ビジネススキル研究所公式ブログ

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2011年10月

『健全な流動化』

 一昨日、ちょうど1か月ぶりのゴルフに出かけました。

 半袖でも汗ばむほどの陽気で、しかも何と5ホール目までアンダーパーという最高にご機嫌の状態でしたが、やはり上がってみるとベストスコアの更新ならず、、、。



 そんなことを言っている場合ではなく、またしても円高が進み、今朝の段階で1ドルが75円73銭という輸出企業にとっては目を覆いたくなる数字です。


 円高といえばよく「海外旅行に出かける人」が空港でのTVインタビューで、「円高でラッキー!」なんて言ってますが、『行きは良い良い、帰りは恐い』ということで、「円高を満喫して帰国したら、自分の雇用が脅かされていた」なんてことがなければいいのですが、、、。




 1971年アメリカのニクソン大統領がドル流失を防ぐためにドルと金の交換停止を発表したのがニクソン・ショックですが、通貨の多国間調整(金1オンスを35ドルから38ドルへ、1ドル360円から308円に切り上げ)で固定相場制は維持されました。


 この体制も長続きはせず、1973年に日本を含む先進各国は相次いで変動相場制に切り替えました。


 その後も円は上がり続け、私がはじめて海外に出かけた頃のレートは1ドル250円位になっていました。


 40年間で4.8倍という円高圧力・為替リスクに対する日本企業の努力は、凄いものであったと改めて感じます。



 しかし、ギリシャの国家的破綻を契機に大手金融機関のデクシアが破綻し、世界経済が不透明感を増しているため、この円高は「緊急避難措置的な円買い」が中心でしょう。


 とは言え、放っておいていい話ではなくて、70円を切る円高や1ユーロ90円という水準もあり得ることで、世界的金融危機であることは確かですから、適正水準に持っていく努力は必要です。


 自国の力では金融・財政の改善が出来ない可能性のあるヨーロッパの国が、該当する国の英語の頭文字からピッグス諸国と呼ばれているのはご存知の通りです。


 はじめは、ポルトガル(Portugal)、イタリア(Italy)、ギリシャ(Greece)、スペイン(Spain)の頭文字でPIGSでしたが、アイルランド(Ireland) を加えてPIIGS(ピーグス)と言われるようになっています。


 殊にギリシャの現状(惨状)は毎日報道されていますが、「国内労働者の4分の1が公務員という異常な構成で、国民全体が買い物や飲食で税を払わない脱税天国」となっていたのですから、今日の事態は確実に予測していたはずです。




 洋の東西を問わず、課題を先延ばしにしたり、「国家の利益」より「個人や党や派閥の利益」に腐心してきた政治家や識者の罪は大きいですね。


 また、国民もその反省に立って考えれば、暴動を繰り返すより「国家のリストラクチャリング(再構築)」に早く踏み出さないと、正常化の日が遅れるばかりです。


 しんどい時ほど明日を見なければならないというのは、先日の「小林虎三郎」で書いた通りです。




 日本のTPP参加の議論は賛否両論真っ二つという感じで、キーワードは『既得権益』であろうと思います。


 誰しも『既に得ている権益』を手放したくはないし、「利害不一致」となるのは至極当然のことです。


 農林水産業においても、これまでの保護政策から「健全な流動化」ということを真剣に考える必要があると思います。


 流動化させるといっても「誰かのモノを奪い取って流通させる」のではなくて、「使いこなせていないモノが、使いこなせる人の元へ適正価格(or 適正賃料)で移動する」ということでしょう。




 例えば日本の食糧自給率を例にとってみると、算出法は「重量ベース」「カロリーベース」「金額ベース」がありますが、通常はカロリーベース総合食料自給率で発表され、最新値(平成22年度農水省概算値)で39%です。


 先進国比較では、アメリカ124%、フランス111%、ドイツ80%、イギリス65%となっており、我が国の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中で最低の水準です。


 穀物自給率に至っては、日本は28%で、アメリカやOECD(経済協力開発機構)に加盟しているヨーロッパ諸国などの先進国30カ国の中で低い方から3番目です。


 また、一番高い国はオーストラリア(198%)で、次がフランス(186%)、3番目がハンガリー(140%)で、自給率が低い国はアイスランド(0%)、次にオランダ(25%)で、日本は低い方から3番目なのです。


 日本のカロリーベースの食料自給率は、昭和40年度には73%の水準にあったのですが、そこから労働者の第一次産業離れが進み、食料自給率は低下の一途をたどっています。


 金額ベースの場合は、生産額ベース総合食料自給率といい、最新値(平成22年度農水省概算値)で69%ですから、「意外と高いじゃないか」とお感じになる方も多いと思いますが、「野菜やくだものなどの、金額が高くてカロリーが低い農産物の生産は盛ん」と読み取ることができるでしょう。




