先日の「不易流行」のお話でご登場いただいた方は、大阪の不二印刷の井戸幹雄会長です。
もう20数年来のお付き合いをいただいていますが、新着リリースから間もなくメールを頂きました。掻い摘んで書きますと、
【 私のお墓の事をご記憶いただき、情報発信いただき恐縮です。
10/1日が不二印刷第80期スタートの社員大会です。
久しぶりに<不易流行>をテーマに挨拶を、と用意していました。
因みに80期キーワードは<勇往邁進>です。 】
【 勇往邁進 】、いい言葉ですねー。
「目的を貫くために恐れることなく、ためらうことなく、勇ましく、わき目も振らずまっしぐらに進むこと」というのが、この言葉の意味です。
不二印刷の社是は『共生』、「きょうせい」と読まずに「ともいき」と読むのですが、このたった2文字の中に「本気で社員たちを幸せにする」「我社に関わる全ての方々の満足を追求する = ステークホルダー・サティスファクション」「社会と共に幸福に向かう」という意味が込められていると思います。
であるからこそ<勇往邁進>が大きな意味を持つのです。
“ Do Right Things !” --- 我々は正しいことを、正しい姿勢で、正しくやり通す!だから『共生』の価値観のもとに全社員総力を挙げて、恐れることなく、ためらうことなく、勇ましく、わき目も振らずまっしぐらに進もう!という強い言霊に満ちた【 勇往邁進 】となるのです。
中国では新幹線大事故に続いて、今度は地下鉄の追突事故ですね。
またしても大きな人災で、問題の根幹は「経済の急激な肥大化」と「健全な発展」の見分けが付かなくなっていることなのかも知れません。
事故の死者数や災害での犠牲者数も、「発表される死者は35人ということが多いのは、それを超えると幹部が更迭されるから」というのは、まことしやかな噂です。
一番に考えるべきは「乗客の安全」なのに、「国威発揚」「党大会に間に合わせる」「万博に間に合わせる」ということが先に立ったとすれば、本末転倒なのです。
政治でも企業経営でも同じですが、「何某かの判断を下す時に最も重要なことは何か」という「価値観教育」に力を入れないと、結果的にとんでもない事態を引き起こすことになります。
我国では那覇発羽田行きの全日空機が6日夜、浜松市沖上空で機体が左側に約130度傾き急降下したという報道は、ご存知の通りです。
副操縦士のうっかりミスであわや大惨事になるところでした。
専門家の話では、「墜落しなかったのが、不思議なくらい」ということでした。
事故、トラブルの圧倒的多数はヒューマン・エラーによって起きているという「ハインリッヒの法則」の典型例ではないでしょうか。
ハインリッヒは、労働災害5000件余を統計学的に調べて法則を導き出し、そこに現れた数値は「1:29:300」でした。
1件の「重大事故」の裏には、29件の「小さなトラブル」と300件の「ヒヤリ・ハット」があるというのが「ハインリッヒの法則」です。
リーダーは小さなトラブルをやり過ごすことなく、徹底検証と分析を行い、問題の根幹となる原因を究明・対処しなければならないのは、言うまでもないことです。
そして、300件のヒヤリ・ハットの全てが部下から報告される様、部下の信頼を得ていなければなりません。
何故なら、人は「苦手な相手」「嫌いな相手」には、率先してコミュニケーションを取ろうとしなくなるからです。
ましてそれが「言いにくい話」「ミスの報告」であれば尚更です。
是非とも強い問題意識を持ち続け、問題が小さいうちに問題解決の具体策が打てるように、改めて「価値観共有」の何たるかを語り合っていただきたいと思います。
2011.9.29 ビジネススキル研究所 鶴田 慎一
経営戦略策定・マーケティング戦略強化・営業研修・営業セミナー・ビジネススキル研修など、貴社の競争力強化のご指導をいたします。お気軽にお問い合わせください。