で食べるというのは、姫路や加古川・相生あたりでは一般的な食べ方だったらしく、特段の名前もない「おでん」だったのを、近年になって食で町おこしをと「姫路おでん」と命名されたようです。


これも立派なブランディング戦略の一つと言えるでしょうが、「もっといろいろなシナジー(Synergy=相乗効果)が考えられるよなー」と、つぶやきながら食べていたのは職業病ですね。


シナジーを考えるとは、経営戦略上ではS.B.U.(Strategic Business Unit=戦略的事業単位)と、ヒト・モノ・カネ・情報・のれんなどの経営資源をどう有効に結び付けて相乗効果を生み出すかということです。

地域経済全体を見渡してのマーケティングとして捉えてみると、まだまだ随分と効果の出し方がありそうです。



ところで、最近はどこのお店でも、「割り箸」が「プラスチック箸」に代わっていることが多くなりました。

そのお店でもやはりプラスチック箸で、「エコロジー、大いに結構!」でしたが、ふと楊枝立てを見ると「プラスチック楊枝」になっていました。

「これも洗って使うのか?!それとも単純にこちらの方が安いのか?!」としばし考えて、何となく楊枝は使わないという選択になりました。

この「何となく」というイメージは、「お店の都合」ではなく「お客様のハート」から考えなければ、わからないことでしょう。


「コスト・パフォーマンス」を重視するか、「顧客に与えるイメージ」を重視するか、いかに「シナジーの極大化」を戦略課題と捉えるかというのも、一考の余地ありですね。


前回のお役立ち情報にも書きましたが、プロポーザル(提案)のポイントとしてもこれらのことを踏まえることが大切です。

競争入札とは違い、プロポーザル方式は発注者が「優れた提案者に対して発注する」というものですから、「シナジーの極大化」を戦略課題と捉えて、「コスト・パフォーマンス」・「イメージ効果」もまた「重要なシナジー」の要素と考えるべきでしょう。

あなたの会社では、「売りたい商品・製品・サービス」などの「ベネフィット(利点)」を売り込むことだけに偏った「プロポーザル」になっていませんか?

「ベネフィット(利点)」が重要なのは言うまでもありませんが、「シナジーを極大化するプロポーザル」こそ、重要な経営戦略課題です。



2012.4.26.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

『被災地を視察して』

先日の新着お役立ち情報に書きました通り、先週末に東日本大震災の被災地視察に行ってまいりました。

内陸の花巻温泉に宿泊したのですが、内陸部は地震の被害は多少あったようですが、やはり今回の三陸大津波に襲われた沿岸部は壊滅的状況でした。


早朝、陸前高田市に向かいましたが、津波は気仙川の河口から数キロも上流まで襲った痕跡が川の周辺に見られました。


「こんなに上流まで遡ってあふれ出たのか」と、テレビの画面では感じ取れない遡上高38.9mという津波の大きさを実感させられました。



そして、いよいよ陸前高田の中心部に着き、瓦礫は撤去されてはいるものの、陸前高田駅前ロータリーに立って只々絶句。


四方に手を合わせて祈りを捧げることしかできませんでした。


道がロータリーの形をしているから、駅前だと判るのですが、360度見渡す限りの荒野に廃屋となった市役所や病院が点在しているという、寒々しい光景でした。


陸前高田は84cmの地盤沈下を記録し、一関や釜石は地殻変動によって、3m以上東にずれたそうです。


何もなくなってしまった旧市街を巡り、高田松原に1本だけ残り有名になったあの一本松を見ましたが、枯れていく運命が解っているために、物悲しい光景に見えました。


しかし、岩手県だけでも総延長39.4kmの防潮堤の内、約64%の25.3kmが損壊したという激しい津波に耐えたのですから、被災後にあの一本松に勇気づけられた方も多いでしょう。



この調子で詳細を書き続けると、重苦しい気分にさせてしまうのではないかと思いますので、詳述を控えながら先に進みたいと思います。


陸前高田から大船渡へ向かいましたが、やはり同様に大きな被害で、こちらも駅が基礎だけ残っている状態でした。


しかし、トラックと重機を散見する程度の陸前高田市街に比べて、大船渡では修理や新築工事が始まっている様子も見えました。


巨大なプラントが大被害に遭った太平洋セメントの工場も、瓦礫を燃やしながらの操業をしていました。


釜石も同様でしたが、巨大な防潮堤が根こそぎなぎ倒されているのを見ると、新たに建設する防潮堤は「防ぐ」ということから「凌(しの)ぐ」というコンセプトに代わる必要があるのかも知れません。