 製造業の空洞化が加速していますが、「値段が安くて、価格競争の激しいものは海外生産」「技術力・競争力・付加価値の大きいものは国内生産」というように、傾向的には農産物も工業生産も似通ったことになるでしょう。


 雇用の流動化も内容は様々で、派遣労働の拡充や請負の増大、正社員の解雇権濫用法理の緩和等、環境変化によって産業構造も雇用の形も様変わりしています。


 非正規労働者の人の「無権利状態」や、「派遣切り」「雇い止め」などの問題も無差別殺人などでクローズアップされてきましたが、まずは自分自身の「働く意思」「頑張る意思」が大事です。




 例えば、オイルマネーで潤い「社会保障」も充実している産油国では、このところNEET問題が大きくなっています。


 「働けるのに働かない」という労働意欲の問題、「そんな3Kの仕事は嫌だ」と贅沢を言い、「自分がやりたいのはこんなカッコいい仕事だ」というスキルもないのにできない仕事ばかりに憧れるというケースも多いようです。


 「比較的に楽をして育ち、食うに困ったこともなく、ハングリー精神もなく」となれば、そうなってしまう人間は多いのかも知れません。


 「社会保障」とは、失業などの事態から労働者を救う仕組みですが、それを強化しすぎると労働意欲の低下が起き、社会システムの衰退を招く恐れもあるでしょう。


 アメリカのように「雇用流動化」が進み過ぎてしまうと、好不況の波が露骨に失業者激増ということにつながってしまうという問題があります。



 あらゆるカテゴリーでの「健全な流動化」とは、確かに難しいテーマではありますが、それを避けていては「明日の健全な社会システム」を創ることができないでしょう。


 「明るい未来の日本を創るための健全な流動化」、一緒に考えてみませんか?



2011.10.26  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


経営戦略策定・マーケティング戦略強化・営業研修・営業セミナー・ビジネススキル研修など、貴社の競争力強化のご指導をいたします。お気軽にお問い合わせください。

≪指示待ち人間を増やさない!≫

自分のホームページのアクセス解析をしていると、いろいろな傾向がわかってきますね。


私のことを検索いただいた方で、検索キーワードが<人財・人材・人在・人罪・人災>なんて変わり種も。

時々講演で話していることも、検索キーワードになるのですね。


本当に多種多様なキーワードで検索されていることがよく解ります。



ご覧になっている時間帯は、24時間のほとんどの時間帯でご覧になっている方がいらっしゃいます。


詳しく見てみると、「イタリア」「カナダ」「オランダ」「タイ」「香港」、、、、時差なんですね。


やはりビジネス・パーソンが多いので、朝の出勤後の8時台と夕方仕事に一区切りついたところで17時台・18時台に読んでいただく方が多いようです。


先日も書きましたSMO(ソーシャル・メディア・オプティミゼーション)の効果というのはなかなか凄くて、「ストロング・マネジメント」や「スキルABC」などはリリース直後に検索上位ヒットになっていました。

