昨日、姫路での講演を終えて、帰りの新幹線の中でスーツの上着を脱いだら、裏地に塩をふいていました。
もはやこの時期、スーツはスポーツウエアか、、、もうクールビズに突入しようと考えています。
日本経済のためにも、徹底的に「エコロジー」と「電力不足」に向き合いましょう。
ところで姫路と言えば皆さんご存知の通り、その美しさから白鷺城とも呼ばれる世界遺産の姫路城。
今は大天守保存修理工事のため、周りをすっぽりと覆われて、遠景には巨大な工場か何かの処理施設のように見えます。
私は改修工事が始まる前に見ておこうと、数年前にゆっくりと時間をかけて見学しました。
で、今は内部に姫路城大天守修理見学施設「天空の白鷺」(てんくうのしらさぎ)という見学スペースができていて、修理の様子が公開されているそうです。
タイミングが合えば、漆喰壁の修理の様子や屋根瓦のふき直しの様子など匠の技を間近に見ることもでき、昭和の大修理の際に発見された古瓦や珍しい部材等の展示もあるようです。
「修理の間は観ることができない」となればネガティブ・ファクターですが、「修理の間だけ観れるものがいろいろある」から、これはもうポジティブ・ファクターなのです。
また是非とも工事が終わるまでに、観ておかなければ。
一昨日はせっかくの姫路なので、あのB級グルメの「姫路おでん」を食べました。
おでんを「生姜醤油(しょうがじょうゆ)」で食べるのが「姫路おでん」ですが、関西のあっさり系の出汁も旨く生姜にもよく合うもので、未知のおでんの食し方を堪能できました。
おでんを生姜醤油で食べるというのは、姫路や加古川・相生あたりでは一般的な食べ方だったらしく、特段の名前もない「おでん」だったのを、近年になって食で町おこしをと「姫路おでん」と命名されたようです。
これも立派なブランディング戦略の一つと言えるでしょうが、「もっといろいろなシナジー(Synergy=相乗効果)が考えられるよなー」と、つぶやきながら食べていたのは職業病ですね。
シナジーを考えるとは、経営戦略上ではS.B.U.(Strategic Business Unit=戦略的事業単位)と、ヒト・モノ・カネ・情報・のれんなどの経営資源をどう有効に結び付けて相乗効果を生み出すかということです。
地域経済全体を見渡してのマーケティングとして捉えてみると、まだまだ随分と効果の出し方がありそうです。
ところで、最近はどこのお店でも、「割り箸」が「プラスチック箸」に代わっていることが多くなりました。
そのお店でもやはりプラスチック箸で、「エコロジー、大いに結構!」でしたが、ふと楊枝立てを見ると「プラスチック楊枝」になっていました。
「これも洗って使うのか?!それとも単純にこちらの方が安いのか?!」としばし考えて、何となく楊枝は使わないという選択になりました。
この「何となく」というイメージは、「お店の都合」ではなく「お客様のハート」から考えなければ、わからないことでしょう。
「コスト・パフォーマンス」を重視するか、「顧客に与えるイメージ」を重視するか、いかに「シナジーの極大化」を戦略課題と捉えるかというのも、一考の余地ありですね。
前回のお役立ち情報にも書きましたが、プロポーザル(提案)のポイントとしてもこれらのことを踏まえることが大切です。
競争入札とは違い、プロポーザル方式は発注者が「優れた提案者に対して発注する」というものですから、「シナジーの極大化」を戦略課題と捉えて、「コスト・パフォーマンス」・「イメージ効果」もまた「重要なシナジー」の要素と考えるべきでしょう。
あなたの会社では、「売りたい商品・製品・サービス」などの「ベネフィット(利点)」を売り込むことだけに偏った「プロポーザル」になっていませんか?
「ベネフィット(利点)」が重要なのは言うまでもありませんが、「シナジーを極大化するプロポーザル」こそ、重要な経営戦略課題です。
2012.4.26. ビジネススキル研究所 鶴田 慎一 拝