国は一年以上経過しても、まだ瓦礫処理の受け入れ先を探して、トラック何台かずつの処理を進めているようですが、私は各被災地に処理施設を造るべきだと思います。


陸前高田の土地を数mかさ上げして、広大なメモリアルパークを造る構想があると聞きますが、「祈りの場」を造ること自体には反対ではありませんが、最新の処理施設を造ってその後の雇用も生み出していくことが、復興のためには重要なことです。


被災前の路線価で国が土地を収用して、まず復興のために必要な施設建設を進めていくことが肝要なのです。


国がこのままもたもたしていると、土地収用に7年も8年も掛かるし、先になるほど障壁も増えてくるはずですから、可及的速やかに土地収用を進めるべきです。



当面は瓦礫処理をはじめとして、ゼネコンの中でも特に海洋土木・港湾施設建築工事を中心とするマリコン(MARINE CONSTRUCTOR)が、海洋土木工事や港湾施設の修復や建築工事などを進めています。


ここで同時に陸上の土木・建築の仕事を一気に始めることで、必ず日本経済の復活に拍車が掛かるはずです。


 
海洋土木は特殊作業船を必要とするため専門性が高く、中小陸上土木会社の参入は困難です。


道路工事はあるものの、本格的な施設建設工事の多くが国土交通省・官公庁の発注によるものですから、より積極的な予算執行を進めるべきです。


しかも、談合防止と称して入札最低価格のガイドラインを示しているため、人手不足による賃金上昇と資材の価格上昇が進み、赤字受注になることが予期されるため競争入札も不調続出です。


瓦礫処理はプロポーザル方式での発注だったため、大幅赤字受注にはならないでしょうが、競争入札方式の場合は安値競争になってしまうため、賃金上昇と資材高騰を加味した発注額を提示すべきです。



永年の不況の影響で建設業従事者はピークから3割減、生コン工場は半分になっています。


生コンは生産工場から需要地までミキサー車で運ぶのですが、移動時間90分以内という制約があるため、被災地区の生コン工場のフル生産能力の把握も踏まえないとなりません。


「頑張ろう東北」のキャッチ・フレーズばかりでは何も変わりません。


しっかり「仕事」と「雇用」を創り出して、被災地の方に「頑張ってもらおう東北人の具体策」を出していきましょう。


2012.4.17  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

『バードビュー(BIRD VIEW)』

東日本大震災から二度目の桜の季節です。

最近の私は散歩がてら満開の夜桜を見るのが日課のようになっていますが、夜は花冷えですから、お花見のご予定の方はくれぐれも暖かくしてお出かけ下さい。

とは言え日中は随分過ごしやすくなり、春本格化を感じるようになりました。



震災後なかなか被災地を訪れる機会がなかったのですが、明日から「陸前高田」「大船渡」「釜石」「大槌」、、、と被災地を廻る予定にしています。

テレビ画面でしか見ていなかった被災現場に立つと、1年以上が経過しているのに復興どころか復旧も遅々として進まない現状に、きっと言葉を失ってしまうような気がします。

しかし、多くの犠牲者や今なお不自由な暮らしを強いられている被災者の方々のため、そして我が日本国経済のために何をすべきなのか、現場に立って私なりにしばし考えてみたいと思っています。



政府が組んだ昨年度の復興予算18兆円の内、まだ半分くらいしか執行されていない現実に、苛立つ被災地の首長や住民の方も多いのは周知の事実です。

「金は出すが、使途は限定する」というケースも多く、未だに融通の利かない行政の上、予算執行コストもかなり高くついているのでしょう。

国会議員も役人ももっと「バードビュー(BIRD VIEW)」で被災地を見渡さなければ、「将来に向けて、今すべきこと」を見落とすのではないでしょうか。


空を飛ぶ鳥が上空からの視線で見るのが「バードビュー」ですが、作図技法やカーナビ技術にも使われているので、そちらの方が見慣れている方も多いのではないでしょうか。

「バードビュー」は鳥瞰図(ちょうかんず)とも言いますが、だんだんこういう難しいボキャブラリーは退化していくのでしょうか。


昔から山などの高い場所から見渡すなどの手段を駆使して、「点ではなく面、空間を広く見る」という「視野も思考も近視眼にならない」ような努力がなされてきたのだと思います。


それにしても、名前に「鳩」がついている元総理がイランに独善外交に行き、与野党双方からの顰蹙を買っていますが、どうも「ピジョン・ビュー」には「ビジョン」がないようです。