まして、検索ヒット数297万件の中で2位になっているのには驚きました。


やはりアナログで勉強して、デジタルやバーチャルのツールを使いこなすというのが必要な時代です。



ところで、今月の初めに、みずほ総合研究所さんの「FORUM-M」という会員組織の情報誌Management Flashに、概ね下記内容の原稿を寄稿しました。


題して、『指示待ち人間を増やさない!営業利益を生み出す「黒字社員」のつくり方』です。


ついでと言っては何ですが、11/8(火)航空会館(東京)でセミナーも開催されます。


もうかなりお集まりのようですが、まだもう少しだけ入れるようですので、宜しければご参加・ご派遣をお願い致します。


≪≪≪


■ 「売り上げ達成」がゴールではない


営業担当者の中には、「売り上げ目標さえ達成すればいい」と考える社員が多く、ましてや営業担当以外の職種であれば、売り上げへの意識が薄い社員も目に付く。


たとえ意識があったとしても、売り上げから原価を引いた粗利益(売上総利益)が「儲け」、つまり「粗利益を稼げば儲かった」と考える社員は多い。


オイル・ショックとともに終焉を迎えた高度経済成長期であれば、売上高が増えると規模が拡大し、利益を上げることができた。


しかし、経済の成熟化・デフレ・少子超高齢社会・人口減少など外部環境が厳しい現代では、売上増が利益に直結しないことも多い。


こうした状況下で、本来社員が念頭に置くべきなのは、粗利益から経費(販管費)を引いた「営業利益」である。


私は二十数年間、多くの企業の社員教育に携わっているが、営業利益に責任を持つことに、驚くほど自覚がない社員が目立つ。


営業利益確保のために、経営者や幹部から経費節減の指令が出ると、「世知辛い世の中になった」などとこぼす管理職もいるほどだ。



■ 「怒られるから」やるのではダメ


ある会社の会議で、業績資料の目標達成率を見て社長が激怒した。


「交際費はふんだんに使って、売り上げも利益も大幅未達だと?!お前ら何を考えているんだ!」と一喝したのである。


実際、115%という達成率を果たした項目は交際費のみで、その他全ての項目が目標未達成だった。

しかし、驚くべきことに、翌月の会議では交際費の欄が0円になっていた。


しかも、誰もそのことに触れない。


怒られた社員は、短絡的に「社長が本気で怒っている。もう経費は一切使えない。」という「根拠を間違えた節約モード」に突入したのである。


営業利益捻出のための経費削減という手段は、誤った認識で「目的化」され、社員は思考を停止してしまった。


これは、「赤字社員」の典型である。


節約の根拠を「社長が怒ったから」「上司の指示だから」とし、一時的な現象として受け止めてしまう。


そんな理由は正しい根拠である訳がない。


一方、「黒字社員」は、営業利益確保に強く責任を持ち、売り上げの向上はもちろん、「さらに効果的なやり方」「経費の費用対効果」などに考えを巡らせている。


重要なのは効果の追求であり、効率の追求は次の課題だ、と正しく認識している。


例えば、前述の会社で、交際費を10 万円使って顧客に宴席を設けていたとする。


それを1万円の昼食に替えれば、経費は90%節減できる。


昼食は基本的に誰もが自腹で、毎日食べる。


顧客にとっても、ロスタイムを活用して商談ができるのであれば、時間の無駄がなく歓迎されるかもしれない。


これが、「黒字社員」の対処法の一例である。



■ 自分の頭で考える「黒字社員」を増やそう


漠然と働くだけの「赤字社員」を減らし、自分の頭で考えて働く「黒字社員」を増やさなければ、会社の中が指示待ち人間だらけになってしまう。


そう、「行動力」とは「考働力」と書く方がいい。


営業外収支を加減した「経常利益」も、最終の「税引き後当期利益」も、経営幹部にとっての重大な責任である。


会社の総力を結集して業績向上を果たすためには、自分の頭をフルに使って考えて考働し、「営業利益」を稼ぎ出す社員の育成に力を入れるべきである。


(執筆:ビジネススキル研究所 代表 鶴田慎一)   ≫≫≫



「営業利益」を稼ぎ出すことに責任を持てば、売上は当然のこととして、あらゆる経費に「目も気もいく」社員になるのですよね。


 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 


 “稼ぐ社員”になる!若手社員の早期戦力化=実践セミナー


● 日 時:11 月8日(火)10:00~17:00


● 会場:航空会館(東京)


● 講 師:ビジネススキル研究所 代表 鶴田慎一


● 主催:みずほ総合研究所




日程が合わない方や社内での実施をご希望の方は、ご連絡頂ければ幸いです。


2011.10.21  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


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「象門の二虎」 小林虎三郎

 先日の新着お役立ち情報「毛利敬親と吉田松陰 (2011/10/04)」で、『吉田松陰が江戸に出て、佐久間象山に学び、その優秀さ故に「象門の二虎」と呼ばれ、もう一人の「虎」は、「米百俵」で有名な小林虎三郎です。(小林については、またそのうちに書きたいと思います。)』と書きました。

 兵学や砲学・洋学で有名な佐久間象山は信州松代藩士で、江戸神田に象山書院を興し、佐久間象山門下即ち「象門」では多くの弟子たちがその思想に多大な影響を受けました。


 吉田寅次郎(吉田松陰)・小林虎三郎は、師の佐久間象山に「天下・国家の政治を行う者は吉田であるが、わが子を託して教育してもらう者は小林のみである」と言わせるほどの逸材で、「象門の二虎」と言われたのです。


 二虎をはじめ、他に勝海舟・坂本竜馬などの幕末・明治維新の立役者たちの多くが、象門に名を連ねていました。


 ドラマや小説で「勝海舟を斬りに行った坂本竜馬が、勝の見識に触れ、その場で弟子になった」というシーンもありましたが、すでに2人とも象山門下生であったことを考えると、どうも史実とは違うような気がしますね。



 さて、そこで今日は小林虎三郎について書いておきたいと思います。


 小林虎三郎は戊辰戦争で敗れた長岡藩の大参事(幕藩体制での家老に相当、現在の副知事相当)で、小泉純一郎総理が所信表明演説で小林の「米百俵」の話を引用したことでも知られています。


 戊辰戦争で敗れた長岡藩は七万四千石から二万四千石に収入が6割カットされ、財政は窮乏し苦境に立たされていました。


 藩士たちは極貧に喘ぎ、その日の食にもありつけず、飢えと闘う日々を送っていたのですが、その窮状を見かねた長岡藩の支藩三根山藩から百俵の米が贈られることとなりました。


 言わば親戚筋からの見舞い・救援物資として、百俵の米が贈られたのです。


 藩士たちは「これで飢えが凌げ、少し生活が楽になる」とホッとしたのですが、喜びも束の間、藩の大参事小林虎三郎は贈られた米を藩士に分け与えずに、売却して学校設立・設備費用とすることを決定しました。


 藩士たちはこの通達に驚き、小林虎三郎のもとへ押しかけ猛反発・猛抗議しました。



 ちょっとこの辺でドラマ仕立てにすると、


 虎三郎は、
「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となるのじゃ。国が興るのも、町が栄えるのも、ことごとく人にある。赤貧を恐れず、不遇に甘んじ、今に迷わず、その意志を貫く!一時の飢えを癒すより、明日の国の発展のため、人材を輩出する学校を創るのじゃ。」
と藩士たちを諌めます。


 当然、血気にはやる(と言うか、空腹に耐えられない)藩士たちは、
「おのれ戯けた上司め、戯言を申されるか。この場で斬り殺してでも米は頂くぞ。」
と殺気立ちます。


 すかさず小林は、掛け軸に記された「四文字の家訓」を差して、
「うぬらは、よもや我が長岡藩のこの家訓を忘れたのか!」と一喝。


 そこには「常在戦場」(常に戦場にあり)と書かれている。


 小林は間髪入れずに、
「御当家の家訓は、いかなる緊急事態にもたじろぐことなく、常に戦場にいるような危機感・緊張感・使命感を持ち続けろということではなかったのか!」と続けた。


 藩士たちはその場に泣き崩れ、
「うぅぅぅ、、お国の再建のために、、、今一度、、耐えてみまするぅぅぅ、、」
と、耐える決意をする。


と、そんな感じでしょうか。



 即ち強烈な危機感・緊張感・使命感を持って、『崖っ淵の論理』・『プライオリティー(優先順位)の鉄則』を忘れず、『小事に惑わされず、今やるべき最重要の課題に取組め』ということです。


 この百俵の米の売却金で作られたのが「国漢学校」であり、一定の学力に達していれば庶民にも入学が許可されたそうです。


 国漢学校は、現在の長岡市立阪之上小学校、新潟県立長岡高等学校の前身であるそうで、後に山本五十六などの人材も輩出しています。


 将来の利益のために今を耐え抜き、辛抱の末に大きな大義を果たすということの象徴的な物語です。


 幹部の小林虎三郎には、この思想が骨の髄まで染み込んでいたからこそ命がけのリーダーシップがとれたということでしょう。



 会社においても、社是・社訓・経営理念・経営方針に対して、幹部が揺るぎ無い信念をもって邁進していれば、その凄さは強烈な指導力としてクローズアップされていきます。


 重要課題に対するエネルギーの集中・統合のためには、「理念・思想で束ねる」ということが絶対要件であり、幹部・管理職の命がけのリーダーシップが、全社一丸体制を創るための必須条件です。


 組織がピンチや正念場、時代の転換期にある時には、特に幹部・管理職の「理念・思想レベル」「揺るぎ無い信念」が問われるのです。


 幹部・管理職であろうがなかろうが、その組織のキーパーソンでありたいのなら、今一度経営理念・経営方針の強烈な刷り込みをして頂きたいと思います。




2011.10.19  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


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<悲観的準備を整える>

 長い出張から帰ってきました。

クタクタなれども、多くの前向きな受講者の方々との触れ合いで充実感一杯です。


 滞在していた定宿のホテルの部屋はそこそこ広く、ベッドはキングサイズでなかなか快適だったのですが、昼夜を問わず仕事が続くために、「課題は『脳みその休息』だなー」という感じです。



 新大阪の駅構内ではアチコチ雨漏りがしていて、パイロンに囲まれてバケツやコンテナが置かれ、何だか少しがっかりな気分も味わいました。


 それほど強い雨だったのか、上が工事中なのか、はたまた、、、と考えながら、でも日本の土木・建築技術は世界最高水準なのですから、何とかしてほしいなーと。



 帰りの新幹線の中で雑誌のWEDGE10月号を読んでいて、ひとしきりうなずける記事がありました。


 それは米国海軍大学准教授の論文ですが、軍備増強を続ける中国の戦略を専門的見地から分析したものです。


 日本人の平和ボケが言われて久しい中、やはり私たちが知らないですまされないことは、「北朝鮮と韓国は未だに休戦中」ということと、「中国が台湾の領有をはじめとして尖閣諸島、東南アジア諸国との領土・領海問題で極めてオフェンシブな体制を取っている」ということです。


 政治的にも経済的にも対中関係は好転してきているとは言え、ミリタリー・バランスを踏まえて非常時に備えることは、残念ながら全世界の平和が実現するまでは、まだまだ必要なことでしょう。