どこの組織にも多少なりともいるのでしょうが、「何もしないでくれることが最大のお役立ち」となるタイプの方です。

「元」がつく方々の外交は政府や外務省と綿密な連携を取って、「国益のための外交戦略」に基づいて動くということは、世界の常識なのです。



今ではCG(コンピューター・グラフィックス)・三次元CAD(computer aided design)などによって、技術的にはいとも容易く描けるようになった鳥瞰図ですが、技法よりも大切なのは「バードビューで見ようとする意識」でしょう。

「点の思考」から「線の思考」へ、そして「面の思考」に「高さ・奥行き」を加えて、思考は多角化されていくのだと思います。

さらにそこに「時間軸」を加えることで、「豊かな発想力」につながるのでしょう。

もう少し踏み込むならば、ただ視点を高くするだけではなく、「価値観」「思想」の位置を高くすることを、「クレイン・ビュー(鶴の視点=私の意見)」ということにしたいと思います。

レベルの高い思想や価値観の目で見れば、ビジネスにおいても「顧客」や「社会」への更なるお役立ちが見えてくるはずです。



2012.4.11.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一 拝

初心に返るチャンス

台風より強大な爆弾低気圧が過ぎて、春らしさが増してきた感じがします。


なぜあんなに強烈な低気圧なのに台風と呼ばないんだろう?!と素朴な疑問を抱いていたのですが、南シナ海以南で発生した熱帯低気圧が発達したものを台風と呼ぶのですね。


今回は温帯低気圧が日本海で発達し、しかも巨大化するという普通では考えられないようなことが起こっています。


アメリカのテキサス州ダラスでは同時に12個の巨大トルネードが発生し、大型のトレーラーが空に舞い上るという衝撃的なニュース映像をご覧になった方も多かろうと思います。


ホントに地球全体がおかしくなっているようです。



今回の爆弾低気圧でも、また多くの死傷者が出ています。


もしも「台風並みったって、低気圧なんだから、、」と思って無理をされた方がいたとすれば、気象庁はもっと注意喚起できるように、台風の定義そのものを変える位の検討はしてもいいのではないかとも思います。



今の時期は桜咲く「新入社員のシーズン」ということで、今月は多くの新人研修にアチコチ伺っています。


一昨日は神宮外苑で嵐の中での研修、今日はポカポカ陽気の大橋での研修でした。


ちょうど目黒川沿いの桜が満開で、「おー、よくぞあの嵐に耐えたなー。」と暫し眺めてから事務所に戻りました。


新人研修も「社内研修」と「公開研修」がありますが、一昨日も今日も「公開研修」でしたので、色々な会社や組織から参加していただいています。


この数年特に顕著な傾向を感じるのは、20~30%の方が既に社会経験をお持ちだということです。


入社数年から、10年以上の方や30代の中途採用の方などもいらっしゃいます。


当然、自ら志願して来られる人はほとんどなし。


上司の業務命令に従い、「何で今更、、、」などと足を引きずりながら来ているのです。



今日も「息子が7歳、娘が1歳」という人もいましたが、新人に勝るとも劣らない積極姿勢で受講していました。


毎年感想レポートを読んでいると、

「今更だからこそ、恥ずかしがらずに受けてこいと言った上司の愛が解った。(初めはイジメだと思って、軽くグレたが、、)」


「マンネリ気味だった自分の心を、ニュートラルに戻してくれた大変貴重な機会だった。」


「近日、部下を持つ立場になることを内示されていて、今後の部下指導のための気づきや心、ノウハウも満載だった。」
と、皆さん一様に感激してくれています。



年齢がいくつになっても、4月は「初心に返るチャンス」ですし、皆で「挨拶」「返事」「身だしなみ」「敬語・言葉づかい」「ビジネスマナー」「仕事に向かう姿勢」などの『基本動作再確認』のベスト・シーズンなのです。


新人たちに新人教育を施して、、は言うまでもないのですが、全社を挙げて『基本動作再確認』のベスト・シーズンを活かすのが大切です。



先日来も、ある超優良企業から「グループ社員全員で『基本動作再確認』の研修をやりたい」とのご依頼を頂いています。


トップ経営陣・幹部の皆さんが、今こそ『基本動作再確認のベスト・シーズン』であることに、ハイレベルの認識を持たれているからです。


そして、『基本動作』のレベルアップが業績に直結することも、よく解っていらっしゃるからこそなのです。



また明日から長野に向かいます。


しばし春から冬に戻りますが、帰ってきたらもっと本格化した春を感じられるということですね。


日本中に咲き乱れるソメイヨシノは、江戸時代の植木職人さんの苦労の結晶として生み出された品種です。


接ぎ木で増やされていき、その同一DNAが咲き誇っているのです。


見事な桜の『基本動作』の連鎖です。



2011.4.5.  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝

タグクラウド
QRコード
QRコード
記事検索
  • ライブドアブログ