 1951年に日米安全保障条約が締結されてから60年になるのですが、アメリカ軍をアジアから遠ざけたい中国や北朝鮮が、日本全土の米軍基地を無力化するためのミサイル配備を激増させているのはもはや事実なのです。


 中国のミサイル・北朝鮮のミサイルによって日本全土が「ターゲット・ロック・オン」の状態にあるのですが、目の前で武器をチラつかされている状態ではないので、そんな実感をお持ちの方は少ないでしょう。


 何だか軍事レポートみたいになりましたが、日本の軍備増強や核配備などを訴えたいのではなく、有事のディフェンスは必要最低限以上のレベル確保が必要だと思うのです。



 日本国内の基地・港湾・空港、燃料貯蔵庫や弾薬庫などの攻撃耐性は非常に弱いと言われています。


 震災などの大災害なども同様ですが、「きっと起きないだろう」という想定では「想定外の大きな被害や犠牲」が出てしまいます。


 私の口癖ですが、『悲観的準備を整えた者だけに楽観的行動が許される』ということではないでしょうか。

有事・災害、経営においても全く同様で、「顧客に提案するプランがフィットしない時には、このアイデアをぶつけてみよう」と想定することも、やっている人とやらない人の差は歴然です。



 冒頭に書いた通り、日本の土木・建築技術は世界最高水準なのですから、ミサイル耐性の強い地下の防衛インフラ整備もやっておかなければならないと思います。


 バブルの頃には「ジオ・フロント開発」などと言って、地価があまりに高くなったため地上権の及ばない大深度地下開発というのが話題にもなりました。


 大深度の地下に街をつくってしまおうという構想です。


 先日から時々話題にさせて頂いた奥村組さんをはじめ、日本にはそれを実現させる技術と能力は充分にあるのですから、国の予算が少し淋しい中ではありますが、大真面目に「ジオ・ディフェンス計画」を考える必要を感じます。


 それが「戦略的」= 「目先のことよりも将来に対して最も良い作戦を立てる」ということだと思います。



2011.10.17  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


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≪ビジネスの必須スキルABC≫

 デクシア破綻のニュースが駆け巡っています。これは遠いヨーロッパでの出来事などと思ってはいけません。

 ピッグス諸国の国家的破綻から、金融破たんなど大きな連鎖反応を起こす可能性がありますので、是非細心の注意を払っていただきたいと思います。

 世界恐慌の幕開けにならないことを祈るばかりです。



 さて、「味覚の秋」をはじめ「読書の秋」「スポーツの秋」など、秋を例えるものには「厳しい夏も乗り切ったぞ。さあ、前向きに頑張ろう。」というのが多いですね。

 「天高く馬肥える秋」より、「いよいよ皇賞!配当の走り、財布える!」の方がピンとくる人もいるかも。

 「天」「高」「馬」「肥」「秋」の5点ヒットで、WIN5達成!(悪乗りが過ぎました、、、)

 ということで時に冬のように冷え込んだり、急に残暑に戻ったりしながらも、だんだん本格的に秋が深まっていきますね。

 昨日が「寒露」、渡り鳥が越冬のためにやってきて、菊の花が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などの虫もそろそろ鳴き止む、「冬の入口に立つ」という季節感ですね。



 そういえば9月21日の「お役立ち情報」に書いた『長宗我部』ですが、後日談です。

 すぐに長宗我部友親氏に連絡をしたのですが、レスポンス(反応・応答)速度が凄く早くて、すぐにお返事を頂きまして、その後何往復かのやり取りをしました。

 近いうちにお会いして、お話が出来そうなので楽しみです。



 常々感じることですが、「仕事ができる人はレスポンスが早い」ですね。

 「本当に仕事ができる」ようになる前に、レスポンス速度をもっと上げて、せめて「仕事ができそうな人のイメージ」だけは創っておくのも仕事人としては必要なことではないでしょうか。

 第一印象で相手に期待すら持たせないようでは、ビジネスの入口を通れないわけですから。


 ところで、いつもこの「新着お役立ち情報」を書くたびに、いろいろな方にメールでご案内しているのですが、ある大学教授の先生は大体いつも送信から1時間以内にメールを頂きます。

 私よりはるかに多忙で、国内・海外問わずいつも駆け回っていらっしゃるのに、本当に凄いですね。

 ほんの短いメールで、「いつもありがとうございます。体に気を付けて頑張ってくださいね。」という感じのお返事ですが、これが「できる人」「できない人」の大きな差だと思います。




 残念なことに逆のケースも多く、例えば私に頂いた問い合わせに対してすぐにお答えしても、その後は「なしの礫(つぶて)」で、業を煮やしてこちらから連絡するということも多々あります。

 新人や若手の研修では、「定番商品」とも言える『ホウレンソウ強化』ですが、対上司以上に大事なのは「対顧客ホウレンソウ」「対外的ホウレンソウ」です。

 『ホウレンソウ』がマズイために、まとまりかけていた受注を逃したり、あと一息のところで新規開拓に失敗している人がたくさんいます。


 タイムリー・コミュニケーション
は、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)において非常に重要なポイントになります。

 顧客との良好な関係づくりを継続して、そのプロセスや結果としての売上増や利益増を果たしていくマーケティング手法がCRMです。

 「このタイミングでこういう接触が必要」という、顧客とのタイムリー且つ良好な関係づくりに手を抜いていては、厳しい時代に業績向上など望めない話なのです。

 社員に「CRMの重要性についての自覚が足りない」とすれば、喫緊の経営課題であり、社員教育の超重要テーマとして取り組む必要があります。




「KYな人」

「上司にいつも同じ指摘を受けている人」


「言い訳ばかりで真因を考えない人」


「まだ定年までに何年もあるのに、『後は若手に任せて』という口癖の人」


考えれば、限りなく「自覚が足りない人」が浮かんできます。


 「あ、ウチにもいるいる」という前に、常にセルフチェックをしている人が『自覚』できる人なのです。


 難しいハイレベルなスキルの前に、≪必須スキルABC≫です。

A
 --- 当たり前のことを


B
 --- バカにしないで


C
 --- ちゃんとやる


 『基本を大切にする「姿勢」と「自覚」』が大切なのです。


 今日お客様に何か課題・宿題を頂いたとしたら、ふつうは「社内で協議しますので、少しお時間を下さい」と言い残して、数日が過ぎた後に「検討の結果、こうなりました」と連絡する人が多いと思います。

 すると、お客様から「あ、もういいよ。○○会社に頼んだから」と言われ、「くそっ、何だよー。」と臍(ほぞ)を噛んだ経験はありませんか?!

 こんなことを他責(お客様のせい)にしていたら、「できる人」への道が遠ざかっていきます。

 「できる人」はあらゆることを他人のせいにしない「自責人間」なのです。


『 本日はお忙しいところ、お時間を頂きましてありがとうございました。

○○の件、早速上司に報告致しましたが、今週中には社内での最終検討結果を出せると思います。

必要に応じて随時、中間報告やご相談をさせて頂きますので、もう少々お時間を賜ります様よろしくお願い申し上げます。

来週早々にご報告に上がりたいと思いますので、○日の午後○時か○時あたりではご都合いかがでしょうか?

所要時間は30分か40分いただければ結構です。

今後も○○樣のお役に立てるよう努力してまいりますので、ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。 』


 こんな文章を書くのにどれほどの時間、何キロカロリーのエネルギーが必要でしょうか。

 ≪必須スキルABC≫を実践し続けることで、スキルレベルはどんどん上がっていきます。


 答えは明確!「やればできる」のに、「やらないからできない」のです。

 もっと言えば「やれば仕事が楽になる」のに、「やらないから仕事が苦痛」ということも多いのです。



2011.10.10  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一  拝


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「SMO(ソーシャル・メディア・オプティミゼーション)」と「レコメンド機能」

 最近、歴史シリーズのような「新着お役立ち情報」ですが、『愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ』という言葉のように、歴史に学ぶ価値は非常に大きいものがあります。

 歴史についてはまだまだ書き足りないと思っていますので、お楽しみに。



 あ、そう言えば、、先日知り合いから「HPの改行位置が悪く、読みにくい」と指摘されたのですが、これはSMO(ソーシャル・メディア・オプティミゼーション)の影響ですので、しばし我慢を頂きたいと思います。

 SMOとは簡単に言えば、この「新着お役立ち情報」を書き込んでリリースした瞬間に、「HP」はもちろんのこと、即座に「Twitter」「facebook」「livedoor Blog」「mixi」などのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)と一斉に連動したり、投稿する情報や投稿先を最適化するようにしているということで、興味やニーズのある方の元へどんどんつながっていく仕組みです。

 あるいは配信した情報を元にして、マーケティング・データや顧客情報の収集ツールとして利用することも可能です。

 「結構な経費を掛けて作ったHPはあるが、検索しても上位にヒットせず、誰も来てくれなくて」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

 私にしても、スケジュールの合間にせっせと「新着お役立ち情報」を書いて、誰も読んでくれないとしたらただのマスターベーションで、ヤル気なんか失せてしまいます。

 だから、「誰かが来るのを待っているだけのHP」ではなくて、「こちらから積極的につながっていくHP」にチューンアップしているのです。


 ところで今日は皆様にHP活性化をビジュアルにご認識頂くために、私のHPに「Recommend機能」を付けたというお話をしたいのですが、実はRecommend機能も「Navigatorの機能」の一部として組み込まれているものです。

 Recommendというのは「推奨する」「強くお勧めする」という意味です。

 まずは簡単にそのRecommend機能の持つベーシック・バリュー(基本価値)について、お知らせしたいと思います。

 何人かの友人から「そんなネタを色々バラしたら、マズイでしょ」と言われましたが、私のHPのミッション(使命)は「私利私欲に非ず」「ご縁ある方々に更にビジネススキルをアップして頂くための啓蒙にある」と、少々格好をつけてしまいました、、。

 ですから、何でもオープンにしていきたいと思います。(知っている、解っている、やっているという人にとっては驚きもしない情報でしょうが、、。)


 私のHPを開いて頂くと、右に出てくるバナーが「Navigator」で、左に出てくるバナーが「Recommend」です。

 ご存知の方も多いでしょうが、HPに折角いらしていただいたお客様に「お気軽にチャットでコンタクトしていただこう」というのが「Navigator」で、HPを経由して顧客とのインティマシー(親密度)を高めるためには凄いツールで、まだまだ語り尽くせぬ機能や裏技が満載です。

 業種によって使い方も様々ですが、「お問い合わせフォームから問い合わせるほどじゃないけど、ちょっとだけ聞いてみたい」とか「匿名性を確保した上で、聞いてみたい」という顧客心理にしっかり対応してくれます。

 ちょっと問い合わせてみただけで、しつこく勧誘を続けられたという経験をお持ちの方も多いでしょう。

 「せっかくの見込客、逃してたまるか」という営業担当者の頑張りがアダになり、お客様をウンザリさせていることは多いものです。


 電子商取引(Electronic commerce、E-コマース)でダイレクトに商品を販売する場合には、特にRecommend機能は威力を発揮します。

 Recommend機能は、HPにいらしていただいたお客様に「もれなく発信したい情報を伝える」ことと、「個別に発信したい情報を、相手を選んで伝える」ことで、お客様に次の興味領域へ進んでいただくというものです。

 あくまでも発信した情報の取捨選択はお客様の自由ですが、それでないといけないのです。

 「お客様を完璧・確実に捉えよう」と考えれば、その手法はプロダクト・アウトで押し付けになりがちです。

 Recommend機能と解析機能を使いこなしていけば、マーケット・インの最適なアプローチへと高度化させていくことも容易になります。

 ターゲットユーザーへの的確なアプローチによって、一般的に0.02%程度とも言われるコンバージョン率が、1.5%を越えたという驚異的な事例もあります。

 そして意図する市場を深堀していくことこそ、これからの営業戦略の根幹となっていくでしょう。


 先日、私のセミナーを受講された方が「HP戦略化の必要性を社内で訴えているのですが、解ってもらえないのです」とこぼしていました。

 「昔ながらのKKD営業(勘と経験と度胸)で、GNP(義理と人情とプレゼント)を駆使して、年に何足の靴を潰したかが勝負」と言われ、目まいがしたと、、、。


 「営業は足で稼げ!」
というのも正しいし、「営業は頭で稼げ!」も正しいのです。

 真実は1つではなく、お客様の数だけ真実が存在します。

 それが、「マーケティングは心の法則」という所以です。


 例えば社内研修で一般論を並べて勉強するのもスキルのベースを上げるにはいいのですが、事業特性を反映していない場合はあまり効果的とは言えません。

 自社にフィットする≪トータル・セールス・スキルアップ研修≫をオーダーメイドでやってほしいとのご依頼が多くなっているのも、当然の話なのです。


 「SEM、SEO、MEO、LPO、SMO」(本ページ内をご参照ください)や「NavigatorやRecommend機能について、もう少し具体的に知りたい」という方は、お問い合わせいただければ幸いです。

 当然のことながら、私が何もかも知っているわけでも、できるわけではありません。

 どんな課題に対しても、「最適な助言やお手伝い」ができる「信頼できる人脈」を紹介して差し上げられるというのも私の強みなのです。


 オーダーメイドの≪トータル・セールス・スキルアップ研修≫も、お気軽にお問い合わせ下さい。

 私を必要として頂ける方のためなら、全国どこへでも飛んでいきます。


2011.10.6
  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一


経営戦略策定・マーケティング戦略強化・営業研修・営業セミナー・ビジネススキル研修など、貴社の競争力強化のご指導をいたします。お気軽にお問い合わせください。

 

毛利敬親 (もうりたかちか)と 吉田松陰

  毛利敬親(もうりたかちか)と言えば幕末の長州藩主ですが、誰が呼んだかそのあだ名は「そうせい候」でした。


  部下の進言にはいつも「そうせい、そうせい。」と、すぐにOKを出していたからだそうです。


  一見「バカ殿」だと感じる人物で、幕末に名を遺した松平春嶽などに比べれば影が薄く感じます。

 
 しかし、私は前々から「もしかして凄い上司だったのでは」と思ってきました。


  それは現代社会にも通じることですが、藩主と言えば会社では社長です。


  社員の誰よりも凄い・優れた人物でありたいと思う社長も多いものですが、そんなスーパーマンはなかなかいません。


  もしいたら、「いかにレベルの低い社員ばかり採用しているか」と疑いたくもなります。


  毛利敬親は部下の才覚を見抜いて重用したようです。



  多くの藩がそうであったように長州藩も御多分に漏れず借金苦で、財政立て直しのために村田清風という家臣を抜擢して乗り切ったと言います。

  もしも社長がどんな部門長にも、「お前は俺ほどの力はないが、まあお前にやらせてみようか」と言ったら、本人の使命感もモラルも半減です。


  しかし、「これを託せるのはお前しかいない。俺に力を貸してくれ!」と、本人の思想と能力を認めて抜擢すれば、意気に燃えて実力以上の力を発揮するかも知れません。


  先日も書きましたが、有能な上司は「力でねじ伏せる」のではなくて、「価値観を束ねることで、部下の能力を引き出す」のです。



  私が毛利敬親に魅かれたのは、「吉田松陰」について色々と本を読んでいてのことでした。


  残念ながら著書名が思い出せませんが、幕末の激動にあって吉田寅次郎(松陰)の存在がいかに大きいかについては皆さんご存知の通りです。


  養子先で山鹿流兵学を継ぎ、11歳で教授見習いとなっていた寅次郎を敬親は城に呼び、重役を集めて毎年兵学の講義をさせ、「長州に天才がいる」と喜んだようです。


  15歳の時には、寅次郎の講義中に突然「孫子の話をしろ」と命じたら、難なくやり遂げて敬親を驚愕させたようです。



  正に天才としか言いようのない寅次郎でしたが、諸外国に狙われている国難の日本にあって、海岸線の防衛に危機感を持って、藩の許可が待ちきれずに東北の視察に出かけてしまいます。


  無許可で国を出ていくというのは「脱藩」ですから、死罪は免れないところでしょう。


  ところが、こういう大事なところでは「そうせい候」は「そうせい」とは言わず、何と「十ヶ月の遊学願いを出せ」と言い、それを許可しました。


  現代なら、「お前は罪を犯したから、ハーバードかオックスフォードに留学させる。参ったか。」という感じで、罰というよりまるで褒賞の様なものです。


  お蔭で江戸に出て、佐久間象山に学び、その優秀さ故に「象門の二虎」と呼ばれています。


 因みにもう一人の「虎」は、「米百俵」で有名な小林虎三郎です。(小林については、またそのうちに書きたいと思います。)



  普通ならそこまで目を掛けてもらった上司を裏切るようなことは、絶対にできないと思いますし、後で高杉晋作に「身に余る処遇をしてもらった」と感激の手紙を送ったという話からも、殿には死ぬほど感謝していたのでしょう。

  しかし、ペリーが黒船で来航していよいよ日本の行く末が案じられる時に、大人しくしていられるはずもなく、何とペリーの黒船に乗り込んで、アメリカへの密航を企てたのでした。


  またまた死罪に値することをやらかした寅次郎は、自宅謹慎させられていた時に敷地内の納屋を利用して、弟子たちに講義を続けました。


  敬親は黙認していたようで、とことん寅次郎をかばい続けたのでした。


  やはり「そうせい候」は只者ではない!と言い切れる逸話ですね。



  ほんの一年あまりの納屋の塾が「松下村塾」で、厳密に言えば叔父さんが作った塾を引き継いだということです。


  寅次郎はここで高杉晋作や伊藤博文や山縣有朋といった、維新を果たしていく人材を育てていったのです。


  しかし、遂に命運尽きて江戸伝馬町牢屋敷に移され、評定所で朝廷への取締り強化を画策した幕府老中の「間部詮勝(まなべ あきかつ)の暗殺計画」を言ってしまいました。


  私は初めて本を読んだ時に、「あんな賢い吉田松陰が何故そんなバカ正直な、、、」と思ったものです。



  30歳という若さで処刑された松陰の辞世の句は、

「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂」です。


  「これから私は処刑され、関東平野のごみのように捨てられるかも知れないが、この「大和魂」はすでに弟子たちに授けた。覚悟はできているから、さあさっさと殺せ!」という松陰の声が聞こえてきそうです。


  間部暗殺計画を言い、処刑されることを選んだのも、わが身を賭して幕末の志士たちの心に火を点けようとの想いだったのでしょうね。


  私の事務所から200歩も歩けば、この伝馬町の処刑場跡があります。


  いつも近くを通るたびに、吉田松陰の崇高な生き様と死に様に敬意を払い手を合わせています。



2011.10.4  ビジネススキル研究所  鶴田 慎一


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